息子の存在

2000年10月29日 | 家族

「晩ご飯、何時頃になる」
 台所で夕飯の支度をしている女房に私は訊いた。
「Uが帰ってきたらと思っているんだけど、遅くなるようだったら7時半頃食
べようか」
 Kは、さっきから部屋でギターを弾いていた。
「Uにメール出してみたら。『何時頃帰る?』って」
「そうね、出してみようかな」
 さっそく携帯電話を取り出し、女房はボタンを押しはじめた。
 5分もしないうちに、女房のケータイが鳴った。
 画面を見た彼女が笑った。
「なんて書いてあると思う?」
「どうせ、『8時』とか短いんだろ」
「見てみて」
 といって、ケータイを炬燵にいる私のところまで持ってきて、画面を私の顔
の前に向けた。
 そこにはこう表示されていた。
[もう、家にいる]

コメント
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