幸運にも、午後からの予定がフリーだったので、近鉄電車に乗って、奈良・薬師寺へ!
記憶が曖昧なのですが、たぶん、小学校か中学校の遠足で、一度訪れたことがあるような?
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● 玄奘三蔵院伽藍・大唐西域壁画殿
ここには、平山郁夫さんが30年の歳月をかけて完成された「大壁画」が飾られています。
平山さんの追悼番組でも、その制作過程が紹介されていました。 ぜひ見たい作品でした。
唐の都・長安からシルクロードを通り、インドにある仏教の聖地・ナーランダまでの行程。
玄奘三蔵が歩んだ「祈り」の道から七つの物語が選ばれ、壁画に描かれています。
平山さんが最後に筆を加えられた玄奘三蔵のお姿も、しっかりと目に焼き付けてきました。
群青の夜空を背景に、月光を浴びて黄金色に輝く仏教遺跡。 そして、歩を進める一人の僧。
壁画には、「共存共栄」、「破壊と再生」、「希望」といった副題が添えられています。
玄奘三蔵の「祈り」の道は、今は、異なる民族・宗教・価値観が対立する「争い」の道です。
● 白鳳伽藍
広大な境内に整然と配置された建造物の圧倒的な存在感に、まず目を奪われてしまいます。
当時の人々の目には、いったいどんな風に映ったのでしょうか?! 想像を絶する思いです。
東回廊を進むと、前述の広壮な光景とは趣を異にする東院堂へ。 簡素な中にも古色美が。
ご本尊の聖観音菩薩像には、見る者を自然に祈りの世界に導くような気高さが漂っています。
中央の金堂には、薬師三尊像(薬師如来を中央に、日光・月光菩薩)が安置されています。
最初は、お姿の大きさに驚かされますが、不思議なほど威圧感がなく、安らぎに満ちています。
拝観の最後は、大講堂。 ご本尊の弥勒三尊像の背後に回ると、仏足石と釈迦十大弟子像。
釈迦十大弟子像(中村晋也作)のインド・ヨーロッパ系の容貌が、なかなか興味深かったです。
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お正月休みも過ぎ、人影もまばらな中、ゆったりとした気分で、拝観させていただきました。
私も、「お寺参り」のよさがわかる年齢になったかと思うと、ちょっと複雑な心境ですが…