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みみかほう

こころの耳をすませて すてきな果報にであいたいとおもいます。

.

✿ラプラスの魔女

2015年06月15日 | ✿読書
ラプラスの悪魔(Laplace's demon)という言葉があります。
1700年代のフランスの数学者、ピエール=シモン・ラプラスによって提唱されました。

「現在におけるすべての条件が解れば、後は簡単、法則に当てはめるだけで未来は予知することが出来る。」というもの。
1700年代といえば未だキリスト教の権威は強大であり、このラプラス博士の科学礼賛思想にカトリックは驚異を抱いた。カトリックの重鎮にとって、世の中を規定するのは科学ではなく神でなければならなかった。そこで対ラプラス対策のネガティブキャンペーンがカトリックにより構築され、科学至上主義を揶揄して「ラプラスの悪魔」というフレーズが用いられるようになった。


本作のタイトルである「ラプラスの魔女」は、このラプラスの悪魔をもじったものなのでしょう。





表帯  彼女は計算して奇跡を起こす。作家デビュー30周年記念作品
    東野圭吾が小説の常識をくつがえして挑んだ、空想科学ミステリ

裏帯  これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。 
    そしたらこんな作品ができました。 ―――東野圭吾
    価値観をくつがえされる衝撃。物語に翻弄される興奮。
    作家デビュー30年、80作品の到達点。

あらすじ
円華という若い女性のボディガードを依頼された元警官の武尾は、行動を共にするにつれ彼女には不思議な《力》が備わっているのではと、疑いはじめる。
同じ頃、遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きていた。検証に赴いた地球化学の研究者・青江は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃する――。
価値観をくつがえされる衝撃。物語に翻弄される興奮。





読書感想文、とはいえ
この本、
O組ツアーに行く前に読み終えていたんですよ~。


とにかく、たっ~くさんの人物が登場じます。
例にとって、いたるところに伏線が張り巡らされています。

読んでは、あと替えって確認
なっとくして、読み進んで、また確認。


タイトル「ラプロスの魔女」ですから
主人公は、不思議な少女円華かな。と思ってしまいます。
ところが、
物語は、次から次に語り手が変わります。
大学教授であったり、刑事であったり、ボディーガードであったり、若き未亡人であったり、
そうなのです、はっきりとした主人公がいないのです。


バレエティにとんだ登場人物の行動に右往左往しているあいだに
物語は進んでいきます。


「現在におけるすべての条件が解れば、後は簡単、法則に当てはめるだけで未来は予知することが出来る。」
そうです、
結局、未来は、未来。
知らない方が、しあわせなのかもしれません。

科学であれ、神であれ、
すべての条件なんて整わなくていいと、思うのですよ。




・・・





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✿ソロモンの偽証 第三部法廷

2015年03月26日 | ✿読書
・・・。

やられました。
まいった。


宮部みゆきさん、見事です。


2012年、途中で投げ出したままだった「ソロモンの偽証」


映画「ソロモンの偽証前篇」を見終えたあと、
原作本、
最後まで読まねば!!読み終えねば!と、決心。





宮部みゆきさんの小説には、最近、
優等生の子どもたちが、登場します。
この「ソロモンの偽証」もしかり。
ページを開く手が止まるほど そう、
子どもたちの分別のありすぎる思考回路が、そらおそろしかった。


そこで
勝手に設定をかえました。
この登場人物たちは、中学生ではない。ということに、
しておこう。





≪第三部法廷 あらすじ≫
この裁判は仕組まれていた!? 最後の証人の登場に呆然となる法廷。驚天動地の完結篇!

その証人はおずおずと証言台に立った。瞬間、真夏の法廷は沸騰し、やがて深い沈黙が支配していった。事件を覆う封印が次々と解かれてゆく。告発状の主も、クリスマスの雪道を駆け抜けた謎の少年も、死を賭けたゲームの囚われ人だったのだ。見えざる手がこの裁判を操っていたのだとすれば……。驚愕と感動の評決が、今下る!






第三部法廷は、
中学生が、ただ単に謎解きをする探偵ものではない、あくまでも状況証拠と証人喚問をしながら、検事側、弁護側が出方をうかがうというスリリングな法廷ものです。

中学生というのは難しい時期です。
思春期、反抗期、そして大人の世界に翻弄される小舟。
その嵐のような思惑におしつぶされて
結局、
柏木くんは、死を選んでしまう。

嵐を背負った柏木くんと、
嵐から必死に背を向けようとした神原くん、
こじれた感情に支配された二人の物語
うなるような、結末でした。

そして、
一番取り扱いの難しい三宅樹里の心を
こういうかたちで救済したところも、
うなって、しまいました。





学校で不祥事があった場合、
誰かが責任をとって謝罪をし、とりあえず、くさい物には蓋をして、
世の中が忘れるのを待つ。
けど、それで当事者たちは「忘れることができるのか」

こころに貯まる偽りの証言。
それは、
その年頃の子供たちが、一番濃いのかもしれません。

その諸々を風化させることに待った
をかけたのが、この法廷です。


学校というのは、社会の縮図でもあります。
この物語の主人公は、中学生。
はい。
納得しました。


一気に読み終えましたよ。722ページ。


さて
次は、映画「ソロモンの偽証後篇」です。
あのこたちは、どう描かれていくのか。





エピグラムです。

今年といわず、幾度目の夏が来ようと、
その子どもたちが青春を謳歌することはない。
今年の夏はもう、こっそり蓄えていた強さや
勇気を見いだす必要はない。
大人の世界の複雑さに立ち向かって、
より悲しくより賢くなり、生涯の絆で結ばれながら
離れ離れになるのだから。

        --タナ・フレンチ「悪意の森」




福岡は3月22日発表。





・・・





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✿五郎治殿御始末

2014年10月02日 | ✿読書
先日観た「柘榴坂の仇討」は、この短編集「五郎治殿御始末」(浅田二郎著)の中の一篇が原作となっています。
映画でいたく感動し、これは是非とも原作も読まねば
で、読みました、感動倍増~倍々増です。


幕末維新の激動期、自らの誇りをかけ、千年続いた武士の時代の幕を引いた、侍たちの物語です。

表題作の「五郎治殿御始末」ほか全六篇。「椿寺まで」、「箱舘証文」、「西を向く侍」、「遠い砲音」、「柘榴坂の仇討」、が収められています。





あらすじ
第一話「椿寺まで」
上野での彰義隊の戦いで自ら重症を負いながらも生きのびて、武家を廃して商人となった男が、甲州勝沼で薩長軍と戦って討たれた友人の息子を引き取り、手代として可愛がって、その子を連れて甲州街道を遡って日野の先の高幡にある通称「椿寺」まで出かけていく話。
「椿寺」に待っていた人物とは・・。
その寺を去るときに、足下に落ちていた大輪の椿の花をそっと懐に入れるシーンが院師匠的。

第二話「箱舘証文」
新しい時代になじめない感覚を持ちながらも明治政府の役人として働いていた大河内厚のところへ、ある日、警視庁に勤めているという旧会津藩士の中野伝兵衛が訪ねてくる。中野伝兵衛は、今は名前を渡辺一郎に変えているが、かつて箱舘の戦いの折、徳島藩士であった大河内厚は敵方であった中野伝兵衛と遭遇して、争い、負けて咽元に脇差しを当てられた時、中野伝兵衛から「そこもとの命、千両で売らぬか」と言われて、命の代金としての千両を支払う証文を書いていた。中野伝兵衛は、その千両の掛け取りにやってきたというのである。その証文がいろんな人物方向へと繋がってゆく。

第三話「西を向く侍」
有能で暦の専門家として幕府の天文方に出役していた成瀬勘十郎は、新政府に出仕することになっていたが、待命を受けたまま五年の月日を無為に過ごし、その間に養うことができない妻子を甲州の義兄のもとに預け、上地(土地の召し上げ)で棲むところがなくなった隣家の老婆と共に暮らしていた。そのころ明治政府が出していた暦には誤りが多く、成瀬勘十郎はその誤りを修正することで、早く出仕して生活を楽にしたいと願っていた。
新しく取り入れた太陽暦、二、四、六、九、士(武士の士で十一)は、三十日、
覚え方は「西向く侍」、西方から来て天下をわがものとした薩長への恨みも忘れることはないだろうという思いがこめられている。

第四話「遠い砲音」
「時」に関する話で、一日の時間の数え方までがすっかり変わってしまい、それが変わるということは人の暮らし方が変わるということだから、人々の戸惑いも大きかったに違いない。それまではだいたい2時間おきに刻まれるおおよその時刻で人々は暮らしていたが、時間単位、分単位で行動が決められることになる。物語は、長門清浦藩の藩主に仕えながら、新政府の近衛砲兵隊の将校として出仕している土江彦蔵を中心として描かれる。

第五話「柘榴坂の仇討」
映画の原作です。
あの柘榴坂で、刃を交えることはしなかったですね。
いっそう、悲壮感が漂います。
実際、最後の仇討は、
秋月の乱で両親を殺された臼井六郎によるものです。
明治に改元される幕末最後の年に、藩内の政治 的対立から暗殺された両親の仇討ちを13年後に果たした。
浅田二郎さんは案外この13年をヒントにされたのかもしれませんね。

表題作ともなっている第六話「五郎治殿後始末」
明治元年に生まれた曾祖父の思い出を孫が聞き取るという構図で、曾祖父の祖父に当たる岩井五郎治は、桑名藩士で、息子を越後での薩長との戦いで失いながらも桑名に残り、事後処理の勤めを果たしていた。旧藩士の整理で、整理される者たちからは「長州の狗」と軽蔑され、恨まれながらその役を果たしていた。付け髷をつけて見栄えはしないが、温厚で利発な人でもあった。そして、役を退き、政府から与えられる金子も辞退し、家財の一切を売り払い、その金を菩提寺に寄進し、寄る辺ない旧藩士に分け、使用人が生活できるように渡して、同居していた語り手である孫を尾張の母親の実家に帰すように取りはからうのである。そののち五郎治は、藩の始末をし、家の始末をし、そして、ついに自分の始末も果たした。





明治維新をむかえ、(文中では御一新といいます。)
武士は武士でなくなるわけですが、
流れる時代にうまくのっていくのは至難の業だったのです
プライドを無くすことだけを恐れ、あらゆる事を受け止め、世相の中で曲げず、そして騒がず、心に情けをもち、ただひたすらに自分の矩を超えずに与えられている人生を黙々と歩む、
江戸から明治へと価値観の何もかもが目まぐるしく変わっていった激動する時代の中で
どう生きていく道を選んだのか。

六つの物語に登場する侍たちの選んだ行く末、
涙なしでは、読むすすめませんでした。
始末の方向に、感動~倍々々々々々々増です。



・・








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✿マスカレード・イブ

2014年09月25日 | ✿読書
「マスカレード・イブ」は、こないだ読んだ「マスカレード・ホテル」(感想は2011年10月20日記。)へと続く、序章的な作品です。


ほらほら、「マスカレード・ホテル」で、
なんだか、いい~雰囲気に~なったあの二人、
ホテル・コルテシア東京で働く山岸尚美と、捜査一課の刑事新田浩介。
この2人が出会う前のお話なのです。


未来の出来事をまず、ば~ん。と出しておいて、
それにつながる物語を、ほら。と、見せる。
なんて、にくい演出!


4つの章から成ります。4つが、
やんわりと一つに仕上がっていく。
もう、お洒落ったらありやしない。東野圭吾さん、ばんざい。





「マスカレード・イブ」あらすじ
まずは、山岸尚美の章~です。
『それぞれの仮面』  尚美が働くホテルに、彼女の元カレたちが宿泊します。夜10時までの勤務を終え、帰宅しようとしていたところ、元カレから、携帯に電話がかかってきます。何やら、やっかいな事態が発生し、尚美に助けを求めてきたらしいのです。最悪の事態は免れたのですが、その騒動の裏には、複雑な事情が隠されていたようで・・・

次に、新田浩介の章~です。
『ルーキー登場』  ランニング中の会社社長が殺される事件が発生します。捜査を担当した新田の推理から、被疑者が逮捕されます。しかし新田は、何かスッキリしないようで・・・

そいでまた、山岸尚美の章~と、なります。
『仮面と覆面』  尚美が働くホテルに、オタクっぽい5人組が宿泊します。彼らは、そのホテルに、覆面作家の女性が宿泊するという情報を入手し、彼女に会うことを目的に、やってきたようなのです。客の秘密を守るため、尚美たちはさまざまな努力をするのですが・・・

この章で、山岸尚美と新田浩介が同じ方向を向く~けど、二人はまだ出会いません。
『マスカレード・イブ』  八王子にある大学の教授の死体が、教授室で発見されます。准教授の男が容疑者となるのですが、犯行当日、彼は、大阪のホテルに泊まっていたというのです。しかし、誰と一緒だったかについては、頑なに口を閉ざすのでした。彼が宿泊していたというのが、「ホテル・コルテシア大阪」。オープンしたばかりの系列店で、尚美は、応援として勤務していました。大した収穫は期待できなかったため、大阪に調査に来たのは、新田とペアを組んでいる、穂積理沙という、若い女性警察官でした。あまりにも熱心に調べている理沙に、尚美は、自分が推理したことを、こっそり伝えてしまいます。絶対に秘密を守るという約束を守り、理沙は、尚美から聞いた話をうまくアレンジし、捜査につなげていきます。的外れのことばかり言っている理沙ですが、彼女の何気ない会話が、事件解決のヒントとなるのです。





この物語、俳優さんに演じてもらうとすれば
新田浩介は、前に伊藤英明さんか瑛太さん、な~んて独断と偏見で勝手に決めてしまいましたので、
じゃあ~!ってんで、山岸尚美役。
だれだろ~だれだろ~。だれがいいかなあ。
満嶋ひかりさん?


東野作品定番の「伏線」ですが
今回は、最後の章につながる箇所、一点だと思われます。
ほほう~~~っと、うなりますよ、またまた。


お客さまの仮面を守り抜くのが彼女山岸尚美の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼新田浩介の職務。
タイトルのマスカレードとは「仮面舞踏会」の意味。
ああ!続編が、もう今から待ち遠しいです。


マスカレードイヴのサイト




【追記
ホークスどうした!がんばれ!!!!!!!

・・








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✿虚ろな十字架

2014年06月02日 | ✿読書
本日(6月2日)九州北部、梅雨入りしました。




今日のブログは、カテゴリー「読書」
東野圭吾さんの最新作のお話です。

東野圭吾にしか書けない
圧倒的な密度と、
深い思索に裏付けられた
予想もつかない展開。
私たちはまた、答えのない問いに立ち尽くす。

(本の帯より。)



「人殺しの罪は命により贖うべきか」
という重いテーマ。
例によって、文中には伏線が満載です。
どの人物がどの人物とどう絡んでくるのか、
気になって気になって、ページをめくる作業がやめられません。





読み進めるうちにわかったこと
それは、本のカバーの樹林の写真は、
一歩入ると出られないという俗説がある富士山麓の樹海「青木ヶ原樹海」だと
いうことでした。


あらすじ
主人公・中原道正は、は娘・愛美を強盗に殺された被害者遺族。
事件から数年後、離婚した元妻・小夜子が路上で殺害されたという連絡が入る。
強盗目的の殺人として犯人・蛭川和男が自首してくるが、もちろん一件落着とはならない。
フリーライターとして活動していた妻の足跡を追ううちに事件の真相に近づいていく。
もう一組、物語の核となる夫婦・仁科史也、花恵が登場する。
花恵は小夜子を殺した犯人の娘で、父親のことを憎らしく思っているが、医師である夫は義父の肩を持つ。
小夜子が殺された理由が、死の直前の取材内容に関わっており、犯人の娘夫婦が何らかの鍵を握っている。
一体小夜子は何を知り、なぜ殺されたのか。




それぞれの、氏名を混同することなく、
慎重に読み進めねばなりません。

小夜子の事件を探る中で、中原は娘が殺害され、その犯人が死刑執行されるまでを再び思い起こすことになります。





本のタイトル「うつろな十字架」という言葉は、文中
・・・「この殺人犯は刑務所に○○年入れておけば真人間になる。」などと断言できるだろう。殺人犯をそんな虚ろな十字架に縛り付けることに、どんな意味があるというのか・・・
と、
殺人犯の再犯についてのくだりに出てきます。
虚ろな十字架とは、人々に刑罰の是非を問う、象徴なのです。


小夜子は、離婚後犯罪被害者支援団体で活動し、人を殺した者は死刑にすべきという強固な思想を持つようになります。
その行動の差に、中原は困惑と自問自答を繰り返します。


そもそも娘を殺された被害者である小夜子が、なぜ殺されなければならなかったのか。

死刑という罰への見解。
罪の重さをはかる基準の曖昧さ。


事件が複雑に絡み合い、
罪と罰がねっとりと、絡み合う。





「人殺しの罪は命により贖うべきか」
という重いテーマ。
重いテーマでありながら、私は一気に読み上げてしまいました。
このテーマを一気に読ませてくれるのは
さすが!!!東野健吾さんの手腕だと思います。





6月に入りました。今月もどうぞよろしくお願いします。


・・








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✿銀二貫

2014年05月26日 | ✿読書
毎週、涙じょんじょん。号泣しながら、観ています。

ドラマ「銀二貫」
お侍の子が、とんだいきさつから、商人となり、けなげに生きていく物語です。
この感動を、原作でも味わいたい。

高田郁著「銀二貫」さっそく、読んでみました。



ネット画像



あらすじ
・・時は江戸時代。
大阪天満の小さな寒天問屋、井川屋の主(和助)は、
火事で燃えてしまった天満宮再建の為、
必死に集めた大金・銀二貫を懐に持っていた。
しかし店へ帰る道中、偶然遭遇した逃げてゆく侍の親子(彦坂数馬と鶴之助)
そしてそれを追ってきた若侍(建部玄武)
目の前で果たされる仇討ち。
トドメをさすことを邪魔をするなら貴様も、と息巻く侍から子供を救うため、
和助は「その仇討ちを銀二貫で買います」と申し出る…。


※大阪天満宮・・現在のご本殿は、天保14年(1843年)に再建された物です。 この大阪天満宮は、江戸時代の記録に残るだけで七度もの火災に遭い、なかでも大阪市中を焼き尽くした享保9年(1724年)の妙知焼けや、大塩平八郎の乱による天保8年
(1837年)の大火では、全焼致しました。その約6年後に、大阪市中の氏子や崇敬者又献身的な奉仕者によって、現在のご本殿が再建されました。本殿内も他のお社に見られるようなきらびやかさは見られませんが、先の大東亜戦争にも焼けずに残ったのは、氏子の方々が焼ける自分の家を横目に見ながら「天神さんを焼いたらあかん」と守って下さったおかげです。


江戸時代、大阪の町は、何度も大火に見舞われたのですね。。。





目的として、天満宮再建のため、必死に必死に準備する、銀二貫です。
この大金、重い想いの詰まった銀二貫。
鶴之助はもちろん、建部玄武の生涯、それから、助けた和助のこれからを
大きく決定づけることになります。
さて、銀二貫とは
いまでいうとどのくらいの価値があるのでしょう。

※銀二貫・・江戸時代の大坂では主に貨幣として「銀」が流通していました。「貫」は重さの単位で、銀二貫は2000匁で約7.5キログラムの重さとなります。貨幣価値を単純計算すると、小判(金)で約33両、現在の紙幣で300万円程度といわれますが、当時は貨幣の質が大きく変動していた頃で、実際の価値はその何倍にもなることがあったらしい。天満宮再建の為の寄進額は当時の台帳によると、銀500匁~一貫がほとんど。井川屋の目指す「銀二貫」の寄進はまさにトップクラスの額と言えます。





文中、銀二貫を手にした建部玄武が
「苗村藩などと何処に在るのかも知れぬような小藩、そこで禄を食む彼が一生かかっても拝むことのない数の銀貨・・・」
と、あります。

かなり、かなり、価値のある金額のようです。
この価値のある銀二貫が、
文中、数回、登場します。

「人はこれほど優しく、強くなれるのか?」
とは、この本の紹介文です。

お金で買えるのは、ものだけではない。
銀二貫とは、人のやさしさの象徴なのです。


鶴之助は、生きるため侍の名を捨て、松吉と名乗り、井川屋の丁稚となり、
たくさんの人々のやさしさに包まれて成長していきます。
お侍から商人へ。それはそれは大変な道のりでした。
安政7年(1778年)から寛政12年(1800年)まで
実に、22年にわたる壮大なる物語。
松吉の10歳から32歳までが描かれています。





原作には出てこないのですが、
外出する時、「行て参じます」、見送る人が「おはようお帰り」。
という挨拶が交わされます。
情緒があってふんわりした言葉。
なんだか、いいなあと思いました。

また、始末と、いう言葉も再三、出てきます。
こないだの連ドラ「ごちそうさん」でも、出てきた言葉です。
この始末、本来は食べ物や道具を無駄なく使い切ることを意味しますが、
つまりは「始まりと終わりをぴったりと合わせる」精神のこと、なのだそうです。

・・大坂という街は、時の政権・江戸幕府から遠く離れたところで大きく発達しました。その発展の土台にあったのが「始末」の精神です。人々は、政事(まつりごと)に頼らず、刀ではなく商いを通して、自らの力で円熟した社会を作り上げました。そのためには、他者から何かを奪い取る事無く、人生の始まりと終わりをぴったりと合わせる生き方がそれぞれ個人に求められたのでしょう。
「始末」して生き抜くためには「凛々しさ」が必要です。ゼロから始まりゼロで終わる。でも豊かな人生。そんな生を全うしようと懸命に気高く生きる人々を、俳優・スタッフと共に創り上げたつもりです。(NHKドラマCMより。)



ドラマのほうの登場人物



ところで私
寒天(かんてん)のもとは、心太(ところてん)
だったなんて、この物語ではじめてしりましたよ。


なにわの風情たっぷりの空気感の中、涙あり笑いあり恋愛ありの人情時代劇でおますぅ。
原作の方も、はい・・涙じょんじょん。でした。

ドラマも、いよいよ
佳境にはいりますぅ。
このここちよい号泣とも、おさらばやと思うと
なんや、さびしゅうなりますゎ。






・・








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✿豆の上で眠る

2014年05月19日 | ✿読書
はいっ!湊かなえさんですよ。

わくわく・・どきどき・・読み進めます。
はいっ!伏線は、きっちり拾わなきゃ、拾わなきゃ・・。


本の帯↓です。



・・小学生のときの姉失踪事件。大学生になった今でも後悔と疑念に囚われている妹。彼女が、ある問いをかかえたまま、故郷に帰る場面から物語は始まります。頭の中に浮かんでくるのは、記憶を呼び起こす「童話」でした。

これが↓記憶を呼び起すという童話です。
アンデルセンの「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」というお話。
あるところに本当のお姫様をお妃に迎え入れたいと考えていた王子様がいた。王子様は世界中をまわって本当のお姫様を探したが、何かしらよくないところがあって本当かどうか疑わしいお姫様しか見つからず、王子様は失望した。ある嵐の晩、ひとりのお姫様がお城にやってきた。お姫様は雨でびしょぬれであったが、自分は本当のお姫様だと言った。王妃は試しにベッドの上に一粒のエンドウ豆を置き、その上に敷布団を二十枚敷き、さらにやわらかい羽布団も二十枚重ねた。お姫様はその上で寝ることになった。
朝になり、城の者が寝心地はいかがでしたかとお姫様に聞くと、お姫様はなにか固いものがベッドの中に入っていたため体中に跡が付いてしまい眠れなかったと答えた。二十枚の敷布団を敷きその上に二十枚のやわらかい羽根布団を重ねてもエンドウ豆が体にこたえるというほど感じやすい人は本当のお姫様に違いないということで、王子様はこのお姫様をお妃に迎え入れた。



布団の下の豆粒の正体。
これが、実に厄介なものなのです。

語り手の結衣子は、姉の万佑子が行方不明になる前までに共有した時間の中
優しかった姉という記憶に、ずっと縛られ続けます。

失踪から2年。戻ってきた万佑子を本物だと信じることができないでいる結衣子。
その原因が、どうしても拭い去ることのできない「違和感」です。
その違和感が、このアンデルセン童話の中の豆粒なのです。

背中の豆粒の存在を払拭してくれるものはなんなのだろう。
姉の万佑子が本物だと断言でき、豆粒をとりのぞいてくれるものは何なのだろう。

真実は、終盤、一気に明かされます。
重い重い真実です。
解決と一言では片づけられない結末です。

真実を知ってもなお、
いえ、真実を知ったからこそむしろ胸に響くひとつの疑問符。





あなたのそばの大切な誰か。
その人のことを100%説明できますか。

【遠くの親戚より近くの他人】
はたまた
【血は水よりも濃い】
いやいや
【兄弟は他人の始まり】
3つのことわざがぐるぐるぐるぐる。
堂々巡りで、結論がだせません。



【遠くの親戚より近くの他人】
・・血の繋がっている親類であっても、遠く離れて暮らしていれば行き来も少なくなり、情も通わなくなるもので、万が一急を要する出来事があった場合に助けられることはない。
赤の他人であっても、自分の近くにいる人のほうが、かえって力になってくれるということ。

【血は水よりも濃いの解説】
・・血液が水よりも重く濃い液体であることから、血の繋がった身内の絆の濃さを表している。
親しい他人に比べても、血縁者同士の絆のほうが深く強いもので、頼りになるということ。
また、同じ血が流れる者同士の間には、濃い結びつきがあるということ。

【兄弟は他人の始まり
・・兄弟は他人の始まりとは、血を分けた兄弟であっても、それぞれ成長し独立すると、疎遠になって他人同士のようになっていくということ。





・・







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*ぴったらず

2014年03月11日 | ✿読書
旧暦の季節模様はだいたい1ヶ月くらいあとにずれますから、
桃の節句、ひな祭りも
3月3日より、4月3日の月遅れのほうが、
ぴったりなんですね。





ほんとうの桃の花が綻ぶのは、も少し先なのかな。


 七十二候の【桃始笑】ももはじめてさく(3月11日~15日)を、迎えています。


そうです、
二十四節気や七十二候も、新暦では、
得てして、ぴったりしないもの
なのです。





そう、
ぴったりしない、つまり、ぴったらず。

と、いうことで~ちょっと、
本の紹介です。
日常生活でちょくちょく起きている「ぴったりこないもどかしさ」を、まとめた本です。

その名も「ぴったらず」



・・・・・ぴったらず公式HP


そもそも、ぴったりとは、
「すき間なくついているさま。」
「食い違いがなく合っているさま。 」
「急に,または,すっかり止まるさま。」
をいいます。





いろんなキャラクターたちが、ぺちゃくちゃおしゃべり。
あれ~?
すき間ありありでくっついてないよね~?
食い違いまくって合ってないよね~?
ゆるすぎて止まってないよね~?
の世界をくりひろげます。





たとえば、
数字のランキングを決める場面
「1」 が絶対偉い。とか、
いやラッキー7の「7」でしょうとか、
いや「2」は安定しいる。とか、
喧々囂々、議論を重ねて、結局出た結論は・・・
あれ~?これで、ぴったりなの~???


これは、本の紹介のテレビ画面です。(あ、一緒にDVDも発売されています。)




この世の中、
あんがい、「ぴったらず」なことが、充満してるのかも
しれません。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・✿✿
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*ペテロの葬列

2014年01月27日 | ✿読書
待ってましたあ~!!!!!!
宮部みゆきさんの現代ミステリーです。


『ペテロの葬列』
・・『誰か』『名もなき毒』に続く、杉村三郎シリーズ第3弾。
冷静にして善人、バランス感覚が強く感情制御能力も高い、大財閥の婿養子の主人公が、なぜか事件に巻き込まれるシリーズ。





まず、物語に臨むにあたって、
題目の「ペテロ」とは、いったいどんな人物なのかを知っておかねばなりません。
ペテロは、十二使徒の一人で、イエスの一番弟子なのだそうです。
イエスを裏切ったのはユダ。この名前はよく知っていますが、ペテロも
イエスを裏切った一人なのです。
以下、ペテロの人物像を本文より列記させていただきます。

「銀貨三十枚でイエスを売った裏切り者はユダだが、ペテロも一度はイエスを裏切っている。役人たちと群衆に捕えられたイエスのもとに、一人最後まで留まった彼も、夜通しの激しい追及にとうとう負けて、自分はイエスの弟子ではないと誓う
・・(中略)・・
聖人ペテロは嘘をつき、その嘘を悔い改めた人だった。一度は生き延びるために嘘をつき、しかし、嘘を背負って生きることはできないと、壮絶な死を選んだ。
・・(中略)・・」


『聖ペテロの否認』(レンブランド作)ネット画像
輝いているのがイエス、影になっているのがペテロ。


さて、
いったい、この物語の誰が、ペテロなのでしょう。
登場人物の誰に「ペテロ」を置きかえて読み進めるべきなのでしょう。
宮部ワールドに浸り続けた、685ページでした。





帯の言葉を列記します。
「『誰か』『名もなき毒』に続く杉村三郎シリーズ、待望の第3弾。
宮部みゆきの新たな代表作、誕生!
「悪」は伝染する。
今多コンツェルン会長室直属・グループ広報室に勤める杉村三郎はある日、拳銃を持った老人によるバスジャックに遭遇。事件は3時間ほどであっけなく解決したかに見えたのだが―。しかし、そこからが本当の謎の始まりだった!事件の真の動機の裏側には、日本という国、そして人間の本質に潜む闇が隠されていた!あの杉村三郎が巻き込まれる最凶最悪の事件!?息もつけない緊迫感の中、物語は二転三転、そして驚愕のラストへ!」



もちろん、この物語だけでも十分満足できますが、
やっぱり、『誰か』『名もなき毒』と順に読んでいったほうが、人間関係、人物構成、
杉村三郎の“マスオさんぶり”が、感覚的に理解出来て、読み易いと思います。
『誰か』『名もなき毒』は、こないだテレビドラマ化されましたね。
すごく、おもしろかった。





『ペテロの葬列』は、宮部みゆきさんの小説の中で一番好きな、名作『火車』にどことなく雰囲気が似ているような気がします。

いくつかの事件がからみ合っていて、どの事件関係者だったのか、あれ?
と、つい忘れてしまってたりして、
きちんと氏名を記した人物表があったらなあと思いました。

それぞれの登場人物の、様々にベクトルや強さの違う想いが交錯しながら
この辺りの描写の細かさは宮部みゆきワールドの真骨頂!です。
涙あり、笑いあり、ページをめくるたびに、忙しい。


ネット画像


けど、ラストは、あまりにも悲しすぎます。

『指輪物語』の「滅びの山」のくだりを登場させ
次に繋げてくるあたり、宮部さん、にくい。と、うなりましたが、

「滅びの山(Mount Doom)」は、J・R・R・トールキンの中つ国を舞台とした小説、『指輪物語』及び『シルマリルの物語』に登場する火山。
モルドール国内のゴルゴロス平原にそびえる孤峰であり、一つの指輪はその火口、滅びの亀裂でサウロンによって鍛造された。『指輪物語』では、指輪所持者フロド・バギンズの最終目的地。


「滅びの山」なんて言葉で、ちゃん、ちゃん。と、終了させてしまう
杉村三郎の気持ちは全く理解できないし、卑怯だと思う。
そんな奥さんの菜穂子を軽蔑さえするし、
娘の桃子はまともな大人に成長するのだろうか、なんて訝しく思ってしまう。





ああ、宮部さん
どうにかしてくださ~い。




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*祈りの幕が下りる時

2013年09月19日 | ✿読書
東野圭吾さんの新刊が出る
と、聞いて そわそわわくわく~予約していました。
先週の13日に届いて、昨日18日、読み終えました!!

予備知識なしで、読み進めていきました。
なんと・・・!
あわわわわ!
加賀恭一郎が、出てきます。
なんと・・・!
この『祈りの幕が下りる時』は、
加賀恭一郎シリーズだったのです!!!!!

東野圭吾さんの小説の登場人物 加賀恭一郎、
私 大ファンなんです。





【あらすじ】
東野圭吾、全身全霊の挑戦。2013年、最大のサプライズ。
悲劇なんかじゃない これがわたしの人生
極限まで追いつめられた時、人は何を思うのか。夢見た舞台を実現させた女性演出家。彼女を訪ねた幼なじみが、数日後、遺体となって発見された。数々の人生が絡み合う謎に、捜査は混迷を極めるが――





そっか!!!!!
そうだったのか!!!!!

あの『新参者』で、日本橋の刑事として赴任した加賀恭一郎。
彼がなぜ、捜査一課という部署を擲ってまで、この地にこだわったのか!
その真相が、この『祈りの幕が下りる時』によって明らかになります!


例によって、
文中には、伏線満載です。

あれがこうなって、これがああなって、それがこうなる。
様々な事情を抱えた人達の人生が絡み合います。
事件は、複雑化していきます。
その事件の真相は、衝撃的で、切なくて、
どこか、あの、松本清張の『砂の器』を彷彿とさせているような。

波瀾万丈な人生を懸命に生き抜いた人達。
この物語は、加賀恭一郎にとって、とても重要な事件でもあるのです。


今回も加賀恭一郎の優れた推理力と慧眼は健在です。
いとこの松宮刑事も登場して
もう、東野圭吾さんは、阿部寛さん、溝端淳平くんありきで物語を展開させちゃってるんですよねえ。



加賀恭一郎と松宮刑事


読み進めていくうちに、鳥肌~ざわわ~。
謎解きの過程もお見事!
東野圭吾さんの発想力に感服しました。本当に凄い!!!東野圭吾さんの頭の中は一体どうなっているのか真剣に覗いてみたくなりました。


『祈りの幕が下りる時』
の意味すること。
誰にとってのどんな祈りなのか・・・。

「悲劇なんかじゃない、これが私の人生」
の意味すること。
私とは誰なのか・・・。


ラストは、号泣でした。


東野圭吾さん
最高~~~!!!




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*死神の浮力

2013年09月10日 | ✿読書
文中に、興味深い文言が出てきます。
「『敬意を払う』なんて口ではいくらでも言えますけど、その相手のために一生懸命、面倒くさいことをやってみせて、はじめて、敬意を払ったことになるのかな。とは思いました。」


『敬意を払う』
まさに、この物語に登場する「死神」は
いま、死を迎えようとしている人間に、こころから敬意を払います。
その人間の死をみとどけるため、真摯に7日のあいだ対象の人間を観察します。
その死に意味を持たせて、「可」か「見送り」を判定。「可」の場合8日目にその人間の死を見届けます。


人の死に敬意を払う死神。
ですから、この物語の主人公死神の「千葉」は、ちっとも、怖くないです。
前作の『死神の精度』では、千葉役には金城武さんが演じておられましたので、
この物語の千葉も、金城武さんで、読み進めました。


ネット画像
≪主人公 死神の千葉≫


死は怖いが、残された大切な人が死を忌み嫌うのは悲しい。
だから、「先に逝って、死は怖くなんだ。」と、確かめるために、
人は、旅立つ。


この本を読んで、「死」に対する概念が大きく変わった気がしています。


ネット画像


【主な登場人物】
死神・千葉
・・・音楽をなにより愛する。彼が仕事をしている間はいつも雨が降っているため、まだ晴天を見たことがない「雨男」。

死神・香川実夕子
・・・千葉の同僚女性。

山野辺遼
・・・小説家。テレビ出演もこなす人気作家だったが、三年前から新作を発表しておらず、作品の売れ行きも下がっている。一年前、殺人事件により十歳だった娘の菜摘を失う。

山野辺美樹
・・・山野辺遼の妻。

箕輪
・・・山野辺遼が作家デビューした当時の出版社担当編集⇒週刊誌の女記者。

本城崇
・・・山野辺家の近くに住む無職の青年。十代の頃に両親を亡くし、その遺産で暮らしている。山野辺夫妻の娘・菜摘の殺害容疑で逮捕されたが、証拠不十分により一審で無罪判決を受ける。


・・・盗撮常習犯の引き籠り男。


【あらすじ】
一年前、一人の少女が殺された。犯人として逮捕されたのは近所に住む二十七歳の男性、本城崇。
彼は証拠不十分により一審で無罪判決を受けるが、被害者の両親・山野辺夫妻は犯人が本城だということを知っていた。
人生を賭けて娘の敵を討つ決意をした山野辺夫妻。
死神・千葉の調査対象は、一人娘を殺された小説家の山野辺遼。





「25人に1人」の割合で良心を持っていない人間が存在するといいます。
その1人は、社会に紛れて、平然と生活しています。


この1人が、まさに加害者の本郷です。

とても、こわいデータです。
25人の中の1人が支配ゲームをやる。
サイコパス役の支配者が機械を操作すると、別の1人が電気ショックを受ける。苦しがる様子を見て躊躇(ちゅうちょ)するものの、支配者がもっと強くと命令すれば、23人の6割(14人)がそれに従った。人は拙いのではないかと思いつつも、支配者に命令されれば半数以上がそれに従う。
更には命令に背いた4割(9人)は、良心がありながら劣勢と感じ、恐怖や不安から勝ち馬に乗ろうと考えてしまう。半数以上が乗り替えたとしたら、良心ある人間は25人のうちの5人以下となってしまう。
1人のサイコパスが共同体を乱すと、1対24であった構図が、脅迫状況下では15対10になり、場合によっては20対5~24対1となる新たな共同体が生まれる。


1人の力が逆転する。
そんな光景は、世の中に多くあることも、確かです。


ただ、
終始、不思議に思っていたことは、被害者の山野辺をなぜ、千葉は観察しているんだろ。
なぜ、被害者の方に、「可」をくだすのだろう。と
いうことでした。


で、読み終えて、分かった気がします。

「死は怖いが、怖くない。それを確かめに先に逝く。」
大切な人を残して旅立つとき、
こんな物語が存在するのですね。


タイトルの『死神の浮力』の「浮力」ですが、
おもしろい説明がしてあります。

水が入ったグラスの中で氷が浮いているは浮力が働いている。物には水の中で浮かぶ力、水の押す力が上に作用する。その浮力の強さに重さは関係せず体積によって決まり、量の大きい物ほど強い。氷が溶けたら水の量が増えてグラスから溢れる気がするがそうはならない。なぜなら浮力が消えて水位は変わらない。
氷は姿を消すけれど全体の量は変らない。これは人間の死と似ている。たった一人の人間の死は、社会からは気に留められず、そして総体としても影響がない。
但し、氷が溶けて水に混ざるように、誰かの記憶となって溶けて覚えられているから減らないとも言える。


死神「千葉」が、目の前から姿を消しても、ただ淡々と人々の営みは続く。
けど、その存在が消えても、かかわった人間の潜在意識の中に
こっそり、「千葉」は、潜んでいるのかもしれない・・・。と
いうことなのかな。





最後に
【著者からのメッセージ】です。
前作「死神の精度」を発表した時には、「これで千葉君の物語は完結したぞ」という達成感がありました。
ただ、唯一の心残りは、長編で千葉君を掛けなかったという点でした。
ですので、当時から「長編を書こう」と考えてはいたのですが、ただほかにも書きたいお話がいくつかあり、順番にやっているうちにいつの間にか八年が経っていました。
八年とはそれなりに長い時間です。
僕の小説に対する向き合い方はもちろん、生活に対する考え方もいろいろ変わりましたし、それこそ読者の人の環境も変わっているのではないかと思います。
ただ、いざ書いていると、死神の千葉君は特に変化もないように思えました。
世の中には本当にいろいろなことがありますし、何が起きるのかまったく分からないものですが、とにかく、こうして、千葉君の長編が読んでもらえる時が来たことがすごく嬉しいです。



『秋思の頃』
とても素晴らしい本に出会えました。
感謝・・感謝。




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*レンズが撮らえた幕末日本の城

2013年07月30日 | ✿読書
大河ドラマ「八重の桜」を観て
思うのですが、
我が家を捨ててまで、城を守るということ。
ましてや、一命を擲ってまで、城主を守るということ。
はなはだ、理解するのは大変なことです。


ネット画像
≪石部桜~八重の桜のオープニングの桜≫


・・・城は大名や藩主の政治上の拠点であり、居住の場所であり、攻守の要であり、城下や近隣の人々の命や生活を左右する、まさに命運が決せられる場所であった。城を取り合う、すなわち領地を取り合う戦で勢力図は書き換わり、歴史の流れが決まってきた。城を中心に町が出来、政(まつりごと)が行われ、発展してきたのだ。江戸の太平の時代においても、城は様々な意味で藩の中心であった。現在の日本の県庁所在地、47のうち実に30あまりの都市が元々城下町であった都市であり、現在でも(戦後再建されたものも含めて)城が町の中心にある場所も多く、城は市民達の心の拠り所、シンボルとして、散策や集いの場として愛されている。


・・・かつて日本には二万五千以上もの城が存在したと言われる。実際にはただ柵で囲われただけの砦のようなものもあり、文書に残っているのみでその存在が証されたのではないものも含まれるが、それでも相当数存在していたことは確かだ。しかし、数多くの戦や藩主の転封の度に廃城になったり破却されたりとその数は次第に減っていき、江戸後期にはその総数およそ200。さらにその後の明治維新の廃城令や戦争、火災、天災を免れて現在もその姿を残しているのは12城しかない。それ以外の現在見られる城は戦後新たに再建復興されたもの。古くに廃城になったものは、現在では打ち捨てさられ忘れられ、その城跡すらもただの野山と見分けがつかないようなものも多いのだ。天守や城郭が往時のまま現存しているのは丸岡城、犬山城、松本城、彦根城、松江城、高梁城(備中松山城)、丸亀城、姫路城、松山城、高知城、宇和島城、弘前城の12城のみだ。


・・・城は大きく分けて竹田城や安土城に代表される山城と名古屋城などに代表される平城がある。戦乱の世であった時代、戦略的、防衛的な観点からその多くは地形を利用して山に建てられた。その後江戸時代になり、戦略的な意味合いが薄れるとその多くは平地に作られる平城となり、防衛的な特色より、立派な天守閣のある権力示威的な色合いが濃くなる。広大な縄張り内に数多くの櫓、豪壮絢爛な天守閣、そして城主が普段暮らす場所である本丸御殿など、技巧と贅を尽くした華美な建築物となってゆく。しかし、その建設の為の費用や労働力を捻出するために過度な年貢や労役を藩内の民に課したために時に一揆などが起こったのもまた事実だ。


・・・「土偏」に「成る」と書く「城」という漢字には元々「都市の周囲に防御の為に築いた壁」という意味のほかに「都市・町・国」そのものを表す意味がある。まさに「城」を中心として、「土」=地面が「国」や「町」に「成る」のだ。戦国時代は防衛防御を重んじたため、戦をする上で重要な、戦いに有意義な設備が各所に作られ、沢山の井戸も掘られた。設備とは例えば物見櫓や狭間(さま)と呼ばれる鉄砲(矢)穴で、外部からの攻撃に備え、守りを固めるためのもの。井戸は水確保のためだ。籠城の際、外部から引いている水にのみ頼ることは、その水に毒物などを入れられた場合に城内が混乱に陥る危険性がある。それを考慮して、外部とつながりのない水源を確保したのだ。


・・・「城」は戦略上の重要な拠点であり、防衛の上でも要であった。城を守ることは国を守ることと同義であり、それはすなわち、戦国時代には藩内の各人の命が城の存続と共にあったということを意味するのである。そのようなわけで有事の際には武将はおろか、一兵卒、農民や町民に至るまで、城内に暮らし、敵の襲来に備えたのだ。例えば北条氏の小田原城籠城であり、例えば吉川氏の鳥取城籠城である。


・・・ところが天下統一の後、戦略的な目的を失った城は、今度はそこに封ぜられた大名のその藩の民に対する権力誇示の意味合いを持つようになり、また城下町内を統治する上での拠点、政所としての役割を担うようになった。例えば太田道灌が作った江戸城に入城した家康とその後の将軍達は、江戸城を政治の中心本拠地として位置づけた。それはすなわち、江戸「城」が江戸という町の中心と「成った」ことを意味し、それと同時に名実共に日本の中心と「成った」ことも意味したのだ。


・・・各藩にあった各城もまたしかりである。それぞれの藩の中心、地方の中心としての役割を城は担うようになり、城を中心として町も整備されていく。もはや戦争の上での拠点ではなく、各人の生活の上での拠点、政治上の中心、象徴となっていったのだ。要塞、要害としての城から、政務の上での中心地としての城へと変化していったのである。しかし中央政権「徳川家」への遠慮や一国一城令のため、地方の大名達は城の新築増築改築をはばかる様になった。一国城令で、新築はおろか修理補修も無断では出来ないことになり、それによって城の数は減少の一途をたどっていくことになるのである。


以上日本の城より。
なるほどですね・・。


会津藩家老西郷頼母一族21人の悲劇。
意味を待たせないと、たまったもんじゃありません。


ネット画像


突然の!お城の話題。びっくりくり!ですか?
実は、先日「レンズが撮らえた幕末日本の城」という本を見つけたのです。
歴史の中の存在でしかなかったたくさんのお城が、ほんとうに実在したんだ!
そう、再確認しますよ。
ページをめくるたびで、感動で鳥肌がたちます。

内容説明
幕末の秘蔵写真で甦る往時の城。近年、各地で見つかった新発見の古写真を一挙掲載。134城、720点の写真で紹介。
本の表紙の写真は、江戸城。
下の3つは、会津若松城、熊本城、江戸城です。

福岡城です。


総面積24万平方メートルにもおよぶ巨城だったそうです。
来年の大河「軍師官兵衛」に登場しますよ。
お見知りおきを。




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*困ったもんですたい

2013年06月20日 | ✿読書
いざゆけ若鷹軍団!パ・リーグ20年連続観客動員1位を誇る常勝軍団。
納得の大ネタと超マニアックネタで贈る、ホークス愛まるごと1冊。



ネット画像


本屋さんで見つけて、思わず!
買って帰りました。【ソフトバンクホークスあるある】
にやり、にやり、ああ~おもしろい!


内川、本多、森福、大隣、松田、攝津、松中ら、今をときめく主力選手から、小久保、城島、斉藤らの少し懐かしい選手、そして杉浦、門田、王、秋山等、現在のホークスを作ってきた立役者まで──。
根っからのホークスファンが自らのチーム愛を再確認するために。王監督就任をきっかけにホークスが気になりだした方に。
九州愛をさらに深めるツールに。福岡に赴任したばかりで文化の違いに戸惑う方に。
「敵」の頭の中を知りたい他球団ファンに。
全九州1300万人待望の「あるある」が禁断の書籍化!



お金があって客もはいるが、「パの巨人」呼ばわりは嫌だ
~あるある!
そうなんですよ~。
実は、この本を買おうと背中を押してくれたのが、この文章です!
巨人ファンの方、すみましぇ~ん。

今でもライオンズだけには負けたくないと思う
~あるある!
福岡のライオンズでした。
ライオンズには妙なライバル心。

プレーオフなんて大嫌いだ
~あるある!
ホークスが、何度も犠牲になってきたから、アドバンテージやシーズン優勝
なんて制度が生まれたのです。

ムネリンがいつかホークスに帰ってくると信じている
~あるある!
川崎選手、君は、九州人バイ。

ハリーくんが突然バック転できるようになって驚いた
~あるある!
なんと、7回も!バック転できますよね。
中、どなたが入ってるの?

7回の守りが長いとジェット風船を持つがしびれる
~あるある!
ドームがまっ黄っ黄に染められて、
選手のみなさんも、ちょいプレッシャーかな。

ひそかに千葉ロッテの応援にあこがれている
~あるある!
あの黒い軍団の合唱、かっこいいっす。

博多の年輩者は「ダイエー」といいがち
~あるある!
って、ヤフオクドームではなくて、
やっぱり、私らは、「福岡ドーム」と、呼びます。

「森福の11球」は美しすぎるドラマだ
~あるある!
2011年、ドラゴンズとの日本シリーズ第4戦。1点リードの6回、無死満塁という場面で登板し、三振、左飛、遊ゴロ。11球を投げ、無失点できりぬけた。

打席登場曲のアカペライントロが終わらないうちに打つ本多
~あるある!
ありゃありゃ、まだ歌終わってないうちに・・・。

「あらがき」じゃなくて「あらかき」、「たかだ」じゃなくて「たかた」
~あるある!
新しいとこで言えば、「やなぎだ」ではなくて「やなぎた」です。

毎年斬新なスローガンに度肝を抜かれる
~あるある!
今年のスローガンは、「超!ガツガツいこう」です。
いったい誰が考えているんだろ。

ほか、240の「あるあるネタ」を収録!


ネット画像


ホークスファンの人はもちろん、
そうでない人も、是非~一読あれ~!
ホークスがいかに!愛されている球団か!
知ってくださいましぃ~。

ホークスの勝敗うんぬんで、一喜一憂。
翌日の気分が変化する、
困ったもんですたい。




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*夢幻花

2013年05月16日 | ✿読書
「夢幻花」とは、この物語では黄色い朝顔のことを意味します。
「今では実在しない黄色い朝顔が、江戸時代にはあった。」
ここから、
物語は、広がっていきます。


ネット画像


あらすじ・・独り暮らしをしていた老人・秋山周治が何者かに殺された。遺体の第一発見者は孫娘の梨乃。梨乃は祖父の死後、庭から消えた黄色い花のことが気にかかり、ブログにアップする。ブログを見て近づいてきたのが、警察庁に勤務する蒲生要介。その弟・蒼太と知り合った梨乃は、蒼太とともに、事件の真相と黄色い花の謎解明に向けて動き出す。西荻窪署の刑事・早瀬らも、事件を追うが、そこには別の思いもあった。
「黄色いアサガオだけは追いかけるな――」。禁断の花をめぐり、驚愕の真相が明らかになる長編ミステリ。


東野圭吾さんのメッセージです。
『歴史街道』から小説連載の依頼がきた時、「私に歴史ものは無理です」と断りました。すると編集者は、歴史ものでなくても、何かちょっとでも歴史に関係する部分があればいいといいます。そこで思いついたのが黄色いアサガオでした。御存じの方も多いと思いますが、アサガオに黄色い花はありません。しかし江戸時代には存在したのです。ではなぜ今は存在しないのか。人工的に蘇らせることは不可能なのか。そのように考えていくと、徐々にミステリの香りが立ち上ってきました。面白い素材かもしれないと思えてきました。
ところが素材は良くても料理人の腕が悪ければ話になりません。何とか連載は終えましたが、あまりにも難点が多すぎて、とても単行本にできる代物ではありませんでした。おまけに、ずるずると出版を引き延ばしているうちに小説中の科学情報が古くなってしまい、ストーリー自体が成立しなくなるという有様です。しかし担当編集者には、「何年かかってでも必ず仕上げます」と約束しました。「お蔵入り」だけは絶対に避けたかったのです。
結局、「黄色いアサガオ」というキーワードだけを残し、全面的に書き直すことになりました。もし連載中に読んでいた方がいれば、本書を読んでびっくりされることでしょう。
しかし書き直したことで、十年前ではなく、今の時代に出す意味が生じたのではないかと考えています。その理由は、本書を読んでいただければわかると思います。



ネット画像お借りしました。ありがとうございます。
珍しい一枚ですよね・・黄色です。


プロローグ
いきなりショッキングな事件から始まります。
そして、本編へ。そのおぞましい事件のことは、いっさいふれない。
あの事件は、いったい、どの場面でどう繋がるのか。
読み手は、また、まんまと東野マジックにかかることになります。
ページをめくる速度が、早くなるは、必須。


朝顔の種には幻覚作用がある。というのが
この物語のキーワードになるわけですが、
それを、負の遺産とらえ、
今、震災後問われている原発をも負の遺産とし、共通項にしたてあげて
エピローブへと繋げていく。
もう~東野ワールドにどっぷり浸ってしまいます。


東野さんご本人も「こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない。」
とまで、語っておられます。
丁寧な物語の展開に
何度も、何度も、うなってしまいました。


あ~あ!おもしろかった!!!




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*雨がふっても

2013年04月11日 | ✿読書
・・・・しってるよ キミがいつもいっしょうけんめいなコト しってるよ キミがずっとガマンしてたコト そしてちゃんとしってる キミはホントは だれよりもやさしくて つよいココロをもっているコト・・・・


ネット画像


素敵な本の紹介です。
田村みえさんの『雨がふっても』


・・・・まっくらになってはじめて みえる光もあるんだよ
みんなちがってあたりまえだよ 生まれた日もうまれかたもちがうんだもの
一年中咲き続ける 花なんてないんだからね・・・・



ネット画像


「この地で30年、お世話になりました。」
シャッターに貼り紙。

街の小さな本屋さん。
ときどき、覗いては、本の香りに
ほっとさせていただいていました。

悲しい閉店のお知らせ。
活字離れが、原因ですか?
それになにより、昨今は、本をネットで購入します。

かくいう私も、
この『雨がふっても』は、ネットで買っています。


ありがとうございます。
こちらこそ、長い間 お世話になりました。





『雨がふっても』内容紹介
たったひとりでがんばってきたキミへ・・・。疲れてすり切れてしまったココロを、てるてる天使がそっと癒してくれる。あったかい毛布のように、すべてをやさしく包み込むメッセージがいっぱい。

雨音がここちいいって思う日があってもいいじゃない。つかれちゃったココロを包む、てるてる天使のやさしいやさしいメッセージ。(「BOOK」データベースより)


・・・・だいじょうぶ いったりきたりもするけれど キミはちゃんとすすんでる
まいにちはいろんなことがあるけどね せかいは思っているよりも ずっとずっとやさしくて しあわせは感じているよりも すぐそばにあるんだよ キミがだれかを想うように キミのコトずっとみてるよ
キミのピカピカまんてんえがおにはむげんだいのチカラがある
ココロのままでだいじょうぶ もっと自由に生きていい
キミがココロからわらうとき
せかいはきっとかがやきはじめる
ほら雨のむこうに光がみえるよ・・・・





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今日はこの辺で

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いつもご訪問ありがとうございます。
はなこころです。
また、お待ちしています。