それなりの春

1999年02月20日 | 暮らし

 うちの息子たちに、それなりの春が来ました。
 Uは、月曜日に1番の志望校に合格し、Kは今日、3番目の志望校(といっ
ても3つしか受けてない)の合格通知が届いた。
 ま、こんなものだろうと私は思う。この1年間、私は受験生が2人いる家庭
に暮らしているとは思えなかった。Uはマンガばかり描いてたし、Kはギター
三昧の日々だ。休日には、中学時代の近所の友だち(彼らも受験生だ)を呼ん
で、徹夜で麻雀をしている息子たちを受験生だなんていっては、他の真面目な
受験生に対して申し訳ない。
 最近、相田みつをの詩に誰かが文章を書いた「育てたように子は育つ」とい
う本が出たとか出るとか。「うまいこというな」と感心した。
 そうですよね。子供は、育てたようにしか育たないんだ。
 高卒の私は、
「大学に行くあいつらが羨ましい」
 と、テレビを見ている女房にいうと、
「ヒサシ君が行かなかったんだからしょうがないじゃない」
「そんなこといっても、貧しい百姓のうちでは、高校行かせてくれたのもやっ
とだったんだ。親父なんか、おれが中学出たら大工にさせようと思ってたんだ
から」
 と、ムキになっていう私を、
「金がなくたって、行く気になれば行けたよ。人のせいにしないで」
 と、顔をテレビに向けたまま、そっけなく女房は突き放す。
 なにもいえない私でした。

 こんなふうに、我が家のささやかな春はやってきつつあります。

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