こういうTVドラマレベルの安上がりの映画(当然フイルム撮りもしていない)なのに、こんなにも素敵な作品に仕上がっている。これは思わぬ拾いものだ。パッケージングも安直で、どこをどうとったってただの安っぽい映画である。だが、作り手はこのB級感覚をとても大事にしている。この映画は、プログラム・ピクチャーであることで初めて可能となるスケールの「いい話」を、ちゃんと提示するのだ。そこには、ある種の志の高ささ . . . 本文を読む
けっこう大騒ぎされた映画だ。すごくおもしろいとか、あっと驚く展開だ、とか、なんだか凄い映画のように煽る人がたくさんいたから、眉唾とは思いつつも、ドキドキしながら見た。
これはそんなふうに世界のかたすみで大評判になったゾンビ映画である。
まぁ、それって、こういうB級映画の思わぬ拾いものにはよくあるパターンのリアクションなのだ。過剰反応である。だから、あまり気にもせずに見た。だいたいゾンビ映 . . . 本文を読む
ようやくこの3年前の芥川賞受賞作を読めた。先日彼女の新作『発光地帯』を読みながら、そう言えば、彼女の『乳と卵』を読んでないよな、と再確認し、ブームも去った今なら、すぐに貸し出し可能だろうと思い、借りてきた。相変わらずの川上節で、これはこれで読みやすいし、おもしろかった。
東京で一人暮らしをする女のところに姉とその娘がやってくる。姉は豊胸手術をするために東京までやってきたのだ。彼女がなぜそこま . . . 本文を読む