人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

アニメよ今年もありがとう・・・極私的ランキング

2018-12-31 12:04:00 | アニメ
 

皆さま、明けましておめでとうございます。

似非経済論と陰謀論に満ちたブログですが、
多くの方達が毎日ご覧になって下さる事を励みに
今年も、妄想を垂れ流して行く所存であります。
どうか、本年もよろしくお願いいたします。


さて、新年の企画と言えば・・・


今年もやって参りました。2018アニメ、極私的ランキング。

昨年は傑作アニメの目白押しでメジロ牧場状態。

それではランキング・スタート!!

<TVアニメ版>


第1位 『宇宙よりも遠い場所』


『宇宙よりも遠い場所』より

傑作アニメ続出の2018年、TVアニメではこの作品が群を抜いていました。オリジナル作品で中だるみもする事無く、最後もキレイにまとめてみせた花田十輝の脚本も光りますが、なんといっても「いしづかあつこ」の絵作りにシビレました。

10年に1作、出るかどうかというレベルの大傑作です。我が家では、船橋港に停泊している「初代しらせ」の船内見学ツアーに妻と娘と共に行ってきました。

このレベルの作品になると、最早、実写ドラマは全く太刀打ちできません。


第2位 『ヒナまつり』


『ヒナまつり』より

原作を褒めるべきなのかも知れませんが、アニメは演出の「呼吸」が最高でした。並みのお笑い芸人では、この作品の面白さには敵いません。ギャグアニメでは久々の大傑作です。本来ならばマドンナ(若い人には分からないかな・・・寅さんの憧れの人的な女性)のハズの詩子さんのゲスさがイイ!!


第3位 『BEATLESS』



『BEATLESS』より

昨年のベストにこのアニメを挙げる人は先ず居ないと思いますが、難解な原作を、よくぞアニメにしてくれた。原作を読むきっかけを作ってくれただけでもランキング上位に入る価値はあります。オタクアニメ専門のディオメディアが相当無理をした様で、『SHIROBAKO』の「万策尽きた!」のモデルとなった水島精二監督が、本当に万策尽きて残り4話を残してTVの放映終了。それでも、時間は空きましたが、しっかりTVで最終話までの放送枠を確保した執念には頭が下がります。

内容は人工知能が人間の能力を超えてしまった近未来、人と機械とがどう付き合うべきかを徹底的に問い詰める。アニメは原作にかなり忠実ですが、会話のペースで進行するアニメだと内容が理解出来ないのが残念な所。アニメで興味を持たれた方は是非原作をお読みになられる事をお勧めします。昨年一番泣かされた小説です。(「金魚姫」にも泣かされましたが。)ちなみにレイシアちゃんは俺の嫁。




第4位 『恋は雨あがりのように』



『恋は雨あがりのように』 より

冴えない中年のファミレスの店長に恋をした女子高生のお話。原作はビックコミックスピリッツで連載されていた様ですが、電車の中で中年オヤジがし思わず「胸キュン」しちゃうピュアーなラブストーリーです。大泉洋と小松菜奈のコンビで実写映画化されていますが、こちらも必見です。二人とも原作から抜け出して来たと思える程のはまり役。店長の友人役の戸次 重幸と大泉洋の北海道の劇団コンビの演技が光ります。


店長がしっかりと大人として、女子高生の恋心に正面から向き合い、大人として彼女の成長の糧となる、内容的には非常に真っ当なストーリ。「据え膳喰わぬは・・」なんて考える様な不純なあなた、この作品を正座して見るべき!!心が浄化されます。


第5位 『バイオレット エヴァー ガーデン』


『バイオレット エヴァー ガーデン』より

バイオレットちゃんは俺の嫁!!  以上!!



第6位 『あそびあそばせ』


『あそびあそばせ』 より

『月がきれい』の岸誠二と柿崎優子のコンビ。中学生の胸キュン初恋ストーリの『月がきれい』とは対照的なブラックな笑いに満ちたギャグ作品ですが、女の子の可愛さを描かせたら、このコンビの演出は本当に上手い。プレスコ(せりフ先取り)ならではの間や空気感ですが、声優さん達のペースで会話が進行するので、会話が走れば尺が余ります。だから、最後に謎の人形劇を入れて無理やり尺を合わせているのがミソ。


第7位 『働く細胞』


『働く細胞』より

「人間の体の中では37兆の細胞たちが毎日一生懸命に働いています。」その一個一個の細胞を擬人化して、それぞれの役割を仕事として描いた原作の勝利ですが、アニメ版も非常に出来が良い。下手な生物の宣誓がつまらない授業をするよりも、余程分かり易い。医大を目指す皆さんは必見です!!

これも柿崎優子が脚本ですね。


第8位 『若おかみは小学生』


『若おかみは小学生』より

劇場版があまりにも素晴らしいので、TV版がかすんで見えますが・・・どうして、どうして、TV版もなかなかの出来栄え。実質12分にしっかりと起承転結が有り、オーソドックスながらも結構楽しめる作品です。朝の連ドラのグダグダを見せられると、この脚本と演出の素晴らしさが良く分かります。さすがは横手美智子。映画版の吉田玲子とは一味違う職人技が光ます。

第9位 『ウマ娘 プリティーダーヴィー』


『ウマ娘 プリティーダーヴィー』より

競馬の往年の名馬達を擬人化(ウマ娘化)して、競馬場を走らせるというトンデモ・ゲームのプロモーションアニメですが、実際には戦う事の無かった名馬達の対決に心熱くする競馬ファンが続出。サイレントスズカの骨折シーン涙したファンは多いはず。

アイドルもののアニメは苦手ですが、これなら許せます。スぺちゃん、カワイイ。


第10位 『プラネット・ウィズ』

『プラネット・ウィズ』より

一部に熱心なファンを持つ漫画家の水上悟志にオリジナルのネームを書かせて制作されたアニメ作品。下手な脚本家にオリジナル作品を書かせるよりは、良い作品が出来る事を証明したと言えるでしょう。人気のマンガ原作が奪い合いの時代に、原作マンガを青田買いしてしまうという作戦。

宇宙人が猫だとか、犬だとか、ツッコミ所は沢山ありますが、とにかく展開が熱い!!声優が渋い!!

『グレンラガン』が好きな人にお勧め。


第11位 『やがて君になる』

『やがて君になる』より

この作品にしてベスト10圏外とは、いやはや2018年は本当に豊作でした。

誰かを好きという感情が希薄な女子高生が、先輩の生徒会長から告白されて少しずつ好きを理解し始めるお話。ただ・・・生徒会長は女性だったのです。ユリ漫画のヒット作を花田十輝脚本で本気のアニメ化。

「生物学的な異性への好意」とは別の、同姓への性的欲求の希薄な好意は一種の共依存の関係である・・・その微妙なバランスの機微をこんなにも見事に描く事がアニメでは可能だと知らしめる作品。

LGBT問題が世間で話題になっていますが、オタク諸氏はBLやユリなど従来から性差に鷹揚です。だから、こんなナイーヴな作品でアニメでは描けてしまいます。『響けユーフォニアム』の山頂のシーンの裏にそこはかと無く漂う同姓同士の好意の気配を、同じ脚本家が丁寧に1本の作品に仕立てた通好みの一作。

オープニングの花の演出が、俺ガイルの一期のOPを彷彿とさせます。



第12位 『SSSS.GREDMAN』


『SSSS.GREDMAN』 より

円谷プロの93年の実写作品をTRIGGERが本気のアニメ化。脚本は戦隊ものの名手、長谷川圭一。アニメーター出身の監督だけに動きへの執着は素晴らしものがあります。まさに実写版の重量感をアニメで再現しています。

作画のカロリーを戦闘シーンに全振りしている感じですが、とにかく特撮ファンならば涎が出るようなシーンや展開が目白押し。原作と繋がりを持ったバーチャルワールドの話である事が最後に明かされますが、実写シーンで終わるラストなど、その演出も秀逸。

私的には終始謎の存在だったママさんが気になって仕方が無い・・・。


第13位『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢をみない』


『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢をみない』より


一言だけ言わせて下さい。俺のカエデちゃんを奪ったやつはブタ野郎です!!

『JUDT BECAUSE』でリアルな高校生達の見事な群像劇を作り上げた鴨志田一のラノベ作品のアニメ化。これを観ていると、どうしても『やはり俺の青春ラブコメは・・・』・・・を見返したくなるのは息子も同じだと言う。TV版のラストでカエデちゃんが小町ちゃんになってビックリ。きっと「華楓的にポイント高い」とか言いそう。

クライマックスを劇場版に持って行く辺り非常に腹立たしくはあるのですが、カエデちゃんの消失シーンは、本年アニメでは屈指の出来栄え。こんなに泣いたのは・・・アルジャンノンが消失して以来か(小説ですよ)。


第14位 『ゾンビランドサガ』

『ゾンビランドサガ』より


マンガの『ヴィンランドサガ』の語感から着想したとしか思えないタイトルです。多分、佐賀県盛り上げるアニメ企画があって「佐賀、佐賀って言っても何が有るの・・」なんて会議で皆が頭を悩ませる中で出「佐賀・・・サガ・・・サーガー・・・ヴンランドサーガ・・・ゾンビランドサガ!! これだーーー!!」て感じだったのでしょう。(妄想です)

ゾンビになったかつてのアイドルや女子高生や暴走族や天才子役や花魁や山田たえが、ご当地アイドルグループを結成して佐賀を救うというお話。1話~3話までのゾンビネタが最高です。失速するかと思いきや、最後までフルスロットルでした。「はい、おまいら、拍手ぅぅーー」



第15位 『キリングバイツ』


『キリングバイツ』 より

ジャンジャンジャンジャン、ジャンジャンジャジャ!!今でもOPが蘇ります。アニメらしいアニメで、実は大好きです。第二期、期待してます。



第16位 『刻刻』


『刻刻』より

TVドラマや映画で、現在、こんなに面白いサスペンス物は無いのでは。原作を褒めるべきですが、アニメもなかなかの出来。爺さんの活躍が、高齢化の日本を象徴しています。

EDの梅津絵だけでもポイントは高い!!



第17位 『はねバド』



『はねバド』より

感情を扱う演出の不安定さが気にはなりますが、試合シーンの作画だけでランクイン。


第18位 『ゴブリンスレイヤー』

『ゴブリンスレイヤー』より

食傷気味の異世界物ですが、倉田英之シリーズ構成、脚本が黒田洋介ともなると凡百の作品とは一線を画しています。全話の中で一番よかったのが総集編というのが又素晴らしい。エログロにばかりが話題になる作品ですが、じっくりと腰を落ち着けて観るべき重量級の作品です。


第19位 『ちおちゃんの通学路』

『ちおちゃんの通学路』より

こういう作品があるからアニメは楽しいんだよ!!


第20位 『デビルズライン』




目の下のクマがセクシーでランクイン。結構、胸キュン作品です。


イヤー2018年は恐ろしい年でした。この他にも『僕のヒーローアカデミア』や『ゴールデンカムイ』もランクインさせたいのですが、一応、20作品とします。






<原作が好き過ぎて観れなかった作品 >

『BANANA FISH』


『BANANA FISH』より

原作にあるヒリツク様な焦燥感や、ナイフを首に当てられた様な緊張感がアニメではどうしても出ない。アニメは一定のペースで時間が流れてしまうので、相当に上手い演出で無いと、ただストーリーを追うだけの作品になってします。

これが片淵監督だったら、名作は確実だった。


『ピアノの森』



かつての劇場版よりも原作に近い肌合いで、小学生編は楽しめましたが、その後は便所姫やレイちゃんの出番が減るので、原作でもコンクール編はちょとダレ気味。アニメ化ならではのメリットは音楽が聴ける事ですが、それが感動に繋がらないのが残念認定の理由。まあ、演奏シーンのトンドモCGだけで観る気が失せてしまうのですが。アニメだからって動かす必要は皆無なんだよ!!ガイナックスさん、責任取ってよ!!


<ネットアニメ編>

『DEVILMAN crybaby』

『DEVILMAN crybaby』 より

デビルマンは何度かアニメ化されていますが、世界の湯浅監督のデビルマンは一味違います。これを観ずして今年のアニメを語るべからず。原作の復刻にも感謝です!!



<劇場アニメ編>


映画『若おかみは小学生』


映画『若おかみは小学生』より


もう語り尽くしました。後は「DVDでも良いから観て下さい」と懇願するのみ。ポストジブリを捜して業界が迷走する中で、真面目に作った作品からポストジブリが飛び出して来ました。2018年、アニメ界の収穫です。

『映画批評』の「みうらじゅん」のコラムが笑えます。ピアの映画のチラシを選ぶコーナーと対で読むと爆笑。



『ペンギンハイウエイ』



『ペンギンハイウエイ』より

2018年は「おねえさん」と「グローリー水領様」が降臨された年としてアニメファンの心に深く刻まれるであろう。

『若おかみ』さえなければ今年のベストは確実だったのに。原作は森見登美彦のジュブナイル小説。


さてさて、あまりにも豊作な2018年でありました。
厳しい環境の中、名作、傑作を生み出している皆さま、本当にありがとうございます。


2019年の日本アニメにとって実り多き年である事を期待しております。



最期に読者の皆様。
本年も「人力でGO」を宜しくお願いいたします。

「一生もの」の自転車を作る・・・究極の自転車

2018-12-31 05:21:00 | 自転車/マラソン
 




■ 自分にとって究極の自転車とは ■


自転車を趣味とする者ならば誰でも「究極の自転車」が欲しい。

しかし、一言に「究極の自転車」と言っても人それぞれです。「ツールドフランスでプロが乗る自転車が欲しい」という人も居れば、「ツーリングを楽しめるクロモリバイクをビンテージパーツで組みたい」という人も居るでしょう。

では私にとっての「究極の自転車」とは何か。それは「鉄の自転車」です。それも、ただのクロモリ自転車では有りません。

1) シングルスピード

シングルスピードというのはギアの付いていない自転車。要はママチャリと一緒。ただ、スポーツバイクですから、むしろ競輪の自転車に近い。ただ、競技用の自転車は固定ギアですが、絶えずペダルが回り続けます。下り坂では足が強制的に高速回転させられるので、登りよりも下りがキツイ。

さらに、固定ギアは足を止めてしまうと、ペダルが足を突き上げて体が前方に吹っ飛ばされそうになります。長距離ライドで脳が疲れて来ると、足を止めてしまってヒヤリとする事もしばし。

ですから私的な究極のシングルスピードは、固定ギアでは無く、フリーコグ付き(ママチャリと一緒)がベストです。


2)クロモリのメガチューブのフレーム

クロモリというのは自転車用の強度の高い鉄の合金でクロームとモリブデンを含有しています。一般的にはホリゾンタルフレームで細いパイプで組まれたものが多く、車体のシナリとペダリングのタイミングを合わせると楽に高速で走れます。

しかし、私は柔らかいクロモリバイクは苦手です。同じ鉄でもレイノルズ853(マンガンモリブデン鋼なので正確にはクロモリではありません)の様に硬い乗り味のバイクが好きです。私が持っている自転車の中では、通常よりかなり太いパイプで組まれたRALEIGHのオールドMTBのフレームが好きです。

ロードバイクでも、極短い期間クロモリの極太パイプの自転車が登場しました。しかし、鉄の太いパイプは重いので、より軽量なアルミにその座を奪われ、さらにカーボンの登場でクロモリのメガチューブはほとんど利用されなくなります。

今では、「細いホリゾンタルフレーム=おしゃれ」という感覚でクロモリフレームはチョイスされるので、メガチューブの需要は皆無です。ただ、鉄フレームを愛する競技者が、オーダーバイクでデッドストックのメガチューブを選ぶ事がある。


「シングルギア+クロモリ+メガチューブ」の私的「究極自転車」はフレームをオーダーしない限り入手困難です。


■ 夢のフレームが8500円で手に入った ■


ところが・・・先日、ヤフオクを眺めていたら、クロモリメガチューブのシングルエンドのフレームが出展されていました。カナダの自転車メーカーのKONAの「the rat」の新品です。2010年頃の製造の様です。

開始価格の8500円で入札したら、なんとその金額で落札してしまいました。サイズも私にピッタリの54cm。

■ ヘッドパーツが入らない!! ■



せっかくのクロモリフレームですからパーツはシルバー系を使いたい。先ずはヘッドパーツですが、1インチのアヘッドのパーツはほとんど選択肢が有りません。そこでヤフオクで CANE CREEKの廃盤品,S6の新品をゲット。1万円で・・・フレームよりもヘッドパーツが高価。

いざ、ヘッドパーツを圧入しようとしたら・・・入りません。フォークのコラム径はITA規格でしたのでヘッドチューブもITAの内径30.2mmだと思い込んでいたのですが、何ヘッドチューブはJIS規格の30mm。たった0.2mmの差ですが、自作の圧入工具ではピクリとも入りません。

ネットで対策を調べると、JISとITAの両方のヘッドパーツを出している製品をれぞれ1個ずつ買って、ITAのクラウンレースだけを流用すると有ります。TANGEのDLというヘッドパーツでこれが可能。運が良い事にクラウンレース(460円)だけも補修パーツで入手可能。

注文から1週間程してクラウンレースも届いたので、いざ圧入・・・入りません。上ワンも下ワンも自作の圧入工具では斜めになってしまい、どうしても真っすぐ入りません。さらに、斜めに入ったまま抜けなくなった・・・最悪です。

仕方なくワンリムーバーとうう専用工具とヘッドワン圧入工具を購入。一生に一回しか使わないかも知れない工具なのに結構良いお値段です。しかし、流石は専用工具です。斜めに入ったワンは一発でスポンと抜けました。圧入工具に至っては感動もので、スルスルと上ワンと下ワンを同時に入れる事が出来ました。これは良い買い物をしました(1回しか使わないけど)。

ところがです・・・今度はクラウンレースが入りません。ノギスで図ると26.5~26.6mm。これもITA規格よりも0.1mm太い様です。ネットではクラウンレースは内径30mmの塩ビパイプでたたき込めるとありますが・・・無理。そこで、1回しか使っていない購入したばかりのワンの圧入工具を利用してみる事に。オオーー何だか入って行きます・・・あれ、でも斜めになって来た・・・。パキ??!!。慌てて工具を外すと、金属のクラウンレースが割れていました。

一応、補修パーツのクラウンレースを再度2枚発注しましたが・・・これ、専用工具でも割れそうな気がします。TAIWAN製のフレーム、精度悪すぎ・・・。

そこでふと閃きました。専用工具ならばJISのヘッドチューブにITAのヘッドパーツを圧入できるのでは無いか。自転車屋さんは「大きな声では言えないけど、僕らは結構やっちゃってます」って言ってたし・・。

そこで、取り付けたばかりのTANGEのヘッドパーツを外します・・・外れない。ネットで買ったワンを外す工具、1インチと1-1/8インチ対応って書いてかるのに、1インチのワンを上下嵌めると、ワンの内径が小さすぎて穴に入りません。そこで、仕方なくマイナスドライバーで叩き出します。買ったばかりの3200円のヘッドセットが傷だらけに・・・(涙)。

片側が外れれは、そこからワン外し工具が入ります。もう片側は簡単に、キレイに外れました。

さて、内径30mmのJISのパイプに30.2mmのITAのヘッドセットは圧入できるでしょうか?・・・拍子抜けする程、簡単に入って行きます。さすがは専用工具です。買って良かった!!(そのに2回も使た!)

これで最初の計画通り、ケンクリークのヘッドセットが使えました。何故こんなに苦労してまでケンクリークなのかって・・・だって、あのトカゲのエンブレム、カッコ良すぎでしょう!!

銀色に輝くヘッドセットに合わせて、ステムもシルバーに。走行中のステムのボルトが折れた経験のある私は、ステムには拘ります。やはり、ここは made in America のThomsonでしょう。ヤフオクで程度の良い品をゲットしました。

アルミブロックから削り出されたThomsonのフォーク、切削跡が少し残っている所がタマリマセン。鋳造品とは違うのだよ!!



■ ハンドルと一緒にキノコも注文したよ? ■


ヘッドパーツとステムがシルバーなので、ハンドルも順当に行けばシルバーですが、それだとクラシカルに寄り過ぎるので、ここは黒をチョイスします。

ここも made in America の RITCHEY をチョイス。新車外し品をヤフオクで2500円でゲット。でも出品者の住所が岩手県です。送料が1500円って勿体ない。何か同梱出来る物で良さげなものを出品していないかと探すと、自転車のパーツに交じって「乾燥香茸(コウタケ)50g」なんてのが有ります。

ネットで調べたら「松茸以上の香りを誇る幻のキノコ」とか「フランスの高級食材」などと書かれています。3000円の値段も、ネットの業者の価格よりは割安です。うーん、幻のキノコ、食べてみたい・・。ポチットな。

はっきり言います。私、ハンドルよりも香茸の到着を楽しみにしてしまいました。ちなみに香茸は下の写真の様な形をしています。乾燥するとより香が強くなるとか。




焚き込みご飯にしてみました。1傘だけしか使いませんでしたが、家中に香茸の匂いが充満しました。・・・ポルチーニに近い様な・・・。私、断言します。香茸、マジ最強・最高っス!!

■ ブレーキレバーもトカゲマーク ■

問題はブレーキレバーです。ピスト用のブレーキレバーは絶滅危惧種に指定されています。トカゲマークの CANE CREEK もキャリパー用のレバーは廃盤です。

そこで、中古ショップをネットで徘徊して、アルミ色のレバーをゲットしました。ラッキー!!



■ クランクは自転車の顔だよね ■



次はクランクです。これは大事。だって「自転車の顔」ですから。

トランプ大統領の顔を立てて、made in Amerika のSRAM OMNIUM にしようかとも思いましたが、これは以前使っていました。剛性は高いのですが、ちょっと硬すぎる感じもしました。

そこで、今回はイタリアーーンな MICHE を選択。チェーリングが削り出しというのがポイント。敢えて剛性がそこそこのスクエアーテーパーのモデルにします。国内よりは海外通販が圧倒的に安い。Wiggleで国内の半額程度で手に入りました。

2週間程で日本に到着。しかし、海外通販の梱包ってスゴイですね。クランクが箱の中で固定されずにカラカラ音を立てて当たっていました。神経質な人は海外通販向いていないかも・・・私は大丈夫です。


■ フリーコグと言えばホワイトインダストリーズ ■



今回は固定ギアにはしないのでフリーコグが必用です。フリーコグも made in America でトランプさんの顔を立てます。 Whiteindusetrys社製のコグは精度が高い事で有名です。以前はシマノを使用しましたが、走行中、カッタカッタカッタと音鳴りがして不快でした。

値段はシマノの3倍以上ですが、寿命も長い様なので、思い切って使ってみます。

Whiteindustrys社のコグ、神です。固定ギアで走っているのでは無いかと錯覚してしまいました。無音でスムース。そしてパワーが無駄なく伝わる感じがヤバイです。そして、足を止めた時のカラカラと乾いたラチェット音も最高です!!


■ 手組ホイールの代名詞、マビックのオープンプロ ■

さて、足回りはどうするか。そうだ、今回は手組ホイールにしてみよう。

以前、完組のグランコンペとマビックのエリプスを使いましたが、エリプスは硬くてゴロゴロした感じが苦手に感じました。シングルスピードはトップスピードが制約されるので、スポークの空気抵抗をそれ程意識しなくても良いでしょう。むしろ、スポークの数が多い方が、縦にしなやかで横に剛性の有るホイールになって乗り易いのでは?

ショップでグランコンペのハブとマビックのオープンプロのリムの商品を見付けました。程よいシルバーの分量がGOODです。(パーツは見た目が命です!!)

■ 後輪のクイックリリース化・・・結果的にはナットに戻した ■

実はグランコンペのハブにした理由は「クイックリリース化」。一般的なシングルスピードの自転車は、ホイールの固定はナットで行います。チェーンの張りをタイヤを前後にスライドして行うトラックエンドでは、チェーンに引っ張られてホイールが前方にズレる可能性が有ります。ロードバイクで使われるクイックリリースでは、固定力が弱いので普通はナットでしかりと固定します。

しかし、ロングライドなどでは出先でパンクした時の為に15mmのボックスレンチを携帯する必要があり不便です。競輪の選手も街道練習用のホイールはクイックリリース用に改造したりしています。

以前、クイックリリース化に挑戦しようとして購入したグランコンペ用のクイックセットが手物に有るので、ハブ軸を中空シャフトに交換してみました・・・・。

結果・・・私のフレームはエンドがBMX用なので、チェーン引きがエンドの内側に掛かりません。(競輪用の認定フレームは、チェーン引きを掛ける為にエンド幅に3mm余裕が有ります)無理をすれば内側に掛けられますが、エンドに無理な力が掛かって精神衛生的によく無い。さらに、チェーン引が動き難くなるのでミカシマのチェーン引きの細いネジが壊れそうで怖い。

仕方無くチェーン引きを外側に掛けると・・・チェーン引きはクイックリリースのレバー軸に掛かる事になります。3mmの軸に結構大きなせん断力が掛かるので、これに命を預けるのは不安です。結局、ナット式に戻しました。(ベアリング交換の練習にはなりました。)


■ ブレーキが合わない ■




シングルスピードのフレームは不便です。ブレーキの使用を前提としていないので、ブレーキを取り付ける穴が開いていません。幸い、フロントフォークにはブレーキ穴が隠れていましたが(パテで埋めて塗装してありました)、リアのアーチにはブレーキを取り付けられません。そこで、一般には写真の様なプレートでシートステイにブレーキを挟み込んで固定します。

シートステイを連結するパイプを逃げる必要が有るので、ブレーキの取り付け位置は通常より上か下になります。上に付ける場合、たいがいブレーキアームの長さが足りなくなるのでロングアーチタイプのブレーキが必用になります。

取り合えず、確認の為にダメ元で中古ショップでカンパのベローチェのブレ―キを3000円で購入して付けてみます。アウトです。後ろのブレーキにアーム長が足りません。連結パイプの下に取り付けると、タイヤがブレーキに当たってしまいました。

そこでショップで CANE CREEK のロングアーチブレーキを購入します。在庫はフロント用が最後の1つ。でも大丈夫。実は挟み込み金具を使うと、ブレーキのネジ長が足りなくなるので、リア側も取り付けネジの長いフロント用のブレーキを使用した方が確実に固定出来るからです。効きの悪い純正のブレーキシューは速攻でシマノに交換します。この時、左右のシューを入れ替えて、ブレーキの逆向き固定に対応させます。

このフレームだとロングアームのブレーキでもリムまでギリギリでした・・・。チェーンが伸びたらヤバイ感じ・・・。

■ チェーン引きが使えない ■

ブレーキアームの長さがギリギリなので、チェーンは短めにしてホイールの中心を前気味にします。・・・・あれ、チェーン引きのボルトの長さが足りないぞ・・・。

チェーン引きとは、チェーンによって前側に引っ張られる後輪の車軸を固定する金物です。後輪が前方にスライドすると、チェーンが緩んでチェーンがギアから外れる危険性があるからです。競輪ではチェーン引きの使用が義務付けられています。(海外のメーカーのピストバイクの完成車には付いていません)

どうやら、このフレーム、リアエンド金具のスライド幅が大きい様です。調べると、BMX用で長いエンドに対応するチェーン引きが有るらしい。これを手に入れるまで、暫くはチェーン引き無しで走る事になります。ちょっと不安だけど・・・。


■ シートポストは made in Japan ■



シートポストは日本が誇るニットーにしました。ピカピカにポリッシュされたポストの上部に控えめに入ったロゴが素敵。

シートはとりあえず手元にあったものを適当に付けましたが・・・意外に似合ってしまって・・・。(後日、セライタリアのスエード地のものに交換しました)

■ ボトルケージ用の穴が無い ■



ピストフレームで困るのはボトルケージ取り付け用のダボ穴が無い点です。

バンド固定や、クランプ式の物が市販されています。固定力が有り、デザインの良い物を選択してみました。シートポスト用は、ポリッシュのアルミに合わせて MINOURAの クランプ式。シートポストは目立たない TOPEAK のバンド式にしました。

ボトルケージは金属の風合いを重視しています。

バーテープは皮風を巻いてみました。これ、結構厚くて、巻くのに苦労しました・・。


■ 究極の自転車の乗り味は ■

さて、私的究極自転車の乗り心地は・・・

「乗って軽い」の一言に尽きます。

車体重量は9.3kgで今時のバイクとしては重い部類です。しかし、実際に乗って漕いでみると、挙動は軽やかです。

49t-17tのギアー比2.88ですから、スタートは少し重い感じがしますが、20km/hを過ぎると、自転車が勝手に走り出します。クロモリ特有のバネ感というやつですが、さすがにメガチューブに支えられたBB周りの剛性は高く、捩れる感じは皆無。シートステーも太いので、リアエンドの周辺が適度にしなって、クン、クンっと小気味よいリズムで進みます。

特筆すべきは登り。一般にクロモリフレームは登りが苦手ですが、重さのせいだと考えている人が意外に多い。

実はクロモリが登りを苦手とするのは、フレームがしなる事が原因。大きなパワーが掛かり、ケイデンスが遅くなる登りでは、フレームの変形に力が浪費されてしまうのです。

メガチューブのクロモリが意外に登る事はラレーのMTBで経験していましたので予想通りですが、流石にダウンチューブ43mmのパイプ径は凄いです。トップチューブも33mmで、こちらもガッチリ。

フレームとフォーク合わせて3kgもありますが、その重さを感じさせない登りの性能は流石。


さらにピストのフレームはBBの位置が高いので、乗り味はクイックで、ヒラヒラとした感じになります。これが取り回しの軽やかさに繋がり、あたかもNYのメッセンジャーになった様な楽しさを味わえます。

以前乗っていたアルミの canonndale の CAP は、車体が軽いので、ヒラヒラし過ぎて不安定でしたが、ガッチリとしたメガチューブクロモリだと、バランスがとても良い。

そして、鉄のフレーム独特の振動の伝わり方が心地よい。アルミの様な「ガシャガガシャ」した振動では有りませんし、カーボンの様なプラスチックの箱みたいな振動とも違います。コン、コンと如何にも金属を伝わる振動ですが、角が丸まっていて楽しい振動です。

流石にチェーンステーとシートステーが太いので、路面の段差は拾いますが、手組のホイールが振動を適度に減衰させている様です。後三角が硬いフレームなので、路面追随性は少し低い感じです。グリップ力に定評のあるIRCのWET対応の26Cタイヤを装着していますが、派手なダンシングで路面によってはタイヤのグリップが抜ける感じがします。もしかすると、ツーリング車用のタイヤの方が相性が良いかも知れません。ダート走行も出来ますし、グラベル・シングルバイクなんて、面白いかも。


乗ったその日から、体の一部になったかの様な、まさに究極の自転車の完成。これは一生モノです。