つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町のお隣は、麦の秋。

2012年06月03日 20時07分06秒 | 旅行
今日は富山県・小矢部市で仕事があり、先ほど帰宅した。
津幡町中心部から小矢部市街へのアクセスは、片道20分あまり。
津幡北バイパスが開通してから、交通の利便性は飛躍的にアップした。
そのせいもあってか、小矢部市民は休日になると、
津幡町でショッピングに勤しむのだそうだ。
『昔は、津幡の人が小矢部に買い物に来たんだけどねぇぇぇ~。
 時代は変わったって事かなぁぁぁぁ~。』
…と、妙に語尾が間延びした語り口の取引先が教えてくれた。

確かに、以前と比べ両者の民力は拮抗している。
現在、津幡町の人口は37,537人、世帯数12,807。
一方、小矢部市は人口31,765人、世帯数 9,840。
単純に数字を比較しただけでも、勢いの差は明らかだ。

また、倶利伽羅峠を挟んで背中合わせのお隣さん同士だが、
長いトンネルの向こうには、何かと見慣れない景観がある。
まず目につくのは信号機の形状の違いだ。
横長の津幡町に対して、縦長の小矢部。
車を走らせるといやでも意識するシグナルだけに、
横並びに慣れた僕は違和感が拭えない。

そしてもう1つ。
「冒頭の一枚」…津幡町では殆ど縁のない「麦畑」である。
初夏、稲の若葉が風に揺れる水田とは対照的に、秋の趣だ。

『麦秋(むぎあき)や 子を負いながら いわし売り』:小林一茶。
『麦の穂を たよりにつかむ 別れかな』:松尾芭蕉
『麦秋や 中国下る 旅役者』:正岡子規
『麦の穂の 風にゆれたつ音きこゆ 雀つばくら 啼きしきるなかに』:若山牧水。

初夏の季語として、数々の歌に詠まれた麦秋(ばくしゅう)。
普段は見慣れぬ景色だけに、美しさが目に染みる。
もう少し写真を掲載しよう。

  
<一面の麦原の向こうには建築中の北陸新幹線>

  
<麦穂アップ、六条大麦ではないだろうか>

『実るほど 頭(こうべ)をもたげる 麦穂かな』:りくすけ

…さて、話題はガラリと変わる。
小矢部からの帰り道、前々から訪れたかったラーメン屋の暖簾を潜った。
それは「バスラーメン 喜龍」。

  

あえて逆さ文字にした看板。
その奥のピンク色の廃バスが店舗となっている。

   

外からの上り口はツーステップ。
レトロな乗合自動車然とした床のフローリングの質感。
座敷席に残されたハンドル。
鰻の寝床のような店内は、確かにバスの面影あり。
最奥部右上のブラウン管テレビのチャンネルは「笑点」。
…嗚呼、昭和っぽい。
大音量の「大喜利」を聞きながらいただいたのは「道楽ラーメン 大盛り」だ。

   

見た目は典型的な富山ブラックながら、脂少なめで案外アッサリ味。
これでお値段650円は、満足のパフォーマンスである。
御馳走様でした!!
コメント
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