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新型コロナの重症化因子は腸内細菌にあった

2022-11-26 06:35:47 | 時事/金融危機

 

■ 腸内細菌との相互作用で血栓症が起きていた ■

弱毒性のオミクロン株からは、新型コロナウイルスはほぼ風邪になりました。しかし、政府が指定感染症の2類の指定を解除しない為に、「恐ろしい伝染病」として「社会的に恐ろしい」病気のままとされています。何故、インフルエンザ同等の5類にしないのか、ここを追及する事はこのブログではしません。だって、ワザトだからね・・・。

ところで新型コロナ関連の最新の研究では、重症化する人の腸内細菌が注目されています。

 

1)腸内細菌は人の免疫応答で重要な役割を果たしている

2)ある種の腸内細菌は新型コロナウイルスとの相互作業でIL-6(インターロイキン6)を増やす

3)IL-6は炎症性のサイトカイン

4)IL-6は血液凝固を促す子PAI-1 の放出を促進させる

5)PAI-1によって静脈中に血栓が生じ、それが肺やその他の臓器の血流を妨げる

6)血栓で毛細血管が詰まり、重症の肺炎が起きる

 

従来、新型コロナウイルスが肺の細胞に感染して肺炎が起きると考えられていました。治療法も酸素吸入など肺炎の対処療法が中心でした。しかし、肺炎の原因は腸内細菌と関連したサイトカイン放出による血栓症だったのです。

ロシアや中国は早期にこの原因に気付き、治療方法を抗生物質とアスピリンの投与に切り替えています。抗生物質によって腸内細菌を一時的に減少させサイトカインの生成を抑えると同時に、抗凝固作用のあるアスピリンで血栓に対処します。抗生物質は一般的な安価なもので良い様です。

 

■ 重症化因子はある種の腸内細菌の多少による ■

新型コロナウイス(デルタ株まで)は、重症化は高齢者や糖尿病患者に多く見られ、子供や若年者は軽症や無症状が多かった。実は、新型コロナウイスるとの相互作業でサイトカインを生成させるある種の腸内細菌は、子供の腸内にはほとんど生息せず、加齢と共に増えます。そして、糖尿病患者には多い。

要は、「ハイリスク」と言われる高齢者や糖尿病患者は、サイトカインを放出させる腸内細菌が多いので、血栓によって重症化肺炎を起こしていたのです。

治療法は先にも書いた様に、安い抗生物質とアスピリンなど抗凝固剤で充分です。タンパク質の代謝に影響があり催奇性などの危険の高いアビガンやレジでシビルなどは必要が無いのです。

 

■ シオノギのゾコーバは「危険」な薬 ■

新型コロナ感染症の初期に治療薬として国産のアビガンが注目されましたが、富士フイルムも2020年に新型コロナウイス治療薬としての承認を厚労省に申請していました。しかしアビガンは大した治療効果が無い上に、「軽症者及び60歳未満の患者における致死率の高さ」から、薬害を監視する団体から承認を取り消す様に勧告が出されていました。

富士フィルムは今年の10月14日にアビガンの承認申請を取り消しています。理由は「オミクロンの流行で重症化患者が殆ど居なくなり、有効な臨床数が確保出来なくなった」としています。

アビガンはレジデシビルは「ポリメターゼ阻害薬」に分類されます。ウイルスは感染した細胞内でウイルスを構成するタンパク質を作らせます、コロナウイスは「一本鎖プラス鎖RNAウイルス」に分類され、ウイルスの塩基配列から直接細胞にタンパク質を作らせる事が出来ます。この時、ウイルスの塩基配列を読み取ってタンパク質に翻訳する働きをするのがポリメラーゼという酵素です。

アビガンやレジデシビルなどのポリメラーゼ阻害薬は、ポリメラーゼの働きを阻害して、ウイルスによるタンパク質合成(ウイルスの量産)を止める働きがあります。しかし、ポリメラーゼは人のタンパク質合成にも関与しているので、当然それも阻害します。結果的に様々な副作用が出る。特に細胞分裂の盛んな胎児への影響は大きく、「催奇性」があるので、妊婦や妊娠の予定のある女性、また成長期の子供に投与出来る薬ではありません。

 

今回「緊急承認」されたシオノギの「ゾコーバ」は「プロテアーゼ阻害薬」に分類されます。プロテアーゼはアミノ酸の鎖を適切な場所で切る作用を持つ酵素です。

ウイルスのRNAが細胞にタンパク質を作らせる時、アミノ酸の長大は鎖が先ず作られます。この長い鎖を適当な位置でプロテアーゼが切り取って、ウイルスを包む膜のタンパク質が出来ますが、プロテアーゼ阻害薬は、切り取られる場所のアミノ酸に結合する事で、プロテアーゼがアミノ酸を切断する事を阻害します。ゾコーバはCL3という部位を切断するプロテアーゼを阻害します。

これも人のタンパク質合成を阻害する働きがあるので、当然「催奇性」が有ります。ゾコーバの説明書には次の様に書かれています。

9.4生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び最終投与後一定期間
は適切な避妊を行うよう指導すること。[2.4、9.5参照]

9.5妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
ウサギにおいて、臨床曝露量の 5.0倍相当以上で胎児に催奇形性
が認められるとともに、臨床曝露量の 5.0倍に相当する用量で流
産が、臨床曝露量の 7.4倍に相当する用量で胚・胎児生存率の低
下が認められている。[2.4、9.4参照]

9.6授乳婦
授乳しないことが望ましい。
ラットにおいて、乳汁への移行が認められるとともに、母動物に
毒性が認められた用量(臨床曝露量の 6.6倍相当)で出生児の生
後 4日生存率低下及び発育遅延が認められている。

9.7小児等
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

 

さらに、併用して服用してはいけない薬も36種類あります。

 

2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
次の薬剤を投与中の患者:ピモジド、キニジン硫酸塩水和
物、ベプリジル塩酸塩水和物、チカグレロル、エプレレノン、
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアン
チピリン、エルゴメトリンマレイン酸塩、メチルエルゴメト
リンマレイン酸塩、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、シン
バスタチン、トリアゾラム、アナモレリン塩酸塩、イバブラ
ジン塩酸塩、ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ
性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期〕、イ
ブルチニブ、ブロナンセリン、ルラシドン塩酸塩、アゼルニ
ジピン、アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル、
スボレキサント、タダラフィル(アドシルカ)、バルデナフィ
ル塩酸塩水和物、ロミタピドメシル酸塩、リファブチン、
フィネレノン、リバーロキサバン、リオシグアト、アパルタ
ミド、カルバマゼピン、エンザルタミド、ミトタン、フェニ
トイン、ホスフェニトインナトリウム水和物、リファンピシ
ン、セイヨウオトギリソウ(St.John'sWort、セント・
ジョーンズ・ワート)含有食品[10.1参照]

 

無水カフェインイソプロピルアンチピリンは一般的な風邪薬や解熱剤などに含まれています。ベプリジル塩酸塩水和物は狭心症の薬に含まれます。ゾコーバを服用する際には、ご自分が服用している薬のチェックが必要です。

 

■ タミフル同様に治癒が1日は早くなる程度 ■

抗ウイルス薬と言えば日本ではインフルエンザの治療薬のタミフルが有名です。タミフルはウイルスが細胞から放出される酵素を阻害して、ウイルスが放出されない様にする薬です。タミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬を日本の医師はインフルエンザの患者に普通に処方しますが、世界では殆ど使われていません。理由は「あまり効かない」からです。感染初期ではあれば効果が高いのでしょうが、発熱などの自覚症状が出た後では、回復を1日は役する効果しかありません。その反面、子供に異常行動が起きる可能性などリスクが高い。(タミフル服用時は子供を親が監視する必要がある) シオノギもゾフルーサというインフルエンザ治療薬を出していますが、これは「効果が無い」事で医者の間では有名な様です。

ゾコーバもプロメターゼ阻害薬の作用機序からして、自覚症状が出てから服用しても、回復が1日早くなる程度の薬でしょう。一方、副作用はそれなりにあり、「緊急承認」なので、治験期間も短く、危険性の全てが判明している訳ではありません。

 

■ 医者が患者に効果と副作用を説明して、同意書を取る = 治験参加 ■

ゾコーバの資料を読むと、処方に際しては、医者は効果と副作用を患者に説明して、同意書を取る様に指示されています。これはゾコーバが「緊急承認」された薬で、未だ治験中である事を示します。患者は同意書にサインした事で「治験に参加」したと見なされます。副作用で亡くなったり、障害を負っても制約会社は保障しませんし、生命保険も出ない可能性があります。

あれ、あれ、「緊急承認」と「同意書」って他でも聞きましたね・・。そう、「新型コロナワクチン」です。接種時の問診所の最後に「上記の内容を理解し接種に同意する」みたいな事が書いてあると思いますが、これこそ「治験参加」の承諾です。仮に接種で亡くなっても製薬会社は免責されます。

そもそも、風邪程度の症状のオミクロン株に対しては、まともな医者はゾコーバを処方しません。あなたの掛かりつけ医が、ゾコーバを処方しようとしたら、あなたは病院を変えた方が賢明です。

 



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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ゆうこ)
2022-11-26 17:19:40
腸内細菌ですか?だから韓国のキムチやキムチ鍋食べてる人は元気なのか?
酸っぱい漬物も良いのかしら?腸内環境大事にします。
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Unknown (人力)
2022-11-27 06:05:32
ゆうこ さん

SARSの時も韓国人はキムチを食べているから大丈夫って言われていましたが、あながち間違えでも無いのかも知れません。

新型コロナ、被害が多かったのは肥満率の高い国と言う考察を感染初期にした事がありますが、肥満率との相関はありそうです。肉食系の人の腸内細菌よりも草食系の人の腸内細菌の方が悪さをしないのかも。
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Unknown (楽譜)
2022-11-27 23:03:47
ゾコーバを安易に内服しないのは賛成ですが…
一応期限付きですよね。日本は製薬承認が遅いから、コロナ前から期限付き承認(発売後にデータを揃える)とかいう怪しい制度を導入してます。
承諾書ていどでは治験にはなりません。上記のように、皆が開発をあきらめるほど、治験には患者さん含めて莫大な手間がかかります。
そして腸内細菌…。これ、研究ではやってるんです。免疫細胞の半分は腸にいる(これは当たり前。外界から中に物を取り込むゲートに一番多くの警察が詰めてないといけません。)ので、そこでの反応が全身に及ぶんです。だからあたかも、ヒポクラテスの言う様な「腸は万病の原因である」とかいう、うさんくさい研究が量産されています。しかしそもそも腸の状態と体内の炎症の状態は必ずリンクするのは結果であって、原因ではありません。
なので短期的には腸内細菌を殺したほうが炎症は治まると思いますが、警察の協力者(善玉菌)も絶滅させるため、長期的に免疫力は低下すると思います。陽性になったらガッと1週間程度内服する、という感じでしょうか。そしてその後はヤクルトを飲む。
ゆうこ様の仰る通り、日本の長寿の秘密は乳酸菌の漬物(昔ながらの漬物はみな酸っぱいです)かも知れませんね。
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Unknown (人力)
2022-11-28 03:23:22
楽譜 さん

ゾコーバの医療関係者向けのページから・・・

「本剤は、本邦で緊急承認されたものであり、承認時において有効性及び安全性に係る情報は限られており、引き続き情報を収集中です。そのため、本剤の使用に当たっては、あらかじめ患者又は代諾者に、その旨並びに有効性及び安全性に関する情報を十分に説明し、文書による同意を得てから投与してください。」

「本剤を扱うことのできる医療機関及び薬局については、厚生労働省の事務連絡をご確認ください。」

「本剤を扱うことのできる医療機関及び薬局には、「ゾコーバ登録センター事務局」より仮ID・仮パスワードが郵送されますので、ゾコーバ®錠を発注・処方・調剤される場合、事前に「ゾコーバ登録センター」へご登録ください。」

と書かれており、投与に当たり登録が必要で、有害事象の報告欄もあります。これ「治験」に近い。

問題は緊急承認する程の効果がゾコーバにあると思えない事。同時に緊急承認する程の緊急性が現在の新型コロナウイスに無い事。だから厚労省は何度か申請を却下した。厚労省は保守的ですから、本来は薬害を嫌います。

腸内細菌の研究、実は反ワクチンの旗手となっていらっしゃる井上先生は家内のちょっとした知り合いで、先生も腸内細菌の研究をされていました。太ったマウスの腸内細菌を痩せたマウスに移植すると太るらしいです。

家内は私が「新型コロナウイルスはチンケな毒性」とか「ワクチンは危険」と言い出した頃は「また始まったよ・・」って感じだったのですが、井上先生がワクチンに反対していると知るや「ワクチンは危険だよね」と言い出した・・・。人間は肩書や権威に弱いなぁ~。
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Unknown (楽譜)
2022-11-29 01:32:24
御返信恐れ入ります。いや、これは処方、医師側からすると面倒臭そうですね。
「ゾコーバ®錠を発注・処方・調剤される場合、事前に「ゾコーバ登録センター」へ」
これ、患者さんの個人情報入れたりとか、経過についても入力したらまさに治験ですね。あなどってました。

話変わりますが、いつぞやお勧めされていたヨルムンガンドを拝見しております。現在折り返し地点。これから暗くなっていくのでしょうか。漫画の方はもう少し尖ったタッチですね。
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