大河ドラマ「光る君へ」の影響で石山寺を訪れる人が増えているとは聞いていたが、かくいう私の友人も8月の末に石山寺に行きたいと遠方からやってくることになった。折角だし私も一緒に行くことにしたのだが何の予備知識もなかったところ、近所の友人が、石山寺の座主さんの講演会&ランチ会があると調べてくれて、すぐ予約を入れてくれた。
そんなわけで3人で石山寺の座主さんの講演会&ランチ会、翌日に石山寺訪問、という日程で行ってみることになった。
恥ずかしながら私はその時まで「座主(ざす)」という言葉を知らなかったし、座主とは大きな寺の一番偉い住職さんを指すことも知らなかったし、石山寺の座主さんが女性であることも知らなかったし、石山寺初の女性座主さんであることも知らなかった。
講演会は予習なしでも楽しめる内容だった。石山寺の説明はもちろん、石山寺所蔵の宝物の絵巻の解説があったり、紫式部と夫との歌のやりとりの解説があったりしたのだが、ゆっくりとした優しい口調でわかりやすく、何よりお話しが上手な方であった。講演会が終わり、質疑応答の時間があり、誰も手を挙げなかったので、司会の方が2つ質問された。メモをとっていなかったので詳細は忘れたのだが、困難なことに直面した時に「委ねてみることではないかと思う」といったやりとりがあり、それがとても印象に残った。
次の日、朝早くから石山寺に向かった。朝早かったので入った時は人がまばらであったが、その分ゆっくりと巡ることができた。前日に講演会で聞いたことが目の前にあるという臨場感がすごかった。極め付けは、本堂の拝観の時であった。本堂の内陣に入らせてもらったところ、ちょうど座主さんがメインの席の大きな座布団にお座りになり祈っておられるところだった。確かに前日講演会で見た方が、本当に祈っておられるところに遭遇したことに驚き、ずっとその様子を見ていた。ふと、前日に「委ねてみることではないかと思う」とおっしゃっていたことを思い出し、今も何かに?仏さんに?委ねておられるのだろうか、と思うと、気のせいかもしれないが後光がさしているようだった。
写真は【ホテル日航プリンセス京都】開業20周年記念 特別企画『源氏物語ゆかりの大本山石山寺 鷲尾龍華座主講演会とフランス料理特別ランチ』のお料理
【メニュー】
・海の幸と夏野菜のゼリー寄せ “十二単” ~十五夜の思い出~
・鮎のコンフィグラッセ 福井米 “華越前” リゾット 吉野葛コンソメ餡 ~紫式部が暮らした越前に思いを馳せ~
・真鯛と道明寺粉ヴァプール 青紫蘇の香り 椿餅仕立て ~鰯を鯛に~
・近江鴨の炭火焼き 夏の京都・地野菜とジュー・ソースで ~平安時代から継承される四種器とともに~
・バゲット 豆腐パン
・夏の蜜柑コンフィチュール クレープ包み 唐菓子のように ~いにしえを偲んで~
・紅茶