銀河鉄道の父

2020年07月25日 | 小説 エッセイ

今日、「銀河鉄道の父」(門井慶喜 著 講談社刊)を読了した。
この小説は、宮沢賢治の父を主人公として書いたものです。
久しぶりに読みごたえのある小説でした。
私は、20代のときに宮沢賢治の詩・童話はほとんど読んでいると思う。
そして私なりの宮沢賢治像はある。
それが、この小説を読んでことごとく打ち砕かれた。
私は、宮沢賢治という人は、やさしくて真面目で
自分のことより他人(ひと)のことを考えて生きているような人間と考えていた。
「銀河鉄道の父」の宮沢賢治という人は、
あまりまわりの人のことを考えない自分中心のわがままな人という感じです。
ただ妹トシのことは大切に思っていて、頭は優秀な人のようです。
妹トシが結核で死んでいく。
賢治は最後まで介抱する。
世の中を生きることには不器用な人みたいですね。
若い頃はほとんど実業のことを考えていた。
29歳の頃、人造宝石を売る会社をつくろうとした。
病気で寝ている妹トシに、読み聴かせるために童話を書いた。
そしてその作品が地元の新聞に認められて掲載される。
賢治は物書きでは収入は得られないのだけど、学校の先生を辞めてしまう。
そういう息子を父政次郎は、いつも経済的にも精神的にも援助してきた。
ただ宮沢賢治は、父に甘えなかった。
自分の文章で生きていこうとした。
私は、あらためて宮沢賢治の詩・童話を読んでみようと思いました。
あ、忘れてた、この小説は、第158回 直木賞受賞作でした。

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