いやはや、今日もひどい雪です。
どうも、ren.です。
全道で先週末と同等程度の吹雪に見舞われています。
何事もなければいいのですが。
● 「天下繚乱RPG・リプレイ・義経変生譚 3」 三輪清宗/小太刀右京/ジャイブ
著者、参加者とも、いまや多方面で多忙を極めている方々によって紡がれるリプレイ、1年ぶり、そして最終巻。
なんと、400ページオーバーという分厚さです。
そのためか、口絵のカラーピンナップはありません。
あと、誤字脱字の多さは変わらず(w
前巻で義経の素性も明らかになり、成吉思汗、平清盛、そして静御前との怒涛の三連戦。
そして、その余波でトンデモワールドになってしまう日本各地(w
こういうの、天さんの十八番だと思ってたけど、ある程度の歴史知識とアレンジ能力が在る人は、みんなそういう傾向になるものなのかしら。
今回の個人的ヒット、その1。
「神にも関節技は通用する」。
具視は「当たり前といえば当たり前」といっていますが、そうかぁ?(w
ツボ、その2。
ラスボスを殴るプレイヤー・すがのさん本人。
自PCは絶対そんなこと言わないけど、PLとしてははっきり言いたい事がある。
まあ、自分の性格と乖離したキャラをロールプレイしていると、ままあることですな。
しかし、それを商業公式本でやってのけたのは、リプレイ史上初めてかもしれない。
つか、最近は女性リプレイヤー自身が一番の萌えキャラっていうパターンが流行りなのか?(w
ツボ、その3。
ラストバトル on ファミレス。
痴情の縺れというファクターがあるだけに仕方がないのかもしれないけれど、やっぱり静の性格があんなだからなのが原因でしょうね。
しかも、原因たる義経、ヤンデレな静、ツンデレな葛ノ葉、中国嫁のロンロンと、盛り上がる要素万全。
そりゃ、蚊帳の外の具視はドリンクバーに入り浸るわな(w
ツボ、その4。
ハヨピラ、ニプタイ。
第1巻のときから期待していた、北海道での義経縁の地。
どちらも平取町沙流川沿いにあります。
さあ、ここからリプレイと関係のない長話になるぞ!(w
2006年のキャンプツーリングで、私はここをレポートしています。
でも、義経神社にも行ったんだけど、写真撮ってこなかったのよねぇ。
というわけで、こちらがハヨピラ。
ちなみにハヨピラは「鎧を着た崖」という意味で、その名の通り切り立った土地となっています。
作中にも書かれていますが、ここはオキクルミカムイが龍に乗って降りた地と謂われています。
そのため、カムイ信仰における文化発祥の地(天地創造の地ではない)なのです。
この「龍に乗って」という点ですが、これを「龍とはUFOのことだったのだ!」と主張したものがいました。
彼らは「宇宙友好協会(CBA)」といい、まあ、つまりはカルト教団でした。
ちなみに、有名な「ベントラー」というUFO召喚呪文を広めたのも、彼らです。
1964年、このオキクルミ伝説を利用した彼らは奇妙な公園施設を作りました。
その名は「ハヨピラ(ハイオピラ)自然公園」。
それが、この廃墟なのです。
ここに、当事の貴重な写真があります。
これは1970年ごろ、私の父が会社の慰安旅行で、この公園を訪れたときのものです。
なにぶん古いカラー写真なので色あせていますし、人の写っている部分は修正させていただきます。
公園の駐車場側入り口から見上げたところ。
崖に作られた施設だけに、ものすごい急勾配ですが、全面に施された階段で登ることが出来ます。
一応、この形状は「オキクルミカムイを称える祭壇であり、それを通じて宇宙人にメッセージを送るピラミッド」なのだそうです。
レリーフされている巨大な遮光器土偶と人工衛星が、この写真からもわかりますよね。
その2つの間にあるのは、金色に輝くUFO像です。
ここまで、まったくオキクルミ要素がありません(w
まあ、写真に写っていないところに、壁画や仏像(カムイ像?)があるのですけれど。
この施設はCBAの手作りで建設されたため、建築的安全性はまったく図られていません。
しかも、この施設の完成に費やした資金的問題や、代表者の急死によって、CBAは瓦解することになります。
まあ、オキクルミの罰でしような。
なお「ハヨピラ自然公園」で検索すると、現在は立ち入り禁止のこの廃墟に潜入した猛者のレポートが、色々と見られます。
興味のある人は見てみてください。
面白いですよ。
義経神社は、この公園のすぐ近く、沙流川の下流側に在ります。
国道沿いのローソンから崖に向かう坂道を上ると、森の中にひっそりと建つ神社が現れます。
境内前まで古い舗装ではありましたが、バイクで乗り入れることが出来ましたよ。
この神社の建立は江戸時代後期の1798年。
当時の探検家である近藤重蔵は、この土地のアイヌコタン(集落)で集めたユカラ(神揺)のオキクルミカムイについて、当時流行していた「落ち延びた義経が、蝦夷を訪れた」という説の裏づけと考えました。
そこで、義経の像を作ってこれを祭ったのが、義経神社の縁起だそうです。
私の手持ちの資料に載っていた、この写真がその像でしょう。
なお、この神社の話が逆輸入された結果、ヨシツネカムイ、ホウガンカムイと呼ばれる、義経そのもののカムイの名前が登場するようになります。
そして、これがまた各地に義経伝説を生む結果となったのか、北海道に100を超える"義経縁の地"が生まれました(w
この本で登場せず他に有名なのは、寿都町の弁慶岬でしょうね。
個人的には、小樽~札幌のJR路線の途中に、義経を祭った小さな祠が車窓から一瞬見えるのを推したい(どマイナー)。
さて、次にニプタイですが、こちらは萱野茂さんで有名な二風谷(にぶだに)。
沙流川沿いの谷地で、古くからアイヌの大集落があった場所です。
前述の周辺地域の神聖さから、聖地として過言でない場所でした。
特に、沙流川の岸で行われるチプサンケ(舟下ろしの儀式)は、この地でもっとも神聖といわれる儀式のひとつです。
▼ 平取町二風谷で舟下ろしの儀式「チプサンケ」(2012/08/19)北海道新聞
そのため、この流域にダムが出来て、その儀式の舞台が沈むことについて問題となりましたね。
現在のアイヌ民族・文化の振興運動が行われるきっかけとなった事件でもありました。
ここも前に何度かレポートしていますね。
アイヌ資料館とか、二風谷ダムとか。
この辺はまさにいくつもの意味で聖地巡りドライブ・ツーリングコースとしても最適ですね。
ちなみに、苫小牧港から車で2時間程度です。
なお、義経が蝦夷地上陸に訪れた函館については、私があまり詳しくないので語れません(w
でも、これだけ知っている土地が出ると、やっぱり楽しいですな。
とかく"聖地"は関東圏に集中しがちなので、たまにはこういうのも嬉しいもんです。