代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

パリ協定とWTO協定どちらを取るのか?

2021年01月24日 | 自由貿易批判
マクロン大統領が、ブラジルからの大豆の輸入制限という手段をとっても大豆の国産化を図った場合、ブラジルは「WTO協定違反」として、フランスをWTOに提訴することになるだろう(トランプ政権の妨害のおかげで、WTOの上級パネルは現在機能していないが)。WTOのこれまでの判例から判断すれば、ブラジルが提訴すればブラジルが勝ち、フランスは負けるはずである。  しかし、今世紀後半に炭素排出を実質ゼロにするというパリ協定を満たすためには、アマゾンをこれ以上破壊してはならない。  問題なのは、パリ協定とWTO協定のどちらが大事なのか、という点である。私たちはパリ協定を優先すべきであり、森林を農地転用して生産された作物や牛肉などを、もはやこれ以上輸入してはならないのだ。 . . . 本文を読む