私の行ってる歯医者の1階にジャズ喫茶(飲み屋)がある。歯医者は2階だ
(どうして歯科病院を歯医者と呼ぶのだろう。一般にそういってますよね)。
階段を上がるとき、そこのポスターを見たら、4/23「ギターソロ」と書い
てあった。歯の治療をしてるとき、気分転換にジャズでも聴いてみるか、と思
った。
以前、このジャズ喫茶「スワン」には女房とよく行っていた。
家に帰るとKがいた。Kと行けたらいいな、と思った。シャワーを浴びビー
ル(発泡酒です)を飲んでから、Kを誘った。振られた。雨の中一人で行った。
7時50分に着いた。8時からとポスターに書いてあったのに、8時になっ
ても始まらない。
演奏者だと思われる髪の長い男が、ギターのチューニングをしてからコーヒ
ーを飲んでタバコを吸っている。客は、私の他に4人。そのうちの2人は仲間内
のようで、親しげに話していた。その会話を聞いていて、なんか私は興ざめし
た。へんにこれみよがしの会話をして、他の客に「おれたちは仲間だぞ」と見
せつけているようで感じ悪かった。
8時半に演奏は始まった。シンセサイザーを鳴らし、ギターもそれにつなげ
ていた。なんか環境音楽のようなとりとめのない音の羅列が始まった。おれは、
「ジャズを聴きにきたんだ」と怒鳴りたかった。それが、20分ほど続いた。
いいかげん私は飽きた。私は、その“音楽”を無視した。終わっても拍手をしな
かった。
次は、ガットギターに持ち替え、バッハの曲と思われるものを弾いた。
「おれはジャズを聴きたいんだ」とわめきたかった。
3曲目、やっとジャズらしい曲になった。一所懸命弾いてるのは分かるが、
弦をはずすわ、リズムは流れないわで、私は気が気ではなく乗れなかった。そ
れでも、仲間や店の女の子にはうけていた。
ああ…、Kを連れてこなくてよかった。
でも、ひとつよかったこと、ちゃんと楽譜を買って、ギターをまた練習して
みようかな、と思った。
本日、歯の治療の、ひとつの区切りがついた。
痛かった歯のとなりは子どもの頃抜けていてなかった。それで、痛かった歯
とその2つ隣の歯に金属でブリッジした。
私は高校生の頃、左の顎の関節が痛くなり、接骨院に通っていた。そのとき
ほっぺたにでかい湿布を1ヶ月ほど貼っていた。かっこ悪かった。
おそらくあれは、奥歯が1本なかったせいでなったのかなと思っている。そ
のせいで私は、左では食べ物を噛めなかった。そういうことの影響で顎の関節
がおかしくなったんだと思っている。今でもおかしい。知らず知らず左の顎の
関節を鳴らしていて、女房に「やめたほうがいいよ」なんて注意されることが
ある。
ひょっとしたら、こんなことで私の性格が変わったかもしれない。
なんか奥歯が揃ったせいか、力を込めて歯を噛みしめることができる。
左の奥歯も揃ったことで、私の人生変わるかな。