今日の、阿刀田高の「私のギリシャ神話」はヘラクレスの話だった。
私にとってみんな初めての話で、とても興味深かった。
それはそれとして阿刀田は、ギリシャでその日の話に因縁のある場所で毎回
話している。今日は何カ所かで話していたが、番組の最後、「ヘラクレスの血」
というワインを出す食堂にいた。たしか、メネアのライオンと闘ったあたりに
ある食堂だった。その食堂の名前は「タベルナ」という。
今日の講義で一番面白かったのは、このことでした。
昨日、サザエさんを見ていてふと想い出した。
タケノコの話だった。
私の実家には昔、家の脇に孟宗竹がかなりあった。春になると沢山タケノコ
が地面から生えてきた。そのうち何本かを残して、あとは掘って食べた。
私は子どもの頃、それほどタケノコは好きではなかった。好きだったのは、
タケノコの皮だ。といって皮を食べるのではありません。白く柔らかい水分を
含んだ皮の産毛のような毛をナイフでやさしく取り、水で洗ってからその中に
梅干しを入れ、三角形に折る。それを座蒲団の間に挟んで一晩置いておく。
次の日、白かったタケノコの皮が真っ赤になっている。それをなめると、し
ょっぱいんだけどなんともいえない深みのある味がしたんです。それを一日中
なめていた。寝るときはまた座蒲団の間に挟んで寝て、次の日も大切になめる
んです。家にお菓子などなかった、貧しい農家の子どもの楽しみでした。
もう一度なめてみたいな。