後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

遺された想いを受け継ぐ

2018年02月11日 | Weblog

行政の「市民文化事業支援」の空々しさに呆れている
不思議おじさんの住まいする和泉市にも、
誠に見事な文化行政大綱や市長の方針声明がある
不思議おじさんにとっては虚ろにしか聞こえない

思ってもいないこと
とてもできそうにないことは
外に向けて 言うな !!!!!!!!
もっと自分に正直になってほしい

和泉市が市民に提供している文化事業推進施設では
和泉市生涯学習サポート館を除いて、
全ての施設が民謡など「音の出るサークル」の使用を拒否している
民謡練習のできる唯一の公的施設もこの春から料金制度改悪が予定されている

この施設だけは「時間貸し」が認められてきた
通常は「区分貸し」であり、午後なら1時~5時までとなる
4時間も通しで借りる必要はない
そこで不思議おじさんは1時~3時までの2時間を借りている
1時間当たり700円なので一日当たり1400円。
月に3回なので4200円で借りることができる。

区分貸しなら6カ月前に予約可能だが
時間貸しなら3か月前の予約になる。
それでも部屋が空いていたので何とかなってきた

4月から制度が改悪される
サポート館だけが例外的に時間貸しをしてきたのだが
市の全施設で゜時間貸し」をする予定とのこと
ついては予約は「2週間前から」ということになりそうである

市の施設の有効利用が目的なのだろうか??
本当に、2週間前予約の時間貸しが、市の施設有効利用につながるのだろうか
もしそのまま実行されれば、不思議おじさんの教室は存続できない
市民文化事業潰しの思い付き政策であると思う
実態など何も知らない役人が考えそうなことである

さて民謡のお話だ
67歳ですべての仕事を辞め
浪曲でも習おうかと思ったが
縁あって民謡の太鼓を習い始めた

師匠は現在82歳
不思議おじさんは最後の弟子である
週1時間半の個人レッスンでは足りず
週に5,6ヵ所の民謡練習場で練習させていただき
平均では週に10時間ほど練習を重ねてきた

1月には師匠からすべての楽譜のコピーが認められた
昨年11月には、弟子をとるよう勧められている
つまり後継者がいないわけだ

民謡の太鼓伴奏については極めて認識が浅い
民謡関係者でも知識を有している人はほとんどいない

先日も、3年間練習をさせてもらっている会から
講師料提供の示唆を受けた
有難いことである
尺八と三味線は5000円だが、鳴り物は2000円であった
これがその会の会主の認識である

不思議おじさんは、押しかけて練習をさせていただいているので
講師料を受け取るつもりは一切無い
新年会等で美味しいお酒を頂くことで充分だとお断りした

本音は、2000円でその会の傘下に入ることなど
真っ平御免というわけである
ましてやどういう料簡で価格差を付けたのか
向こうが勝手に「講師料」を設定したのだから
そこには鳴り物に対する認識と思いが如実に表れている

その会主は
「締め太鼓だけでええんちゃうん」と申された
唖然である
すぐ横で3年間も伴奏しているのだから
締め太鼓と平太鼓がセットにっていることは
民謡太鼓の常識であると思うのだが
呆れて口が塞がらなかった

さて和泉市にも見事に太鼓を打つ達人がいた
不思議おじさんとほぼ同じ年だと思う
4年前に突然亡くなられた
ご自宅は不思議おじさん宅から見えるところにある

どうしようかなぁと逡巡しつつ
土曜日にご自宅をお訪ねした
4年か経過しているが、
奥様はまだご主人の死を受け容れられていないご様子だった

不思議おじさんが太鼓を習った経緯
それまでにご一緒した20年近い民謡人生
奥様もご存じの共通のお知り合いや出来事に話が咲いた
不躾を承知で、太鼓等の道具を譲っていただけないか申し出た
「ネットで売ろうか」
「誰か引き取ってくれる人かいればいいけど誰も知らないしなぁ」
それよりも、亡くなったご主人への想いが深く
全く手を付ける気にならなかったそうだ
息子さんや娘さんと相談して後日にとのことだった

そして翌日の今日の午後、携帯電話が鳴った
奥様からだった
「今から片付けるよーー」と亡くなったご主人に宣言し
倉庫を片付けられたとのこと。
亡くなった彼は民謡だけではなく幅広い分野で太鼓を追求されていたので
軽トラには乗らないような大きな太鼓もお持ちである

不思議おじさんは民謡に限定した鳴り物を芸としている
太鼓なら平太鼓と締太鼓だけである
撥も太鼓によって異なるので何でもいいというわけではない

奥様が軽トラで運んでくれた太鼓の数々

平太鼓が2つと上折台1脚
締太鼓が3つとブショウ台1脚
囃子太鼓3つと台1脚
鈴2種類
鉦と叩き棒5本
拍子木1対
金属棒(足尾石刀節など)使用するもの)1対
草履新品1対
等々である

彼の遺志を受け継ぎ
彼の道具を使って伴奏し
後継者にまたその道具を引き継ぐつもりである