オリジナルの方もとてもいい映画だったが(そりゃそうだろう、それでなくてはリメイクしない)これは完全にあの作品を超えている。本作は、原作となったスザンネ・ビア監督によるデンマーク映画『ある愛の風景』のようなミステリ仕立てにはせず、この家族に起きた出来事を順を追って真正面からしっかりと見せていく。
この映画は、人間がどんなふうにして壊れていくか、それを丁寧に、掬い取っていくのだ。とてつもない衝撃 . . . 本文を読む
2月の『大阪マクベス』、4月の『新世界BALLAD』と、気合いの入った大作を連打した太陽族の岩崎正裕さんによる今年3本目となるこの新作は、なんとも気の抜けた小品だ。でも、悪くはない。全2作とは全くタッチが変わって、少人数によるコメディー作品である。普段の岩崎さんなら、とても手掛けないようなタイプの芝居なのだが、当然彼は器用にこういう作品もこなしてくれる。
主人公は、とある女子プロレス団体で、 . . . 本文を読む
つまらない芝居ではない。だけど、なんだかひとりよがりで、見終えた瞬間に忘れてしまいそうな芝居だ。現に3日前に見たところなのに、もうどんな話だったのか、うまく思い出せない。
なんだか不思議な感触の残る芝居で、悪くはないのは確かなのだ。お話自体にもインパクトがないわけではない。ここに描かれる人間関係も興味深い。まずこれは、兄と弟の話だ。そこに兄の家族(妻と息子)が絡んでくる。彼らが醸し出すドラマ . . . 本文を読む