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アベノミクスに便乗する日銀・・・円キャリートレードの復活

2012-12-25 17:33:00 | 時事/金融危機
 

■ ベストフレンド ■


バーナンキ だいぶアベにやり込められているみたいじゃないか。

シラカワ  まあ、今はいい格好をさせとけばいいですよ。

バーナンキ ところで相談なんだが、少し円を手配してくれないか?
      市場が儲けを出したがっている。

シラカワ  それでは、ヘッジファンドに少し円を流しましょう。

バーナンキ 為替は円安に振っておこう。とりあえずは85円を目途にしよう。

シラカワ  完璧です。

バーナンキ 「アベノミクス」という言葉を考えたんだ。

シラカワ  パーフェクトです。これで円安の手柄はアベのものになります。

バーナンキ マスコミと世間にはそう思わせとけばいいさ。

シラカワ  ところで、もう少し金利差が無いと効果が薄いですね。

バーナンキ そうだな。日本の老人達は臆病になってるからな。

シラカワ  この所の資源国通貨の下落も効いてますし・・・。

バーナンキ それじゃあ、もう少し円安に振ってみようか?
      100円前後なんてどうかな?

シラカワ  輸出企業は喜びますが、原発が稼働出来ない状況では危険ですね。

バーナンキ 確かに、経常赤字なんて事になれば、日本国債を売るヤツも出て来るな。

シラカワ  まあ、その時は日銀の力を思い知らせてやりますが・・・。

バーナンキ 日本がパートナーで良かったよ。


■ 円キャリートレードの復活 ■

安倍氏の発言が「円高」と「株高」を演出したと報道されています。

しかし、その実態は「円キャリートレード」の復活に過ぎないかも知れません。
日銀は海外のヘッジファンドに緩和資金を供給する事を発表しています。
国内の金融機関では、日銀の当座預金にブタ積になるばかりだからです。

1) ヘッジファンドが低利の円を調達
2) 金利の高い国の通貨を円で購入して金利を稼ぐ
3) 円売りにより、円安を誘発

4) 海外市場で売られた円が日本株を買い上げる
5) 日本株が値上がりする

ヘッジ系は、ある程度株が値上がりしたら、
一度利益を確保する為に日本株を売るでしょう。
1万円を超え、新年で日本の金融機関がオトソ気分の頃に売りを仕掛けるのでは。
日本は、新年のご祝儀相場ですから、喜んで海外の売りを消化するでしょう。

■ 円安はどのくらいまで進むか ■

今回の円安は120円台まで行くでしょうか?

多分、物価が極端に値下がりしている今の日本で、
120円台の円安、結構キビシイかも知れません。
流通業や素材・部品産業など、不景気で価格転嫁が難しいので、
業績が一気に悪化する恐れがあります。

原発が停止して、燃料輸入で貿易赤字が拡大している事も考慮すれば、
90円台後半くらいが、円安の限界では無いでしょうか?

■ 輸出産業は一息付けるが復活には程遠い ■

輸出産業は円安で一息付けそうですが、
前回の円安局面と比べ、新興国も製品の性能が向上しています。
多少の価格差の縮小では、日本製品の劣勢は挽回出来ないでしょう。

逆に、家電メーカーは白物家電も携帯電話もカメラも海外生産に移行しています。
円安によって、国内メーカーのこれらの商品が価格上昇圧力が生じます。

下手をすれば、円安によってメーカーの利益が圧迫されるかも知れません。
庶民も、値上がりが生じれば、個人消費がさらに低迷する結果となります。

■ 食費の値上がりは庶民を苦しめる ■

長く続くデフレで私達は安い価格に慣れてしまいました。

円安は小麦やポテトや大豆、食用油用の穀類、食肉、家畜飼料の価格上昇を伴います。

今年のアメリカはコーンが不作なので、既に食用油は値上がりしています。
さらなる値上げが家計を苦しめるかも知れません。

■ 外需が縮小した日本は円安のメリットとデメリットが拮抗 ■

経団連をはじめ、輸出産業は円安を渇望しています。
海外で資産運用をしている様なお金持ちの方も円安は歓迎でしょう。

一方で、外需依存率が低下している現在の日本では、
円安のメリットとデメリットが拮抗するでしょう。

確実に予測されるのは、輸入物価の上昇がインフレ要因となる事。

輸出企業の若干の業績の改善(賃金は変わらず)と、
物価インフレをして、「景気が上向いた」と宣伝されるかも知れません。
実際に発生しているのは、悪性インフレに近いものですが・・・。

これは私達庶民の生活を苦しめます。

■ なんだか、リーマンショック前夜に似てきた世界 ■

緩和マネーによる過剰流動性が様々な市場を徘徊しています。
ダウや日経を買い上げ、さらに現物市場に流入する勢いです。

景気が減速する一方で、原油価格は80ドル付近で踏みとどまっています。
QE3や日銀の緩和の影響が顕在化すれば、
再び、金や原油市場が上昇し始めるかも知れません。

一方で、世界はリスクから目を逸らす事が出来ません。
何かの切っ掛けで、資金逃避が起こり易くなっています。

アメリカの景気は2013年に上向くという予測も見られますが、
どうやら、それは偽りの回復の気がしてなりません。

日銀やFRBの本気度にもよりますが、
2007年前のプチ景気回復局面が2013年の前半のトレンドとなり、
後半で失速して「やっぱり・・・」という失望を味わうのでしょうか?

来年の事を書くと鬼が笑いそうですが、(読者の皆さんにも後から笑われますが)
来年もブログのネタには、事欠かないと思います。

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