希望屋 ~ren_ka ci=set~

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ダイナミックフィギュア

2015年06月18日 21時02分08秒 | ▼マンガ・本

昨日と打って変わって涼しく過ごしやすい札幌から、ren.です。
E3関連で「LEGO Dimensions」のPVを観て吹きました。

▼ LEGO Dimensions - Great Scott Live Action Trailer

クリストファー・ロイド氏、歳はとったけどドクはドクだ(w
にしても、LEGOのブランド力には嫉妬、ギギギギ……。

● 「ダイナミックフィギュア」 三島浩司/ハヤカワ文庫
https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/dc/49318adbe21e9ddef1688421efae0efa.jpg?random=02846cd04e9b10ede8cc6fd0a858e02f

のんびり読んでいましたが、読了。
個人的には、これまで読んできたロボット小説の中で、最も面白かったです。

宇宙からの渡来体"カラス"が作った地球の極を巡るリング="STPF"は、人類に"究極的忌避感"を与えた。
しかし"カラス"は、更なる渡来体"クラマ"によって駆逐され、その戦闘により"STPF"の一部が落下。
ニューギニアと日本・四国に落ちた"STPF"のセグメント"からは、"キッカイ"と呼称される敵性生物が出現。
人類は軍事力によって対抗するが、"走馬燈"という器官によって"概念"を次の世代へと伝える"キッカイ"は、登攀や盾防御といった行動だけでなく、ガス攻撃までも会得し強くなっていく。
ニューギニアに核攻撃まで行った国連の介入と、汚染地域の国際化を拒否した日本は、自衛隊の戦力だけでなく巨大ロボット兵器"ダイナミックフィギュア"を開発し、"キッカイ"に対して戦いを挑む。
しかし、世界のミリタリーバランスを崩しかねない"戦略兵器"であるDFには政治的制約が常に付きまとい、その登場によってミクロからマクロまで、複雑な世界事情と人間模様が、人類の行く末に大きな影響を与えていく。

こんな感じの作品。
独特な用語が多いですが、逆に独特すぎて馴染み易いです。
その文法はキャラクターの名前にも反映されており、珍名さんギリギリなために覚えやすくなっています(w

DF"シキサイ"のパイロット、栂遊星(とが・ゆうせい)が主人公ですが、ストーリーはさまざまなキャラクターに移り変わり、それぞれの視点と考えで進んでいく群像劇です。
ぶっちゃけ栂よりも、破天荒な佐々史也(ささ・ふみや)の方が主人公っぽくも感じます(w
敵にも味方にも、同じ考えを持つ者がいないため、名前も相まってキャラクターが立っています。

筆者の癖か、わざとなのかもしれませんが、かなり淡々と文章は進んでいきます。
「ここが見せ場だ!」という主張を感じないので、盛り上がりどころがわかりづらいのですが読みやすい。
また、「これは伏線です」とはっきりさせる筆致は新鮮でした。

ただ、形や姿の描写が淡白なのは痛し痒しでした。
"シキサイ"と"カムカラ"はパワードスーツ絵師・加藤直之さんの描く表紙でイメージできますが、作中には細かい解説はなく、不気味である"キッカイ"の詳しい容姿も説明されず、登場人物についても年頃と髪形くらいしか描写がありません。
それだけに、読者それぞれイメージが違うことになるでしょうから、感想を語り合うにも統一した印象が持ちづらいですね。

まあ、SF小説にはよくあることではありますが、もしも漫画・アニメ化されたら、「戦闘妖精雪風」のアニメ化の時のような賛否両論が巻き起こりそう(w
加藤さんが考証デザインした義足ランナーのような脚で走る姿は、映像で観てみたい気もしますが。

新鮮な世界観、緩急のある展開、予想のつかない結末。
……単語を並べるとあまりに陳腐ですが、まさにそんな作品でした。
日本独特である"搭乗型ロボット兵器SF"ですが、その完成形のひとつです。
とにかく"STPF"が人間に与える影響や、"キッカイ"の生態、DFの操縦システムには驚きを感じるので、興味を持った方はぜひ。

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