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映画・演劇のレビュー

『ゾンビランド』

2011-06-05 22:17:45 | 映画
けっこう大騒ぎされた映画だ。すごくおもしろいとか、あっと驚く展開だ、とか、なんだか凄い映画のように煽る人がたくさんいたから、眉唾とは思いつつも、ドキドキしながら見た。

これはそんなふうに世界のかたすみで大評判になったゾンビ映画である。

まぁ、それって、こういうB級映画の思わぬ拾いものにはよくあるパターンのリアクションなのだ。過剰反応である。だから、あまり気にもせずに見た。だいたいゾンビ映画史上最高とか、言われても、それってなんだかなぁ、である。そこに何を期待する? 大体これが、ロメロの古典『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』とか、その続編である『ゾンビ』とか、を超える映画であるはずもない。さらには、サム・ライミの『死霊のはらわた』を超えることも困難だろう。あれらはこのジャンル映画のエポックであり、古典である。古典は比較対象にはならない。別格だからだ。

『ゾンビランド』なんていうふざけたタイトルからして、ゾンビ映画の王道を行くような映画がそこにあるとは、思えない。こういう反則技で驚かすようでは、ジャンル映画のメーン・ストリームには当然ならない。本家を凌ぐためには、それなりの覚悟がいる。この映画にはそんなものは最初からない。

まぁ、予想した程度にはおもしろかった。話自体はよくあるパターンでしかない。世の中がゾンビに制圧されて、生き残った一握りの人々が、安息の地を求めて、旅するというおきまりの話だ。ラストは、遊園地で大暴れするというのは、新しいと言えば新しいかもしれないが、それだけ。ハリウッドに行き、有名人の屋敷を回り、結局、ビル・マーレイ(!)の家に行く。すると、そこにはゾンビメイクの本人が登場する(ゾンビから逃れるためのカモフラージュらしい)というのも、ご愛敬。しかも、みんなでゴースト・バスターズごっこをする。

これをシリアスにして、大作仕立てにしたのが、ウイル・スミス主演の『アイ・アム・レジェンド』だろう。あれこそ本当なら究極のゾンビ映画として、宣伝すればよかったのに。まぁ、あれだけの大作だから、そんな自殺行為は出来なかったのだろうが。と、いうことで、これは期待通りの拾いものだった。まぁまぁ、です。



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