唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

ゆれる

2007年03月09日 | 映画 ま・や・ら・わ行
ゆれる

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なんか観終わった後に何も考えられなくなりました。

会話がよく聞き取れないところもあって・・・でも、それで話がわからないってことじゃないんだけど、それだけじゃないかも。え?なにいったの?っていうところも何ヶ所かあって・・・それでいやだとかじゃなくて、それがなんかこのもごもご感というかむぐむぐ感というかそういう空気を作り出しているのかなあと。

こうでこうでこう!こう!こう!こう!と、物語をもっていって、だからこう!というんじゃなくて、どう?どう?こう?そう・・・で?そう・・そう?こう?こう・・・って感じ・・・わけわかんないですね。

だから、すべての会話や流れをはっきり教えますということじゃないみたいな気がしました。多少抜けたっていいから普通に自然に会話を選んでつくったのかな?

それとも、自分の言葉を聞き取る力が無かっただけなのかな?

自分は今東京にいますが、俺にも兄がいまして・・・兄は田舎にいまして・・・両親はもういないので実家に一人で暮らしてまして・・・・最近は連絡もとっていませんが・・・・どうしていますかね。

兄は自分のことなんと思ってるんでしょうか。

映画のようなかっこいい弟ではないし、むしろ、東京に出てきてなにやってんだ?おまえ!と言われそうな生活をしていると・・・・これは、自分が今の生活に対して自信がもててないからなんでしょうけど・・

まずこの弟がもてるのに頭にきちゃいました。それで別にこのあと付き合うとか何かじゃなくてそれで抱いちゃうところがね。お兄さんが積み上げてきたものをたった1日で崩して奪い取ってしまう・・・それが普通にできることにもてる男ってやだなあ・・・と思ってしまったわけです。まあ、過去があったとはいえです。この人は心を求めてる人ではないんだなと思いました。なぜなら、心は相手が寄せてくれるから。心がほしい・・・と、ねがったことはあまり無いのではないか・・逆にいうと、簡単に手に入る心でしかつながってないから、希薄な心になってしまうのかもしれませんが・・・

お兄さんは、たぶん、心から求めていたわけで・・・でも、今までの自分の経験からも臆病(おくびょうってこれでいいの?)になってしまい、優しく接するしか相手をつなぎとめる手段をもてなかったのでしょう。(だ・・・誰かに似てる・・・)

ある意味、女性に冷たくできるってうらやましいです。(こんなこといってなんなんですけど・・・)それができるのは、それでも自分に相手の気持ちを向けられる自身があるからだと思えるからです。

父親との関係でもそうだったのかもしれません。
弟は言いたいこといって父親を怒らせられるけど、お兄さんにはできません。そこで親との関係が壊れるのが恐い。相手にいやな思いをさせるのが恐いわけですね。相手に気を使って、自分を殺して、そうやって自分を守ってきた結果が、寂れたガソリンスタンドと料理と洗濯。親の小言。しかも好きな女性まで簡単に弟に取られて・・・で、触らないでよ!と好きな女性に言われて・・・・臆病で相手に気を使って表面上でいい関係をつくっても内面に深く突っ込んでいくことができないから、一瞬で突き放されるような希薄な関係しか作れなかったこと。いわゆるお付き合いだったわけですね。

じゃあ弟のようにずけずけと入っていけるかって?無理ですね。無理無理。

人間はまず外見です。心は2の次3の次。なぜって、最後に接触するのが心だからしかたがないです。心に接触できなければ・・・ねえ・・・だから、結婚したあとでこんなはずじゃなかった!何てこともあるわけです。それは外見が年とったからじゃないですもんね。心のずれを認識したからですもんね。ちがいますかね。

この兄弟は、本当の意味で最後ぶつかったということなのでしょうか。それでやっと心から兄弟になったのでしょうか。それまではお兄さんは弟にずっと気遣いをしていたのだろうか・・・弟はおにいちゃんのことを唯一かどうか知りませんが、心から信頼できる頼れる存在と思っていたのかもしれません。それが、あそこで裏切られたというか、自分の心を見せてくれていなかったことに初めて気付いたわけですね。そういう意味では、一番傷ついてしまったのは弟だったのかもしれません。
あ・・・死んだ女の人か。どこまで意識があったんでしょうかねえ・・・くるしかったんですかねえ・・・

最後の弟の「お兄ちゃんお家へ帰ろうよ!」という言葉は、とても心に響いてきました。
お兄さんがそれに気付いてにこっとします。そしてバスが到着します。そのあと、どうなったんでしょうか。とてもそのあとが気になります。そのままこの地縁血縁に縛られた町を逃げ出すのか。それとも、もう一度家族をつくり直すのか・・・どうなんでしょう・・・・

うう・・・ゆれる・・・

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1日たってこのどんよりしたものが何だったのか・・・一つわかったことがあります。・・・っていうか、そこまで引きずるなよって感じでしょうか・・・
あの死んだ女の人ですよ。あの人のことについて何も語られてないからだ。一番つらいところに追い込んどいて、ころっと死んじゃって・・・でも、その死んだことについては何も語られてないところにすっきりしない要素が含まれているような気がしました。

そこが無くて兄弟がどうとか親子がどうとかいわれても・・・そこが抜けちゃうような人の家族関係なんか、どうでもいいような気も・・・

死んだ女の子と、そのお母さんと、東京の女の子と、兄弟の母親の4話構成で「おちる」というのをつくってほしいなあ・・・