波のうえの魔術師

2008年04月18日 | 健康・病気
「波のうえの魔術師」(石田衣良著 徳間文庫)本日読了。
「兄弟」を読み終えて、4日で読み終えたのかな。
ストーリーの先が知りたくて、電車に乗るとすぐ本を開いた。
私は原則的には電車だけの読書ですが、
家に帰っても読みたくなり、他にやることあるのに読みました。

石田衣良は、以前九想話に書きましたが好きな作家です。
しかし、この本のことはなんの予備知識もなく読み始めた。
経済小説とは思いもしなかった。
ちょっと予想外れの気持ちがないでもなかった。
でも、やっぱり石田衣良でした。
主人公の描き方はいつもとかわりない。

パチンコのささやかな稼ぎで暮らしている就職浪人の「おれ」が、
年老いた投資家にみこまれ“秘書”になる。
「おれ」白戸が、心の中で「ジジイ」と呼ぶ小塚老人から
マーケットのいろいろなことを教わる。
はじめは1年間だけジジイとつきあって、
ちゃんとした会社に就職しようと考えていた「おれ」は、
そのうち株式市場の魔力に引き込まれていく。

株とかの知識のまったくない私も興味をそそられた。
私が若かったらその世界に入ってもいいかな、と思わせられた。
つきあっていた恋人は、そんな世界に入っていく白戸から去っていく。
それでも「おれ」は、マーケットの世界から離れられなくなってしまった。

小塚老人の過去の話はうなずけた。
そういうことがあったら冷酷な投資家になるだろうな、と思った。
クライマックスは、
ジジイの憎む、まつば銀行に計画した作戦を実行することだ。

石田衣良の「池袋ウエストゲートパーク」とはちがう面白さが広がる。
ネットで知ったのですが、この小説を原作にしたテレビドラマ
「ビッグマネー!」というのがあったらしいですね。
まったくテレビのことには疎い私です。


波のうえの魔術師 (徳間文庫 い 43-3)
石田 衣良
徳間書店

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