ツバキ文具店

2020年10月04日 | 小説 エッセイ

先週の金曜日に、「ツバキ文具店」(小川糸著 幻冬舎刊)を読み終えた。
鎌倉にある小さな文具店を経営している女性を書いた、素敵な小説だった。
文具店をやっているといっても代書屋が本業のようです。
いろんな依頼人からのむずかしい手紙の代書を引き受けている。
主人公はポッポちゃんとみんなから呼ばれている雨宮鳩子という女性。
先代(祖母)に対して、屈折した感情を抱いている。
鳩子は、6歳から筆を持たされた。
そのときから鳩子は、先代に代書屋になるための修業をさせられた。
ポッポちゃんは、高校2年の夏、先代に対して本格的な反乱を起こした。
「うるせぇんだよ、糞ババァ、黙ってろ!」
「てめぇの人生を、押しつけんな!」
「何が今どき代書屋だよ? バッカじゃないの」
それを境に、ポッポちゃんはわかりやすい形で不良になった。
高校卒業後に専門学校に入ってデザインの勉強をした。
先代が亡くなって、すべてが嫌になり海外へ逃げていたときもあった。
そして鳩子はスシ子おばさんが亡くなったのを機に、
鎌倉に戻ってツバキ文具店を継いだのである。
まわりの登場人物がみな魅力的です。
バーバラ婦人、パンティ、男爵、モリカゲさん、QPちゃん。
代書するときに使う筆記具、紙などの描写がいい。
素敵な風景、お店、鎌倉に行ってみたくなりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする