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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

国家のエネルギー危機管理・・・感情的になる程、国家破綻すら引き起こす愚

2011-10-03 14:53:00 | 福島原発事故
 


■ 「LNT仮説」の意味を社会的に問うべき ■

私が原発推進論者と思われている方もいらっしゃると思います。

私の基本的な立場は反原発です。

3.11以前は、「放射線はとても危険」と考えていましたので、
「事故時の社会的損失と、将来に渡る廃棄物と廃炉コストを考慮すると、
原子力発電はコストに見合う発電では無い」
と、考えていました。

しかし、3.11以降、LNT仮説という考え方が、
放射線防護の基本である事を知るにつけ、
あるいは、LNT仮説が仮に正しくても、
福島の現状の汚染状況による健康的影響が、
他の発癌因子に対して十分引い事を知るにつけて、

「1mSv/年も危険ならば、震度6以上の地震で必ず事故を起こす
原子力発電は経済コストに見合わない発電なので不要だ」
という意見に変化しています。

一見、あまり変わらない様に見えますが、
「1(mSv/年)も危険」というのが科学的事象では無く、
政治的、あるいは法律的、あるいは人々の恐怖心から発する盲信であっても、
同様に原発の過剰経済負担と、被災者への過剰なストレスが発生するので、
原発は存在すべきでは無いと考えます。

「LNT仮説」の是非や、低線量域での健康被害の社会的影響が、
広く、科学的に議論され、事故時の対策も含めて
真に科学的で経済的にバランスが取れた対策が立てられるのであれば、
原子力発電は、安全性が高い新型炉から稼働させるべきだと考えます。

そして、廃炉は中性子による金属の脆化を考慮すれば
25年から30年が妥当だと考えます。

■ 二酸化炭素の排出量は確実に増える ■

世の中には「一方的に都合の良い事」は存在しません。

原子力を否定すれば、原油、天然ガス、石炭の使用料が増えます。

私は「二酸化炭素由来の地球温暖化仮説」を信じていませんが、
温暖化仮説を信じて、対策が必要と考える人達には、
原発の廃止は、二酸化炭素の排出量が増えるという、
不都合な結果をもたらします。

日本は二酸化炭素削減25%を鳩山政権時に公言し、
未だ京都議定書を順守しようとしています。

このままでは、日本は高いお金を出して、
他国から二酸化炭素の排出権を買わなければなりません。

■ 貿易赤字に転落した日本 ■

8月の日本の貿易収支は赤字です。
原発停止による原油、石炭、天然ガスの輸入増加の影響によると推測されています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110921-00000013-fsi-bus_all


現在は円高で、エネルギーの輸入コストは低く抑えられています。
さらには、全国的な節電で、夏場の使用電力量は例年よりも低下しています。
8月にはサプライ・チェーンの影響も緩和された頃ですが、
それでもエネンルギーの輸入コストの増大は、
日本を貿易黒字国から、貿易赤字国に転落させます。

日本の財政が崩壊しない要因に一つに、
日本が貿易黒字国である事が挙げられます。

原発が稼働せずに、現在よりもエネルギー使用量を減らせなければ、
日本は確実に貿易赤字国に転落し、
近い将来、財政が破綻します。

■ 1980年代の経済規模に我慢出来なければ、原発停止で国が滅ぶ ■

私などは2012年に世界同時経済破綻(財政破綻)が発生すると思っていますから、
いまさら日本の財政が崩壊すると言っても、どうでも良い事です。

しかし、日本の財政破綻を防ぎたいと本気で考えていらっしゃる方には、
原発を停止して貿易赤字が定常的になる事は、
絶対に避けなければならない事の一つでしょう。

原発を停止してもエネルギーの輸入量を増やさない唯一の方法は、
日本の経済規模を1980年代に戻す事です。
車の保有も、一家に1台以下が当たり前。
国鉄が全国くまなくカバーしていて、
地方のモータリゼーションは現在程進んでおらず、
エアコンは1家の1台あるか無いか・・・。
1980年代はそういう時代でした。

現在、この時代の経済規模にGDPが縮小したら、
多くの会社が倒産するでしょう。
そして、税収が激減し、社会保障費が増大しますから、
日本の財政はやはり早期に破綻します。

■ 中東有事が発生したら ■

さて、チェニジアに端を発した「中東の春」は、
中東全土に拡大し、イスラエルと中東諸国の近郊を脅かしています。

しかし、「中東の春」の最終目的はあくまでもサウジ王政の崩壊です。
アメリカが握る世界最大の産油国の石油利権こそが、
「中東の春」と呼ばれるニセ民主革命の目的です。

サウジで内乱が発生すれば、原油価格は高騰します。

原発など巨大プラントは一度停止すると、
運転の再開には時間が掛ります。

原発の再開に難色を示した知事達が、
再開に踏み切るには為の政治的ハードルは低くはありません。

■ エネルギー問題を甘く見すぎる国民 ■

日本国民の多くは、原発を廃止しても自然エネルギーで代替え出来ると考えています。
しかし、それは現実的には100%不可能です。

原発の廃止は、日本の財政破綻の遠因になるという発想は、
ほとんど持ち合わせていません。

国家のエネルギー問題は100年のスパンで取り組むべき問題です。


確かに原発事故は重大な事故ですが、
LNT仮説を正しいとしても、
福島の放射線被害の実際は(将来的な健康被害)、
報道されているよりもずっと小規模のものです。

まして100(mSv/年)以下の被曝が人体に影響を与えないのであれば、
武田先生の書かれている様に、福島の被害はほとんど存在しないのです。

■ 結局「ゆとり教育」のツケを払う国民 ■

本来、理系の学生を中心に、「放射線は本当に危険なのか?」という
論争が盛り上がっても良いのではと思っています。

しかし、その理系の学生が中心になてって、
ネットで放射線の恐怖を煽りたてています。

陰謀論に抵抗の少ない人達でも、
「KNT仮説」の不自然さには注意を払わず、
「政府や世界は放射線の害を隠しているに違いない」という、
安直な陰謀論に加担しています。

私には、科学的知識と論理思考の欠如、
そして真の債疑心が不足している様に見えます。
「ゆとり教育のツケ」を払わされているのだと・・・。

TVしか見ない老人や、科学的知識に乏しい方は別としても、
もう少し理系の学生さんや、企業の技術者には、
冷静になっていただきたいと思っています。






・・・・などと、ブログを書く事で、
イヤな仕事の提出から逃げている、本日の私です・・・。
(危機は必ず今夜中に訪れます)


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