goo blog サービス終了のお知らせ 
不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

中野京子 「怖い絵 3」を読んで

2009-10-25 17:38:14 | book

美術書としては異例の、全3冊で累計20万部を超える「怖い絵」シリーズの完結編です。
著者の中野京子さんは、ドイツ文学・西洋美術史がご専門の、早稲田大学の先生です。

             *  *  *  *  *

■ まずは、本の表紙からして「怖い」のです。 フュースリの「夢魔」という作品。
  のけぞった若い女性の腹部に、醜悪な姿をした「異形のもの」が! 夢で犯されている?

■ ルーベンスの「メドゥーサの首」のように、グロテスクの極みのような作品もあれば、
  いったい何処が怖いのかわからない、「平和的」に見える作品も含まれています。

■ 当時の社会的状況などを基に、作品に対する中野さんの「読み解き」が始まります。
  すると、どうでしょう? 「怖さ」が、ひたひたと押し寄せる波のように伝わってきます。

■ この本の中で、私が特に惹かれたのは、レーニ作とされる「ベアトリーチェ・チェンチ」。
  処刑される前日に描かれたという、虚ろで悲しげな表情で振り返る、薄幸の美少女。

■ 鑑賞する際、余計な「先入観」は、純粋な感性を鈍らせるという考え方もありますが、
  本書の解説のような「予備知識」を持つことは、作品に広がりと深みを与えてくれます。

             *  *  *  *  *

本書は、美術愛好家の方が読まれても、十分納得できる充実した内容をもっていますが、
そうでない、歴史(西洋史)好きの方、ミステリー・マニアの方にも、お薦めの作品です。

Kowai

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・マーフィーの法則 ~ ギャンブル編

2009-09-28 09:45:18 | book

お馴染み「マーフィーの法則」。 皆さんの中にも、きっと信奉者がいらっしゃるのでは! 
以下は、日本で発見されたマーフィーの法則から、ギャンブル編を抜粋したものです。

            *  *  *  *  *

● アマノのだから買ってしまうの法則
 馬券を買わずに予想するときにかぎって、的中する。

● ハルタのレース結果の法則
 どんなに不可解に終わったレースにも、必ず理路整然とした解説が用意されている。

● 予想屋の法則
 すべての予想屋の口上は、当たった場合より外れた場合のほうに説得力がある。

● 馬券購入者の習性
 もし出走する16頭の中に豚がまじっていても、その豚の「馬券」を買うやつはいる。

● ハルタの観測
 何回か予想を変えて迷った末に馬券を買うと、最初に予想した目が来る。

            *  *  *  *  *

続・マーフィーの法則 現代日本の知性 MURPHY’S LAW OF JAPAN
日本マーフィー普及会編 アスキー出版局刊

Murphy

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

差別と日本人

2009-08-19 16:15:46 | book

著者: 野中広務(元衆議院議員)・辛 淑玉(人材育成コンサルタント) / 角川oneテーマ21
とは、在日とは、なぜ差別は続くのか? - 誰も語れなかった人間の暗部

            *  *  *  *  *

■ 野中さんは、政界引退前は、私の選挙区(京都4区)から選出された衆議院議員でした。
  そのせいか、ある種の親近感を抱きながら、野中さんの言動に注目していました。

■ もちろん、自ら公表された「出自」のことも知っていましたし、
  その政治手法・体質など、真偽はともかくとして、「黒い」噂も度々耳にしてきました。

■ 利権・優遇措置と決別した上で、差別問題と真摯に向き合おうという野中さんの姿勢。
  野中さんって、本当はこういう人だったのか?! 驚きと共に、感銘を受けました。

            *  *  *  *  *

■ 私の身の周りにも、在日韓国・朝鮮人の方、被差別出身の方が何人かいますが、
  お家に招いてもらったり、お食事もご馳走になったり、ごく自然にお付き合いしています。

■ そういう普通の友人・知人の間柄ですが、差別の問題については、やはりタブーです。
  お互い、その種の話題については、極力避けてきました。 たぶん、これからもそう…。

■ 私は、決して差別なんかしない! 同じ人間として、対等の立場で接してあげよう!
  でも、こういう思いそのものが、実は、潜在的に差別していることになるんですよね…。

            *  *  *  *  *

シリアスなテーマにもかかわらず、本著は、すでに20万部を突破したとか。
でも、私には、いったい何が出来るのでしょうか? うーん、考え込んでしまいます。

Nonaka_hiromu

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする