今までの滝や間欠泉、火口湖のある地域はリジョン3(ホフス氷河から流れるショーサ河の西)と呼ばれ、観光地も多くて立ち去りがたく、落差122メートルの滝ヘアーホスがロードナンバー32にあるというので一日キャンパーで走り回ったのです。
ケリオから一面緑の牧草地帯を走っているうちに、真っ白のかなり大きな教会が見えてきてキャンパーがたくさん停まっていました。スコルホルト大聖堂は11世紀からの歴史を持つ教会ですが、現在の建築物は新しく、教会の横に古い教会の基礎石が保存されていました。
教会の中では男性二人がチェロの練習をしていて中々いい雰囲気、彼らの邪魔にならないよう誰もが音を立てないようそろそろ動き回っていました。
ロードナンバー32はショーサ河にそって北上し景色も素晴らしく、右手の遠方に純白のヘクラ山、左手はアイスランドのグランドキャニョンがと、またもや感嘆詞の世界が展開していました。
この道路がロードナンバー26と交わる最終地点までの60Kmを北上しましたが、ヘアーホスは見つかりません。昼食を食べようと道路際の広場でキャンパーを止め、近くに停まったアイスランド人の家族連れに聞きましたら、歩いて2時間かかるか、近道は4輪駆動の車以外は行けないとのことであきらめました。
この広場でクッキングをしていると遠方から数十頭の馬が駆けてきました。先頭に騎馬女性が一人、列の最後に男性が二人騎馬姿で、道草しようとする馬を追いかけていました。どの馬も素晴らしくきれいで、たてがみが特に長く目が隠れています。多分この地に多い小さくすばやい蝿から目を守るためだと思われます。蝿を避けるためにはキャンパーの窓もドアも開けられませんでした。
途中から九十九折の山を登って行くと、眼下に見えた草葺の建物には帰りに立ち寄ってみました。この地域は12世紀に右手の雪山ヘクラが噴火して火山灰に埋もれたものを再現した百姓屋と教会でした。
ロードナンバー26は私たちが向かうリジョン2(ショーサ河の東)へ行ける近道なのですが川を挟んで平行に走っている道路からは車が通るたびにすごい土埃が舞い上がっていて、環状道路N1にたどり着くまでの62Kmもがたがたゆられてはたまったものではないと、あきらめてもと来た道を引き返したのです。
この夜のキャンプサイトはリジョン2のスコガフォス(60メータの滝)の畔を予定し、メイン環状道路N1を東に向かいました。