なんと沢木耕太郎の小説の映画化である。沢木さんがこんな小説を書いていたなんて知らなかった。だから最初『一瞬の夏』の映画化か、と思った。ポスターに「ふたりは『一瞬』だけを生きると決めた」と書かれていて、「原作、沢木耕太郎」という文字を見た瞬間、心躍った。もちろんタイトルが違うし、あのノンフィクションをドラマ化するのは難しい。ないわな、と思う。ただ、この小説のテーマやお話は確実に通じるものがある。これ . . . 本文を読む
川上未映子のエッセイ集だ。2011年から22年までの日記でもある。一歩ずつ毎回を進んでいく。無理せず確実に。彼女のそんな姿勢が伝わってくる。出産から始まり子育てに奮闘する期間がこのエッセイの背景にある。彼女がまず大事にしたのは作家としての自分、ではなく母親としての毎日だ。だがそれは当たり前の話で、目の前に赤ちゃんがいる。もちろん自分が産んで育てている我が子だ。この子は彼女がいないと死んでしまう。誰 . . . 本文を読む