Hair salon Yamasa

2009年07月27日 | 健康・病気
お客さんが1人いた。奥さんが髭を剃っていた。
私は、小さくなって主人に誘われるままに奥のイスに坐った。
「今日は、どのようにしますか?」と訊いてきた。
「今の状態を維持して髪を短くして下さい」と答えた。
耳のまわりとか後ろの状態を主人はいってきた。
「それでお願いします」と私はいった。
客の希望を訊くことがうまいな、と思った。

「3月に軽井沢に来たんですが、これまで東京に帰るたびに
 20何年か行っていた床屋に行ってました」と話した。
「それは分かります。うちでも軽井沢を出てからも
 来てくれる客がいます」
ラジオでここのことを聴いて来ました、と話した。
「あの人は放送作家なんですね。ここに来てるときは何もいわないんです。
 とんねるずやドリフターズの台本を書いていたようですよ」

あの放送で男がいっていたことを思い出した。
「ここは、客との距離を大切にしてくれるんです」
あまり、ずけずけと客に立ち入って来ない、というようなことをいっていた。
主人からすると、彼は、そういう人かなと思い、
あまりプライベートなことは訊かなかった。
客によっては、どんどん個人的なことを話しているようだ。

「私、今月から煙草やめました」よけいなことを私は話した。
「それはいいことですよ。それじゃ、その手助けをしますよ」
といって奥さんを呼んだ。
「お客さん、7月から煙草やめたそうだよ」
奥さんはニコニコ笑っていた。
「これでもうハギワラさんは、煙草吸えないですよ。
 私たちがいますから。私たちのこと考えたら
 煙草吸えないですよね。
 もしこの店に来なくても、どこかであったら
 『禁煙続いてますか?』って訊きます。
 煙草吸ってたら弱い男ですね、って私は思いますよ」

ハギワラと、私の名前を間違えたのはちょっと残念だったが、
私の禁煙を応援してくれることが嬉しかった。
彼は、4年前に煙草をやめたそうだ。
そのとき禁断症状が激しくて辛かったそうだ。
どうして禁煙したのか私は訊いた。

愛煙家だったお客に、しばらく来なくなった人がいた。
そのうち人工呼吸器をつけて来たそうだ。
肺気腫になっていて、かなり苦しそうだった。
そのうち来なくなってしまった。亡くなったようだった。
そういう客が2人いて、煙草をやめようと決意したという。
禁煙するというと、家族は率先して協力してくれたそうだ。
ライターや灰皿などの喫煙道具をあっという間に捨ててくれたらしい。
(私はまだ、ライターや灰皿を“温存”している)

主人の話を聞いていて、この店にまた来よう、と思った。
主人(見た感じは、40歳前後)は、人の気持ちを想像できる人と感じた。
相手によって話し方を配慮する、そういうことができる人がいい。
髪のカットのしかたもよかった。
2つのイスの間に洗髪台があり、髪を洗うときイスをその方向に向けた。
丁寧に洗ってくれた。
髭を剃ってくれたのは奥さんだった。
これまた時間をかけてしてくれた。
BGMは、一青窈の「ハナミズキ」が流れていた。

ちょっと残念だったのは、耳を掃除してくれないことだった。
シントコのロダンでの耳掃除は忘れられない。
夢うつつの中、いつも私は天国に行っていた。
でも、散髪代が3900円だった。
所沢では4000円だった。
100円が耳掃除だと思って、がまんしてまた行こう。

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