つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町での独断による夏の珈琲独白。

2012年06月21日 23時45分49秒 | 日記
2012年6月21日は二十四節季の一つ「夏至」。
一年で最も昼が長くなる日だが、梅雨にあたるため実際の日照時間は短い。
本日、津幡町の空は曇りで、薄日がさすのは稀だった。
ともあれ、暦の上では明日から本格的な夏がスタート。
暑くなると、ついつい手が伸びてしまうのは「今日の一枚」…
「アイス缶コーヒー」だ。
ブランドにこだわりはないものの、選択の基準は往々にして「ビジュアル」。
特に、美しい大人の女性を起用した商品を手に取る傾向が強い。
まったく僕の個人的な意見に過ぎないのだが、
珈琲は「女盛り」をイメージさせるのだ。

その連想の源は、まず、舌と心をくすぐる「複雑なテイスト」。
甘味、苦味、酸味、ローストの香り、
それぞれが混ざり合った味わいは、成熟した女性の魅力を重ね合わせてしまう。

次に、珈琲の歴史における様々な「逸話」も影響している。
例えば、世界一のコーヒー豆生産量を誇る南米大陸のブラジルの
ある「愛の物語」を紹介しよう。

コーヒーの木の原産地はアフリカ。
現在のエチオピア辺りらしい。
元々、ブラジルには、コーヒーの木は1本もなかった。
しかし18世紀当時、お隣の国・ギアナはコーヒーの大産地。
時のブラジル政府は、何とかギアナの様にコーヒー栽培による富を得たい!
…と、考えていた。
だが、苗木や種は厳しく管理され、国外への持ち出しもままならない。
そんな折、両国の間に国境問題が持ち上がり、
調停使節団を乗せたブラジルの軍艦がギアナに入港。
船には、秘かに苗木入手の密命を受けた海軍中尉が乗り込んでいた。
彼は現地で恋に落ちたギアナ総領事の夫人に、協力を求める。
そして、別れの時が訪れた最後の夜。
晩餐会の席で、夫人は彼に大きな花束を手渡した。 
美しい花々に数本のコーヒーの苗木を隠して…。
2人の恋は実らなかったが、こっそりと贈られたプレゼントは、
やがてアマゾンの河口で実を結び、今日の起源になったという訳だ。

争い、苦難、ロマン…沢山のエピソードを生みながら、
世界中へと栽培地域を拡大していった珈琲。
僕達が一杯のコーヒーに魅せられるのは、
アロマの中に、人の魂と情熱が香るからなのかもしれない。

                   (※2010年6月12日に、関連記載アリ。)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする