■ シリアから撤退する米軍 ■」
米軍のシリア撤退を巡り、マティス国防長官が辞任する事となりました。表面的にはトランプ大統領が撤退を主張し、軍がそれに反対した構図。
多くの陰謀論者は、「トランプは軍産複合体と戦っている」と妄想するでしょう。しかし、トランプの一存や思い付きで米軍の撤退が決まるハズは無く、裏にはもっと大きな何かが隠されていると私は考えています。
■ もはやシリアに対外戦闘の国力は無い ■
アメリカや、それに使役されているイスラム国の目的はアサド政権の打倒と、米傀儡政権の樹立によるシリア支配でした。その目的はロシアによって達成していません。
一方、長引く内戦でシリアの国内は荒廃し、軍事施設も破壊されている為、最早シリアに対外戦闘を遂行する軍事的な余裕は有りません。仮に中東でイランとサウジアラビアが衝突する事態が起きても、シリアがイランに付いて積極的に戦闘を行う可能性は低い。
■ 中東で戦争が発生した場合、米軍が駐留していると不都合? ■
私はリーマンショック後の金融緩和バブルは、金融システムの破壊と通貨の信用危機をもたらすと妄想していますが、ドルの信用が揺らいだ時に、ドルの信用を担保する為に中東で戦争が発生すると考えています。
アメリカはシェールオイルでサウジアラビアを抜く、世界最大の産油国になっていますから、中東での混乱の影響は少ない。むしろ、原油価格の値上がりはシェールバブルを継続するには好都合です。
原油価格が値上がりすれば、石油を買う為に多くの国がより多くのドルを必要とし、ドルの価値が上がります。ニクソンショックで金兌換制度を停止した際にドルの信用を守ったのも、中東戦争によるオイルショックでした。
いずれにせよ、仮に中東でイランとサウジアラビアが衝突する様な事態になった場合、シリアに米軍が駐留していると、状況が複雑になります。シリア軍は米軍を足止めする為に、米軍と交戦する可能性は否定出来ません。
アメリカとしてはサウジアラビアを支援して、イランを徹底的に叩いておきたい所ですが、シリアやアフガニスタンに戦力が分散していては何かと不都合が生じます。
■ イラン VS サウジアラビア の戦争を予想する ■
どうせ当たらないとは思いますが、イラン-サウジ戦争の妄想など・・・。
2020年某月、サウジアラビアのムハンマド皇太子が暗殺されます。サウジアラビアはイランの仕業だと主張し、イランにミサイルを撃ち込みます。これに対して、イランはミサイルで報復すると同時に、ホルムズ海峡の封鎖を宣言し、海峡を通過するタンカーに威嚇の砲撃を仕掛け、海峡に機雷を敷設します。
世界の世論はイランはケシカランという方向に傾きますが、国連安保理ではロシアと中国の反対により、国連軍の派遣は否決されます。そこで、アメリカは有志の多国籍軍を編成してイランへの攻撃を開始します。
トランプ大統領はツイッターでこう呟きます。「無法者のイランに鉄槌を下す時が来た。テヘランのならず者達に神の裁きが下るだろう! イェイ!」
沖合の艦艇から大量の誘導ミサイルがイラン国内に発射され、軍事施設や政府施設が破壊を試みます。しかし、ロシアが配備した迎撃システムも有効に稼働し、破壊は限定的になります。
一方、開戦後にイスラエルはハマスとヒズボラを牽制する為に軍事行動を開始し、レバノンとガザ地区に侵攻します。これに対して、ハマスとヒズボラは大量のロケット弾をイスラエルに向けて発射します。
シリア、イラク、カタールなどは、サウジアラビアとイスラエルを「悪魔の遣い」と誹謗しますが、国内防衛を優先して、直接戦闘は避けます。
ここで戦闘は膠着状態となりますが、米軍主体の多国籍軍は地上軍をイランに投入します。これに対してイラン革命防衛軍や、イスラム過激派の一部が応戦します。アメリカとの経済的な関係が最悪になっている中国も「義勇軍」がイラン国内で戦闘に参加します。ロシアは正面戦闘は避けますが、軍事顧問をシリアに送り込んで、革命軍やゲリラを支援します。
さらにロシアの支援でイランはは飛行禁止区域を設定して、制空権を多国籍軍に与えません。プーチンはこう発表します。「アメリカは国連決議に反してイランに侵攻している。これは許されない。ロシアはイランの飛行禁止区域の防衛に本気で協力する用意がある。ちなみに「本気」と書いてマジと読む!!」
開戦直後にアメリカは自衛隊の派遣を要請します。安倍政権は国会で「ライフライン防衛法」を強行採決します。「我が国のライフラインである中東の石油を守る事は、防衛行為の一環であると考えます」「我が国のライフラインを守る為に戦う同盟国であるアメリカを支援する事は、集団的自衛権の範囲内だと考えます」・・・こうして、航空自衛隊と海上自衛隊は主に物資輸送を、陸上自衛隊は兵站路の警護を担当する事になります。
テヘランを目指す多国籍軍の地上部隊ですが、十分な航空支援が得られない状況で進軍は思うようにいきません。長く伸びた補給路はゲリラ攻撃に晒されます。ロシアや中国から支援を受けたイランの抵抗で戦闘は成果も無く長引きます。
一方で、原油価格の上昇でインフレ率が上昇した西側諸国では厭戦機運が高まって行きます。そろそろ和平を結ぶ頃合いでは無いかとの社説が新聞で載る様になります。そして、トランプがツイッターでこう呟きます。「戦果は充分にあった。我々はイランに勝利した! イェイ!」。
多国籍軍はテヘランを陥落させる事も出来ずに撤退を始めます。後には米国と、中露の対立が残ります。こうして、新たな冷戦時代に突入し、世界は多極化の時代を迎えたのです。
世界の目がイランに集まっている裏で、イスラエルはハマスとヒズボラを徹底的に叩いたとさ・・。
・・・という妄想に耽っています。
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