最後の忠臣蔵

2011年01月10日 | 健康・病気

赤穂浪士の中に、討入り後の使命を与えられた二人の生き残りがいた。
寺坂吉右衛門は、大石内蔵助から
「真実を後世に伝え、浪士の遺族を援助せよ」との密命を受ける。
そしてもう一人は、討入り前夜に忽然と姿を消した瀬尾孫左衛門である。
孫左衛門は、内蔵助本人から直々に、まもなく生まれてくる彼の隠し子を
守り抜くという極秘の使命を受けていた。
討入りから16年間、名誉の死を許されなかった二人は、それぞれの使命を果たすためだけに懸命に生きてきた。

吉右衛門は赤穂浪士の遺族を捜して全国を渡り歩き、遂に最後の一人にたどり着く。
一方、孫左衛門は武士を捨て素性を隠し、可音と名付けた内蔵助の忘れ形見を
人里離れたところで密かに育て上げる。

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<注意> 
これから先は、この映画「最後の忠臣蔵」を観る予定のある方は読まないで下さい。
いつも映画の結末まで書かない私ですが、
この映画については我慢できません。結末まで書いてしまいます。

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美しい娘に成長した可音を、天下の豪商茶屋四郎次郎の息子の修一郎が見初める。
孫左衛門は、可音に修一郎との縁談を勧める。
しかし、孫左衛門に淡い恋心を抱いている可音は、最初はそれを断る。

英雄になれなかった死に損ないの吉右衛門、命惜しさに逃げた裏切り者の孫左衛門。
青年時代、厚い友情で結ばれていた吉右衛門と孫左衛門が再会する。
そのとき吉右衛門は、討入り前夜に〝命惜しさ〟に逃げた孫左衛門を責め刀を抜いた。
孫左衛門は、なんのいいわけもせず逃げる。

修一郎と何度か会った可音は、孫左衛門の気持ちも考え修一郎との縁談を受け入れた。
可音の婚礼の日、籠に乗った花嫁姿の可音のお供は、孫左衛門ただ一人だった。
ところが夕暮れを行く寂しい輿入れに、
孫左衛門の事情を知った吉右衛門がお供をさせてくれと現れる。
続いて元赤穂の家臣たちが続々と現れ、お供を申し入れる。
いつしか寂しかった行列は、大行列へと変わっていった。
このあたりで私は、大粒の涙を流しっぱなしでした。
内蔵助の命令で切腹出来なかった吉右衛門。
内蔵助の指示で討ち入りにも参加出来なかった孫左衛門。
つらい16年間だったろう。

内蔵助の使命を果たした孫左衛門には、まだなすべきことが残っていた。
婚礼の席につかなかった孫左衛門は、一人家に帰る。
それに気がついた吉右衛門が馬で孫左衛門の家に急いで行く。
仏間に正座した孫左衛門は、これまでのことを追想する。
小さかった可音との暮らしを想う。
そして静かに切腹を始める。
脇差を腹に刺し、横に引く。
(このシーンがリアルでした)
吉右衛門が仏間に飛び込んでくる。
状況を見て、吉右衛門が刀を抜く。
「介錯無用!」と叫んで、孫左衛門は自分の首を脇差で切る。

私は、(なんで、なんでだよう?)と心で呟きスクリーンを観ていた。
現代に暮らしている私には、孫左衛門の切腹が理解出来ない。
無事に可音を大人にして大金持ちの商人に嫁がせた。
これからは、実家の親代わりとして可音の連れてくる子どもを、
自分の孫として可愛がる生活を送ればいい、なんて呑気なことを考えてしまう。
それに、これまで一緒に可音を育ててきたゆうという元島原の遊女が、
「これから二人で暮らしていきましょう」というのに、孫左衛門は死を選ぶ。
あんないい女からそんなこといわれても、それを捨てて死ぬなんて、
孫左衛門の気持ちが理解出来ない。
武士は、名誉が一番なのかな?


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