ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

ジュエリーCADは”イマジネーション”が勝負?!

2008年11月07日 | ジュエリー作品&試作品

写真の映りもよくないし、作品としてはイマイチつまんないデザインなんで、ブログアップどうしようかなー??って迷ったんですが、いちおうジュエリーCADで造形したリングの記録程度として・・・・。

これは、もともとはライノセラス4.0の新しいコマンドを試す練習用データだったので造形までしないつもりでしたが、ローランドのJWX-30が導入されたというので、”お試し切削”していただいたものです。
最初は石には爪をつけてましたが、造形してみたら、なんとなく見た目かっこわるい感じなので取ってしまい、伏せ込みにしてしまいました。

こういうぽってりした形を、”月形甲丸”リングと呼びます。横からみると上半分が半月状に見えるからでしょうか。このように、シンプルなようにみえて、真上、正面、サイドのどこから見ても左右対称(シンメトリー)に見えなければならない形というのは、手作業だと慣れていないと大変な仕事ですが、ジュエリーCADを使えばものの数分で出来てしまいます。



ただ、ジュエリーCADですと実際に原型を手に持って目で確かめることができないので、幅、高さ、厚み、腕の絞り具合などは”想像にまかせる”しかないと いう欠点もあります。CADの場合、想像力をもってしてバーチャルとリアルの両世界のギャップを補わなければならないシーンが多々あります。

実際、画面であれだけリアルに描画できて、3Dでぐるぐる回して確認できるのに、造形してみると想像してたのと違った、っていうことが起こるのが不思議です。人間の目がいかにテキトーか、ってことですよね。

私の場合は、一度、粘土で大雑把なモデリングをして全体のフィーリングを決めたり、実寸で出来上がり状態を手描きしてみてから、CADにとりかかります。

いきなりCADの画面に向かってデザインされる人もいらっしゃると思いますが、手作りでの経験が浅い私には、”プレ・モデリング”によるシュミレーションしてみないと、頭に描いたとおりスケールで原型を作ることが難しいのです。特にレディス物の場合、先に決めるリングサイズがかなり全体のスケールに影響してしまうため、CAD設計に入る前に、やはりそうした準備プロセスは欠かせないと思っています。


石は、写真ではわかりにくいのですが、
CZとしては珍しい、
”パライバトルマリン”カラーの
キュービックジルコニアです。

ジュエリーCADを採用している企業でも、手描きデザインの工程や人材が省略できない理由は、CADソフトを扱える人が必ずしも、いきなりパソコン画面だけでデザインを描き、しかも製品になるデータを作れるとは限らないからかもしれません。『手描きデザイナー=CADオペレーター』だとしても、おそらく手描きの工程は必要でしょうね。

そういえば、自動車のCMで、1/1フルスケールの粘土の車をピーラーのようなもので削り出していく、”クレイモデラー”さんが登場するシーンがありましたよね。”うはー、カッコイイ~!職人技じゃーっ。”てシビレながら見てました。CADによるモデリングが当たり前になり、どんなにリアルにレンダリングできるような時代になっても、やっぱり実物大にしてみて”フィーリング”を掴むという過程は大切なのですね。



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2 コメント

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本当に・・・ (chiz)
2008-11-07 07:04:11
CADのモニター上のボリューム感と実際のボリューム感の
ギャップの把握は本当に難しいですね。。。

特に、大画面のモニターで何倍にも拡大した状態で
作業する事が多いので、実寸にした時のあまりの小ささと
小さくなった時の、バランスと立体感の違いにまず戸惑い。
平面上の3Dと、本当に立体になった時の微妙な
立体感の差にまた戸惑い。
キャリアを重ねてるつもりでも、なかなか慣れないですね。。。

昨日もCADでデザイン&モデリングしたペンダントが決まって、原型を作るので3面図を出してくれと言われたので、
CADの作業画面をコピーして、3面図にして提出すると、
レンダリングで見た時のとデザインが違うと言われました。
全く、同じデータなのですが、平面的な3面図と、
ライティングで陰影のはっきりしたレンダリングでは
それだけで立体感や、ボリューム感が違って見えるらしく
結局、最後まで納得してもらえなかったので
3面それぞれレンダリングして、画像を配置して
3面図として提出しなおす羽目になりました

本当に、バーチャルの世界は難しいです。。。
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まぁ・・・! (ROSE POSY)
2008-11-08 01:44:33
コンピュータのデータ的には正しいのに、人の目ではそうなってしまうのですね。
なんか、せっかくCADでデザインしてるのに、クライアント側がそんなアナログなことでは、手描きだけの時代のほうがやりやすかったですね。

手描きデザインだと人が想像力を膨らまして、絵に描かれていない行間を勝手に補ってくれるところがありますが、コンピュータがあまりにリアルに描きすぎると想像してたのと実物とのギャップが超細かいレベルで出てきて文句言われるとか、難しいものがあるようです。
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