流星痕

1998年11月18日 | 家族

 今朝、7時前にKが帰ってきた。
 昨夜、しし座流星群を友人たちと見るんだといって出掛けていった。
 コンタクトレンズをはずしているKに、
「流星見えたか?」
 と訊くと、
「あまり見えなかった。40個ぐらい見たかな」
 流星群というくらいだから、もっと沢山見えると思っていたのだろう。テレ
ビに出ていた人がいってた。17日の昼間にそうなったらしい。
「そうか、でも、見れたんだからよかったじゃないか」
 と私。
「願いごといった?」
 と女房。
「いえるわけないよ、あっというまだもん」
「Kの願いごとはなんだよ」
「そうよね、いえるわけないよね。誰だろうね、流れ星に願いごというとかな
えられるなんていった人は、うまいこといったな」
「でも、4時頃すごくでっかいの見たよ。大気圏に飛び込んで煙みたいなの見
えた」
 そういって、Kはシャワーを浴びに風呂場に行った。
 私は、Kのいった「煙みたいの」というのが理解できなかった。
 夜、テレビを見ていて分かった。それは「流星痕」というらしい。
 ああ…、おれも、去ったあとには、おれの存在が残っているような人間にな
りたいな。そんなことボーと考えた。
 龍のような形の流星痕、肉眼で見てみたかった。
 Kは、あと33年後に見られる。そのとき、18歳の流星痕を見た自分をど
う振り返るんだろう。
 そのとき、私はいないだろうな。

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