■ 中国がおかしい ■
「中国バブル崩壊説」は私も何度か書いて来ましたが、
中国経済は明らかにバブルなのに、これがなかなか崩壊しませんでした。
しかし、最近、中国の金融システムに異変が起きています。
それは、短期金利の急上昇です。
通常2%台で推移していた銀行間の短期金利が、
13%超えて急上昇していたのです。
こういう場合はだいたい資金の逆流が起きていて、
どこかで流動性のボトルネックが発生している場合が多い。
資金の逆転の原因は、先月のバーナンキ発言から始まったリスクオフによって、
中国市場に投資されていた資金の逆転が起きているからだと思われます。
インド、ブラジル、中国といった新興国から
かなりの勢いで資金逃避が始まっているのでしょう。
■ 危機を拡大する「影子銀行」 ■
中国では正規の銀行金融システムの他に、
「影子銀行(シャドーバンキング)」と呼ばれるアングラの巨大金融システムが存在します。
正規の銀行の金利より高い金利で資金を集め、
不動産などの市場で運用して利益を上げる投資信託やファンドです。
この「影子銀行」の規模は、一節には日本のGDPにも匹敵するとも言われています。
地方政府などがこの「影子銀行」から資金を借りて公共投資を拡大していましたが、
金利が一般の銀行金利よりも高いので、当然払える訳がありません。
この資金は中国国内だけで無く、シンガポールやマレーシア、香港など
アジア各国に流入して、これらの国で不動産バブルを発生させていました。
中国の不動産市場も相当なバブルだという事は既に常識ですが、
これらのバブルは資金流入がある限り拡大し続けます。
「影子銀行」の資金の元を辿れば、中国中央銀行の緩和政策に行き当たります。
結局、リーマンショック以降の人民元の大量増刷が、
アングラ金融市場に資金を供給しつづけ、バブルを拡大していたのです。
中国の中央銀行が緩和規模を少し縮小すれば、
「影子銀行」システムは、大きな影響が出ます。
これも、今回の中国の短期金利の急上昇に影響を与えたと言われています。
短期金利の急上昇を受けて、中国中央銀行は緊急で流動性供給を実施しています。
国内金融システムに500億元(約7900億円)を供給しました。
このおかげで、短期金利は下落を初めています。
■ 中国がクシャミをすると、周辺諸国が風邪を引く ■
巨大な「影子銀行」の資金の流れが逆転すれば、
アジアの市場が急落するはずです。
現に、アジア各国の株式市場も債権市場も下落が始まっています。
中国がクシャミをすると、周辺諸国が風邪を引くのですが、
中国のクシャミは、鳥インフルエンザ級の経済危機のまえぶれかも知れません。
いずれにしても、中国とアジア諸国の動きには注意が必要です。
■ バーナンキ発言にしても、中国にしても、何かが変 ■
「陰謀論ブログ」を自称しながらも、最近良識的にコジンマリしているこのブログ・・・
実は「陰謀論者」としては「バーナンキ発言」や「中国で行なわれたかもしれない緩和縮小」は
なんだか赤いランプがピカピカ点滅している様に見える現象です。
世界の市場が中央銀行の緩和マネーで支えられている事は周知の事実なので、
これを絞れば何が起きるかなど、経済学者よりも市場参加者の方が良く分かっています。
そして、市場な先回りをして変化します。
それなのにFRBの中ではだんだんとQE3の縮小論が幅を利かせ始めている。
世界経済の大きな変化(悪化)は、必ずと言って良いほど、
資金供給の悪化がトリガーを引いています。
1929年のNY市場の大暴落は、株式投資用の低利の短期資金供給を、
アメリカの銀行が一気に引き締めた事で発生しています。
サブプライム危機の引き金を引いたのは、日銀の緩和縮小です。
そして、次に引き金に指を掛けているのは、どうやらFRBの様です。
中央銀行は景気を改善する事は出来ませんが、
バブルを作る事と、バブルを壊す事に関しては、天才的な才能を発揮します。
はたして、FRBが「天賦の才能」を発揮する時、
その目的はいったい何処にあるのでしょうか?
次に危機が発生すれば、リーマンショック程度では済まされません。
それこそ、バブルの元凶が中央銀行と国債なのですから、
通貨と国債の信用が問われる事になります。
「だれ得」の理論で考えても、誰も得する人が見当たりません。
それこそ、破壊そのものを目的にしている様に思えてなりません。
そして、現在の経済システムの崩壊は、必ずや世界全体の姿を大きく変える事でしょう。
「ショックドクトリン」と呼ばれるこの手法、
果たして現実のものとなるのかどうか・・・・
市場参加者もバーナンキがまさか引き金を引くとは思っていませんから、
QE3縮小予測で、お約束の混乱を演じていますが、
「魔弾」はいきなり発射されるのでしょう。
それが意外なタイミングであればある程、その効果は絶大なものとなります。
それほどでもありませんでした。まだまだ、崩壊は先送りなんでしょうか?
リーマンショックの時は、知人の鉄工会社なども仕事がほとんどなくなっていました。リーマンショック以上の激震が走るといわれていますが、どんなことになるのやら。ところで今は日本の景気はいいのですか?
アメリカ経済が好調なのか、それとも不調なのか・・・楽観論と悲観論が入り乱れています。
ニュースやアナリストの大勢は「好調」と評価し、積み上がる負債から目が逸らせない私などは「不調」と判断します。
市場はイケイケの時は「不調」を無視しますが、相場が後退する時には「好調」は一気に消え去ります。
ただ、それだけの事なのですが、崩壊のその日まで、本当の事は隠されていて、崩壊後に「実はこうだったんだ」と尤もらしく言い始めます。
こうした虚構の上に成り立つのが「市場」であり、「経済」であり「通貨」なのでしょう。
さて、日本経済ですが、メディアは「好調」と伝え、実際に長い間貸し駐車場だった土地にマンションや建売住宅が建ち始めました。消費税増税と金利上昇前に住宅市場が活性化するのは当然の事ですが、はたして、これらの物件が出来上がった時に需要があるかどうか・・・。
現実には現在既に出来上がっている物件ですら、空室が目立ちます。空き地になっていた所は、利便性がさらに劣るので、銀行の不良債権が増えただけではないかと私は予測しています。
崩壊は一番弱い所から発生するので、先ずバブル気味だった新興国経済から変調が始まっています。
日本は株式市場と一部不動産市場がプチバブルでしたが、金融機関も企業も臆病な程堅実でしたから、心配なのは、アベノミクスでリスクを拡大した日本国債。
これとて、単独で悪化する事は考えられませんが、世界的な国債の信用不安が発生すれば、その影響は免れ得ないのではないでしょうか?
日本株を見る時に、世界の相場環境も見ないと井の中の蛙です。
●欧州債務危機(特に南欧:銀行問題になってる・・)
●新興国(デモ多発のブラジル・トルコ等、スタグフレーションの兆候)
なかでも正体が分からないのが、
●●中国(政府債務・過剰設備・不動産投機等)
・そもそも経済統計もちゃんと出してるのか??
・GDP統計は世界一早く出てないか?
・PMIは統計局とHSBCが真逆の数値
さらにいいのか悪いのか分からないのが、米国
○シェールガス・住宅回復・株最高値圏のプラス材料
●財政問題(連邦政府・州政府)・米国債金利↑のマイナス材料
?デフレ(という経済評論家もいる)
?FRBの金融緩和縮小
バーナンキ議長はバブルとデフレの研究者でもある。
恐らく、株安・債券高狙いの金融緩和縮小だと思う。
株から債券へ資金シフトが起こる予想なのでは?
30年債の金利↑=住宅ローン金利↑=住宅市場↓を防ぐ狙いか?
QE1・2終了時に米国債は市場予想に反して金利は低下・債券価格は上がった。
ピムコのグロス氏が米国債をショートして負けたのは有名な話。
ただ、当時と環境は違いすぎるので今回の結果は不明。
私もリスクオフを意図的に起こす為の口先介入だと思います。実際にQE3を縮小出来るかは、又別の問題だと。
実際の長期金利が下落に転じていますが、一方で新興国が米国債を手放し始めると、金利上昇要因になります。私は上がったり、下がったりしながらも、金利はジリジリと上昇するのではと思います。
金融市場を一気に破壊する爆弾も、中国の破綻でも無い限り数か月は大丈夫そうですし、マネーを再び金利を求めてリスク市場にちょっとずつ戻るのでは無いでしょうか?
でも、何処かで何かが起これば、その時は・・・・ブラックスワンちゃんが現れるかも知れません。
ビス流免許皆伝の使い手バーナンキの中央銀行緩和縮小剣は、中国との立合で、肉を切らせて骨をたつのでしょうか?(>_<)
妄想が止みません。
問題は、何故、中国も足並みを揃えて緩和縮小に乗り出すのかという問題・・・オバマと習近平らの会談の報道されない部分が気になります。
習:「今回急いでアメリカに来たのは、ウチの金融問題での相談アルヨ。」
「前政権が、リーマンショック以後も景気を減速させたくないがために、影子銀行(シャドーバンキング)の拡大に目を瞑って、おいしいところだけ取っていったアル。その結果、今度の6月には償還となる理財商品が24兆円もあって、とても全部返せないアルヨ。」
「我国はアメリカの国債をいっぱい持っているので、これ売ってお金作るしかないアルけど、どうするアル?」
オバマ:「アメリカの国債は、今でも金利が上昇傾向なのに、Youの国が国債を一度に売り出したら、暴落してYouの国でも問題にされマースネ。」
習:「それならアメリカが中国の国債をFRBに引き受けさせてくれないアルカ」
オバマ:「アメリカも金融緩和で、株が上がっているのはいいのデスガー、ジャンク債がバブルになる悪影響が出て、BISさんからそろそろ潮時だというお叱りを受けたぐらいなので、それは無理デース」
「近々バーナンキさんには金融縮小の因果をのませて、9月には辞めてもらう予定デース」
「習さんもこのままだらだら金融緩和で問題を先延ばししてたら、習さんの責任で中国の経済が悪くなったように叩かれたら大損デースネ」
「むしろ、今の問題は前政権の怠慢だと主張できる今のうちに、膿を出し切って、一から金融改革するようBISさんに相談すべきデース」
習:「そうアルネ・・・前の政権が悪いアルのだからネ・・・毅然と対処するアルヨ」
などという妄想が夢に出るんですー(>_<)
そうそう、前政権の置き土産でしたね(笑)
中国は米国債を決して売っていない訳ではありませんが、額が額ですからね・・・。
どこもかしこもそろそろ潮時という感じですが、リーマンショック直後に、世界経済は持たせても5年なんて予測も沢山見かけましたから、頑張ったのでは無いでしょうか。
ここから先は、日本型の長期低迷を選ぶか、いっその事ガラガラポンを選ぶかの選択ですが、ガラガラポンをするにしても、皆が納得する理由が必要ですから、バーナンキにケツを拭かせて終わりという訳にも行かないですよね・・・。
しばらくはアメリカの出口戦略が最初から躓くところでもじっくり楽しみたいのですが、日本もこんなに景気が悪いと、商売も上がったりです。アジアも思い切り減速しそうですし・・・。
かくなる上は、東京オリンピックに期待です。世界がパニックしている時に、日本だけオリンピック気分・・・・これも結構ヤバイかも・・・。
一時からすると、最近、日本国債の金利は10年物で0.8%台で安定しているのですが・・・
日本国債のCDSは100にまでだいぶ上昇してきているのですが・・・
ブラックスワンが日本国債ってことは・・・(>_<)
経済が一番「歪んだ」所から崩壊するとすれば、日本国債はその最たる物の一つかも知れませんね。
尤もと、リスクオフの中で、各国国債金利が上昇している事自体、既に異常な事態だと思われます。
その中にあって、日本国債だけが、金利が小康状態で皮下と又違う金利の動きを示しています。もう、無理の塊といった感じなのかも知れません。
ただ、ここが崩れる為には、邦銀が国債を大量売却する必要があり、長期金利が2%に跳ね上がるなど、かなりインパクトのあるイベントが必要だと思います。
・・・多分、事の発端は海外発の金融危機で、それを着火点にして、リーマンショック以降積み上げてきた様々な歪みが修正不可能な事態の連鎖を生んでゆくのでしょう。
そして、皆が「仕方が無かった」と納得出来る状態が出来上がるのかも知れません。