藤堂志津子著「せつない時間」(幻燈舎文庫)を読んだ。
このひとの小説を読んだのは初めてかな?
いや、文芸雑誌に載ったものを読んだような気がする。
この本には10の短編小説があり、
どれも20代から30代はじめの女性が主人公だった。
この中で「夜の公園」というのが好きだ。
2ヶ月前に恋を失い、失意のどん底にいる26歳の女性が、
夜の公園に毎日通う。
ベンチに腰かけ、ただぼんやり空を眺めている。
やがて、どこからともなくジョギング・ロードに男があらわれる。
“彼は私の姿など眼中になく、ただまっすぐ前方を見て走りつづけてゆく。”
そんなふうにして10日間が過ぎ、11日目に、
「あなたも一緒に走りませんか」と男がいう。
翌日、約束どおりジョギング用のスタイルで公園にでかけ、
彼と一緒に走る。
公園を走り、そのままのリズムで彼女のマンションの部屋まで行き、
“汗まみれの体のまま激しく抱きあ”う。
名前も年齢も職業も知らない男との奇妙な夜は、4日間続いた。
しかし、自分のしているふしだらさに気づき、
夜の公園に行くのをやめた。
夜の公園に行かなくなってから3週間過ぎたその日、
女性は公園を訪ねた。
“いつも私がすわっていたベンチに、白いポロシャツを着た男が、
こちらに後姿をみせて腰かけている。”
“白いポロシャツの男は彼だった。”
どんなふしだらな出会いをしようとも、
そのふたりがちゃんとした人間ならいいと思う。
そんな“ふしだらな”出会いというものは、
若いときにはままあるもんじゃないのかな。
このひとの小説を読んだのは初めてかな?
いや、文芸雑誌に載ったものを読んだような気がする。
この本には10の短編小説があり、
どれも20代から30代はじめの女性が主人公だった。
この中で「夜の公園」というのが好きだ。
2ヶ月前に恋を失い、失意のどん底にいる26歳の女性が、
夜の公園に毎日通う。
ベンチに腰かけ、ただぼんやり空を眺めている。
やがて、どこからともなくジョギング・ロードに男があらわれる。
“彼は私の姿など眼中になく、ただまっすぐ前方を見て走りつづけてゆく。”
そんなふうにして10日間が過ぎ、11日目に、
「あなたも一緒に走りませんか」と男がいう。
翌日、約束どおりジョギング用のスタイルで公園にでかけ、
彼と一緒に走る。
公園を走り、そのままのリズムで彼女のマンションの部屋まで行き、
“汗まみれの体のまま激しく抱きあ”う。
名前も年齢も職業も知らない男との奇妙な夜は、4日間続いた。
しかし、自分のしているふしだらさに気づき、
夜の公園に行くのをやめた。
夜の公園に行かなくなってから3週間過ぎたその日、
女性は公園を訪ねた。
“いつも私がすわっていたベンチに、白いポロシャツを着た男が、
こちらに後姿をみせて腰かけている。”
“白いポロシャツの男は彼だった。”
どんなふしだらな出会いをしようとも、
そのふたりがちゃんとした人間ならいいと思う。
そんな“ふしだらな”出会いというものは、
若いときにはままあるもんじゃないのかな。