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デボラ・コルカー・カンパニー『ベル』神奈川芸術劇場(2015/11/1)

2015-11-02 16:18:43 | Weblog
身体は、見える心、触れる心である。
心が隠されることなく、身体において露出する。

これが、身体の本来的性格!

上流階級の若妻セヴリーヌは、同時に、実は、「昼顔」Belle の名で娼婦の顔を持つ。
一人の特異な女性が持つ、世間的常識的には分裂した心。

だが、それはセヴリーヌにとっては、彼女の一つの心。
その心が、語られる言葉なしに、舞台上で、身体のみによって表現される。

身体の持つ本来的性格は、普通、語られる言葉によって隠される。
これと正反対に、今回の舞台『ベル』では、言葉が、一切語られない。

「身体だけが、本来の心そのものであること」、それが、今や、あらためて主張され、明らかにされる。
言葉によって、隠されてきた「身体が心そのものである」という神秘が、姿をあらわす。

訓練されたダンサーたちの肉体と、振付家デボラ・コルカーの身体についての深い洞察。
それらが、この身体の神秘を明らかにする。

すごい舞台だった。
身体の神秘の荘厳な顕現である。

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