本日の記事は少し不謹慎なので、お叱りは覚悟の上で・・・
■ 人口と経済成長 ■
リフレ政策の実験が日本で不調に終わり、クルーグマンもとうとう金融政策だけでインフレを達成出来ない事を認めています。
なんで経済学者は人口成長を気にかけるの?
1)日本の長期停滞は労働人口の現象が原因に見える
2)経済は「自転車」に似ていて、成長には「勢い」が必要だ
3)新規投資の需要を左右するのは経済の成長率であって,目下の産出水準じゃない
4)人口増加の鈍化によって成長が鈍れば,投資需要も減少する。
5)上記の理由から人口が減少する社会は永遠に近い不況に追い込まれる
6)この様な社会で投資を活性化させる為に十分に金利を下げるとマイナス金利が発生する
7)マイナス金利を避ける為には高いインフレ率が必要になる
8)高いインフレは「庶民の生活を苦しめる」というイデオロギーの問題に突き当たる
リフレ論者の敗北宣言の様な発言ですが、日本を例に取るならば、少子高齢化で成長率が低下した社会では金融政策でインフレを達成する事は相当に難しい。ただ、極端な金融緩和や財政拡大によって破壊的インフレを作る事は容易で、最後はこの手段に頼る事になるのでしょう。
■ 人口ボーナスと人口オーナス ■
何故、経済の継続的な発展に人口増加が効果的なのか考えてみます。
「人口ボーナス」と「人口オーナス」という言葉が在ります。
「人口ボーナス」とは若い人口が増えて税金や年金の負担世代が沢山居る状態の事。高度成長期の日本はこれに当ります。
逆に今後の日本の様に人口が減少してGDPの大きな部分を高齢者福祉が食いつぶす様な状況を「人口オーナス」と呼び、国家は衰退します。
結局、人口の多い少ないでは無く、人口動態がバランス良くて、ある程度の経済規模を支えられる人口を抱えた国家が長期的に反映するのだと思います。
■ 人口は少なすぎてもいけない ■
豊かさは「一人当たりのGDP]で判断すべきという意見も有るでしょう。これは尤もな事で、生産性が高く一人当たりのGDPの高い国では国民一人当たりの所得も高く、税収も豊富で財政も余裕があります。
ただ、アイスランドの様に国民が少なく教育レベルの高い国は一人当たりのGDPも高いのですが、社会に厚みが無いので、何かを切っ掛けに歯車が狂うと一気に衰退の道を歩む可能性が有ります。
これはシンガポールなども同様で、金融危機などで金融産業が衰退すると国力が一気に衰退するかと。こうなると食糧をほとんど輸入に頼っているだけに苦しい。
■ 高齢者が政治を支配する事で少子化が加速する ■
日本の人口動態がここまで悪化した原因は政府の無策ですが、選挙に行かない若者にも責任があります。高齢化が進んだ国家は選挙に足しげく通う高齢者が政治の支配者となりますからどうしても高齢者福祉が子育て支援よりも優先されます。
■ 豊になった国家は子供が減少する ■
以前、ロックフェラー財団などはプエルトリコやブラジルで人口コントロールの実験をしていました(子供を生んだ若い女性の避妊手術を推奨する)。しかし、人口抑制には「豊に
なる事」が一番効果的で、GDPが伸びるに従ってどこの国でも子供の数が減少しています。
これは育児や教育にお金が掛る為に子供の数が減る事が大きな原因となっています。日本のみならず、教育熱心な韓国や台湾などでも少子化が急激に進行しています。
ある程度の豊な生活を送る為には、お金の掛る子供の数が制約されるのです。
■ 増殖するヤンキー ■
面白い事に、言葉は悪いですがヤンキーの家庭は子沢山の傾向が或る様に思えます。これは結婚出産年齢が若い事も有りますが、教育にあまりお金を掛けないので3人位の子供を育てる事が可能なのかも知れません。
逆に高学歴の女性の場合、結婚、出産年齢が高く子供が一人、或いは子供が居ない世帯が多くなります。当然、子供に多額の教育資金と投じるケースが増えます。
ここからは私の妄想ですが、高学歴の人達が2世代の内に所謂ヤンキー系の方は3世代に達し、さらに増殖率も高い・・・。人口を増やすだけを目的とするならば「ヤンキー、チョー・カッケーーーーェ!!」という風潮を作り出せば少子高齢化問題の解決になるかも知れません。
■ 「誰もが大学に行ける社会」が国を滅ぼす ■
現実的には「誰もが大学に行ける」という制度の見直しが一番効果的かと思います。ヨーロッパなどでは大学資格試験が在りますが、日本も同様な大学資格試験を作り2割~3割の子供しか大学に行けない様にすれば、自ずと無駄な教育費が抑えられ子供の数も増えるかと。
現在の日本の多くの大学は、大学の体を成していない。AO入試や推薦入試を使えば名前さえかければ(お金さえ払えれば)誰でも大学に行けます。結果的に分数の割り算が出来ない大卒を量産しています。
東大生と言えども入学してしまえばバイトと遊びに明け暮れます。こんな所から国家の力は衰退して行くのでしょう。
■ 平均的な教育水準の向上が国家の成長に繋がらない ■
戦後、日本の教育は「平均的な学力の向上」を目指し、結果「詰め込み教育」が問題になりました。国家の主産業が工業の場合は、労働者の平均的な質の向上が生産性の向上に繋がります。QEサークル活動などを通じて、現場レベルでの改革が実現したのも労働者の平均的学力が高い事に由来します。
一方で脱工業化した社会では「突出したアイデア」や「先端の技術」が利益を生み出します。マイクロソフトやグーグルの様な企業は「平均」の中からま生まれません。ビル・ゲイツが大学をスピンアウトした話は有名ですが、ちょっとクレージーな天才が社会をリードする時代に私達は生きています。
■ 高学歴は結婚出来ない ■
少子化の主要因の一つに「結婚適齢期の男性の所得の低下」が挙げられます。「名ばかり大学」を卒業しても就職できるのはサービス業の場合が多い。飲食チェーンなどがそれに当りますが、店長を任されると夜も日も無く働かされて給料は低い。
22才で就職して30才になっても所得はあまり上がりません。これはサービス業の生産性が低い為で、それに嫌気して仕事を辞めてしまう人も大勢居ます。
一方、女性の高学歴化によって結婚相手のハードルは高くなっています。年収は少なくとも400万円以上でないと・・・というのが一般的な基準では無いでしょうか。
ところが、高校をヤンチャに過ごして、高卒で働きに出た様な人達は意外に収入が多い。真面目に仕事をすれば25才位にはいっぱしのお金を稼いでいます。この様な人達に魅力を感じる女性はあまり裕福な家庭で育った方で無い事が多い。結果的にそこそこの所得でも結婚相手として魅力的に見えます。
■ アメリカの人口を支える貧困層 ■
アメリカは日本と異なり人口が増えています。ベビーブーマーのリタイアで一時的に高齢化が進みますが、若い人口も多いので、人口動態の悪化は緩やかです。
この若い人口の多くは移民など貧困層です。アメリカの白人女性の妊娠率はマイノリティーのそれに比べて低い。アメリカでは白人などの富裕層の数は減り、一方でマイノリティーの数が増え続けています。
これは一国の中に支配的な先進国と、発展途上国が或る状況に近い。富裕層はマイノリティーを搾取する事で富を独占しているとも言えます。
■ ヤンキーが日本を救う ■
日本でも小泉改革以来格差が拡大しています。しかし、アメリカと違う所はヤンキーに誇りと元気が或る事。
先日、浦安で祭りが在りましたが・・・物凄い熱気でした。ヤンキー系の方達と神輿で肩を並べながら「ああ、これならば日本の未来は大丈夫だ」・・・そう思わせる何かがあった!!
つまらない大学を目指すより、誇り高きヤンキーを目指せ!!
そう学校で教えれば日本の未来も安泰かも知れません。当然教科書は「少年チャンピオン」
・・・・本日は悪乗りし過ぎですね。
【追記】
真面目な話として、日本は格差が拡大したとは言え、アメリカの様に「絶望的な格差」に達しては居ない事が強みかと思います。ヤンキー系の家庭の子供でも真面目に学校に通いますし、部活で汗を流して高校にも一応入学します(中退するケースも多いですが)社会もアメリカやヨーロッパ程は差別的では無く、ヤンキー文化を「カッコイイ」とか「粋」と感じる文化も持っています。
日本の未来には二通りの道が或るかと思いますが、一方は10%、1%の人が富を独占する欧米型の社会、もう一方は格差をそれ程拡大せずに皆がそこそこに幸せな世界。農耕民族でで「出る杭は打たれる」日本では、GDPが減少しても、皆がそこそこに幸せな社会が適していいるのかも知れません。
絶望的な格差が生み出すのは「貧困の再生産」です。日本がそういう社会にならないようにするにはどうしたら良いのか・・・。政治の「所得再配分」の役割は極めて重要です。
世界は少しずつ気付き始めていますが、貧困層に溜まったストレスはトランプやイギリスのEU離脱の様なガス抜きで臨界に達する事が出来ません。
こまわり君は昔読んでいました
女の子には哲学的な萩尾望都と歴史書で長岡良子さんの作品をお勧めします
るのに……」と思ってしまいます。
生まれてから20年(あるいは15年)間は生産に寄与しな
い、そして劇的な生産性は望めない生身の人間に投資す
るのは潔く諦めて、テクノロジーへの投資を増やしてほ
しいです。日本が生き残る唯一の道筋だと思います。
AI社会になったとき、それを扱える技術者がいなくて外
国から買うしかない状態になるのが一番悲惨です。
『がきデカ、なつかしいですね。「少年チャンピオン」
は「立原あゆみ」の任侠マンガが連載されていたり(絵
柄が少女マンガで表現も凄くナイーブ)変な雑誌ですよ
ね。ヤンキーマンガってそれなりの需要があるみたいで
作品も多いんですよね。
萩尾望都は天才ですよね。絵柄が少女マンガのそれmな
ので男性には読みにくいのですが、作品の内容といい、
作品の多さといい、驚異的な漫画家だと思います。
長岡良子は未読ですが、少女マンガは男性マンガよりも
進化が進んでいましたから凄い作家がゴロゴロしてます
ね。私は「くらもちふさこ」tご「吉田秋生」のファ
ン。
オオー目からウロコのご意見。確かに貧しい人が沢山居
ても国は栄えませんね。
EUでロボットの人権と犯罪に対する法整備の必要性が主
張される様に(浦沢直樹の『プルート』の様
だ・・・)、AIは確かに生産性を飛躍的に高める可能性
が有りますね。
スイスのベーシックインカムの国民投票の背景にはロボ
ットやAIに仕事を奪われる恐怖が存在しますが、日本人
がマンガやSFの世界と捉えがちな未来を、欧米人はかな
りリアルに捉えている様ですね。
現在のAIは「自律思考」には程遠く「プログラムによる
模擬的な思考」をする程度ですが、将来的にはチューリ
ングテストで人と区別が付かなくなる様になるのでしょ
う。
私などはオタクなので「AIは自我を持つのか」なんて事
が気になってしまいますが、現実的には在る程度の自律
思考が実現し、これにビックデータなどをリンクすれば
人間など太刀打ち出来なくなるのかも知れません。
・警察の締めつけが厳しい
・若者の貧困化で、バイクが買えない
・少子高齢化で、仲間が減る一方
ヤンキーも、
・寂しさをスマホで紛らわす人間が増えた
などの理由で、これからどんどん減っていくかもしれません(笑)
私は、AIが人間を超えることはないと思っています。
所詮、人間が作ったプログラムが元になっているのに、
どうして人間以上の存在になれるのか。
ただ、人間と同じ能力を持つことは可能でしょう。
AIは、今は「常識」を持っていませんが、
(常識は、人間が社会生活を送ることで身につけるものだから)
そのうち、AIが社会生活をシミュレートできるようなシステムが
作られれば、それも可能になるでしょう。
唯一、AIは人間の何万倍という速度で思考できるので、
人間より短時間で、人間と同じ能力を身につけるのは可能かと。
人間と同じことができて、それを何万倍ものスピードでこなせる……。
人間を超えた、と言えるのかもしれませんが(笑)
暴走族、確かにめったに見る事が無くなりましたね。バ
イク買えない・・・納得・・・。
AIが人間を超える存在と成り得るのか・・・ここら辺は
「自我」と大きく関係して来るのかと思います。現在は
「思考の振り」をするプログラムに過ぎないAIですが、
将来的に自己言及性と言うか、自分で自分のプログラム
を書き換える様なシステムが生まれて来ると爆発的に進
化が進む気がします。
尤も、それはとても怖いので、倫理規定を決めてAIにや
ってはいけない事を学ばせる必要が有るのでしょう。
「勝手に自我を獲得したAIがネットをジャック」なんて
SF的な未来に成らない為にもルール化は必要なのでしょ
う。
政府の負債を減らすと(流れる込む資産を増やす)
家計と企業に流れる資産は減ってしまう
各資産の流れの流量をIとおくと
I1+I2+I3+I4=0
小さなループのi1とi2を政府と日銀とすると
i1+i2=i3+i4
日銀は現金を負債とし国債を資産とする
人力様
アベノミクスはこんな感じですかね?
信用通貨制度は負債(借金)が通貨を生む制度ですよ
ね。民間や企業の成長力(=借金をする力)が鈍れば、
政府が借金を拡大して景気を維持するのが経済を失速さ
せないコツ。
但し、これにも限界が有って「政府の信用」や「通貨の
信用」を超えて政府は借金を増やす事が出来ません。「通貨=信用」ですから。
i1+i2=i3+i4のi1とi2はマイナス金利の現
在は無限に拡大出来る錯覚に陥りますが、実体経済の拡
大を伴わなければ通貨の価値が希釈化するだけの事。
ただ、通貨の価値は容易には失われないので、国民はテ
ールリスクを正確に判断する事が出来ません。これを利
用して景気回復の弾みを付けようというのがリフレ論を
用いたアベノミクスでしたが、庶民の所得が上昇しなか
ったので国民は踊りませんでした。(富裕層は資産価値
の増大によって利益を拡大しましたが・・・)
ております。
こういう層を増やしても職に就けずかえって社会的負担
が増えるだけだと思います。
私は逆で高所得層を対象にたくさん産めばその分所得税
を下げる政策で出生率を増やした方がいいと思います。
人口増、税収増一石二鳥です。
先進国では中間層が居なくなり、高額所得者と低額所得
者に二分されて行きます。アメリカでも日本でも「豊か
な中間層」は生産性の高い製造業に従事していました
が、空洞化の影響で国内の産業がサービス業主体になる
と、生産性の低いブラック企業が多くなります。
経営者や本社のスタッフは儲かりもすが、現場は非正規
雇用で回せるので、所得格差が広がります。
少子高齢化が進む日本では、低額所得の現場の人材から
不足が生じています。建築土木現場から顕在化した人材
不足は今や多くの飲食業や販売業にまで広がっていま
す。(安い人材の不足ですが)
ヨーロッパは日本に先駆けて人口動態の悪化や労働力不
不足を経験しており、これを旧植民地からの「移民」に
よって埋め合わせました。しかし、生活習慣の違う移民
は社会的な軋轢を生み、さらに移民の貧困が社会保障負
担を高める結果となりました。
日本は外国人研修制度という「都合の良い」時限性移民
政策を実施していますがパスポートを受け入れ企業が預
かり、低賃金で長時間労働させ、タコ部屋に押し込める
企業が多いので、現代の「奴隷制度」に近いとされ、ア
メリカなどから非難されています。ご存じの様に、受け
入れ企業から逃げ出す人達が後を絶たず、図らずもこれ
が都会の労働力に化けています。