写真の映りもよくないし、作品としてはイマイチつまんないデザインなんで、ブログアップどうしようかなー??って迷ったんですが、いちおうジュエリーCADで造形したリングの記録程度として・・・・。
これは、もともとはライノセラス4.0の新しいコマンドを試す練習用データだったので造形までしないつもりでしたが、ローランドのJWX-30が導入されたというので、”お試し切削”していただいたものです。
最初は石には爪をつけてましたが、造形してみたら、なんとなく見た目かっこわるい感じなので取ってしまい、伏せ込みにしてしまいました。
こういうぽってりした形を、”月形甲丸”リングと呼びます。横からみると上半分が半月状に見えるからでしょうか。このように、シンプルなようにみえて、真上、正面、サイドのどこから見ても左右対称(シンメトリー)に見えなければならない形というのは、手作業だと慣れていないと大変な仕事ですが、ジュエリーCADを使えばものの数分で出来てしまいます。
ただ、ジュエリーCADですと実際に原型を手に持って目で確かめることができないので、幅、高さ、厚み、腕の絞り具合などは”想像にまかせる”しかないと
いう欠点もあります。CADの場合、想像力をもってしてバーチャルとリアルの両世界のギャップを補わなければならないシーンが多々あります。
実際、画面であれだけリアルに描画できて、3Dでぐるぐる回して確認できるのに、造形してみると想像してたのと違った、っていうことが起こるのが不思議です。人間の目がいかにテキトーか、ってことですよね。
私の場合は、一度、粘土で大雑把なモデリングをして全体のフィーリングを決めたり、実寸で出来上がり状態を手描きしてみてから、CADにとりかかります。
いきなりCADの画面に向かってデザインされる人もいらっしゃると思いますが、手作りでの経験が浅い私には、”プレ・モデリング”によるシュミレーションしてみないと、頭に描いたとおりスケールで原型を作ることが難しいのです。特にレディス物の場合、先に決めるリングサイズがかなり全体のスケールに影響してしまうため、CAD設計に入る前に、やはりそうした準備プロセスは欠かせないと思っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/f2/86aa49c516728e774c9d847b299fc2b8.jpg)
石は、写真ではわかりにくいのですが、
CZとしては珍しい、
”パライバトルマリン”カラーの
キュービックジルコニアです。
ジュエリーCADを採用している企業でも、手描きデザインの工程や人材が省略できない理由は、CADソフトを扱える人が必ずしも、いきなりパソコン画面だけでデザインを描き、しかも製品になるデータを作れるとは限らないからかもしれません。『手描きデザイナー=CADオペレーター』だとしても、おそらく手描きの工程は必要でしょうね。
そういえば、自動車のCMで、1/1フルスケールの粘土の車をピーラーのようなもので削り出していく、”クレイモデラー”さんが登場するシーンがありましたよね。”うはー、カッコイイ~!職人技じゃーっ。”てシビレながら見てました。CADによるモデリングが当たり前になり、どんなにリアルにレンダリングできるような時代になっても、やっぱり実物大にしてみて”フィーリング”を掴むという過程は大切なのですね。