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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

麻生財務大臣の慌て方が尋常でない・・・政府内部文章の漏洩

2018-06-19 09:43:00 | 時事/金融危機
 

■ 凄い政府内部資料が出て来た ■

共産党の辰巳参議院議員の昨日の質問、事前通告無して追及した、国土交通省大阪航空局の内部文書の漏洩には、流石に政府も慌てた様ですね。谷佐恵子安倍昭恵夫人付きからの財務省の問い合わせの内容が記載されていますが、値下げを前提として優遇制度が受けられ無いかを問い合わせています。

ここが、財務省が公開出来ない、昭恵夫人の森友小学校用地の視察直後の核心。首相の「私や私の妻が・・・」に思い切り抵触してしまう事実。そして首相夫人という立場を利用した籠池氏らへの「口利き」の動かざる証拠なのです。

こういう文書が共産党を通じて漏洩されると、「共産党の情報力はパナイな・・・」なんて感想がネットに上がりますが、一方で「共産党の中国のスパイが政界に沢山居る」とネトウヨ達が騒ぎます。

陰謀論者で妄想愛好家の私は、CIAのスパイが安倍政権に圧力を掛ける為に、共産党に情報を流している・・・と、妄想を膨らめて楽しんでいます。

普通のマスコミの人は、「官僚の静かな反乱」だと考えるのでしょう。

■ こんなに狼狽した麻生氏を見た事が無い ■

さらに近畿財務局と理財局のやり取りを記録したとされる文書では「最高裁まで争う覚悟で非公表とするのだろう」という文言に、首相も麻生財務大臣も、かなり慌てていましたね。

特に麻生財務大臣の狼狽ぶりは驚きでした。日頃、ノラリクラリと相手をバカにしてハグラかす麻生氏ですが、国土交通省を運輸省と言ったり、部署名が出て来なかったりと、麻生氏らしからぬ慌てぶりでした。

「事前通告されていませんでしたから・・・」と安倍氏も麻生氏も逃げましたが、この二人、アドリブが全然出来ないんですね・・・。麻生氏は首相時代にホテルオークラのラウンジで毎晩晩酌をしていると非難された事がありますが、実はこれはオークラの一室でTVインテビューの対応のレクチャーを受けていたとネタバラシがネットに在ります。

麻生氏の、一見フテブテシイ言動は、実は口下手な事を隠す為なのかも知れません。舌禍が多い方ですから・・・。

その点、小泉元首相は決めれらたワンワードしか喋りませんでしたからボロが出ない。さらに、アドリブでの一言のチョイスのセンスが良かった「自衛隊が居る所が非戦闘地域です」とか「人生いろいろ」なんて小泉氏でなければ袋叩きです。

その真逆が大平元首相。超高速で頭が回転して様々な返答のシミュレーションがされている間、「アーー、ウーー」と言葉がフリーズした様です。田中角栄元首相の「まあーそのーー」というのも似た様な物でしょう。

■ 安倍氏の答弁のカンニングを妄想して楽しむ ■

安倍氏も、答弁やスピーチで文章を、句読点や分節毎にブチブチに区切って話しますが、私は以前から安倍氏の答弁は、誰かが離れた場所で読み上げている文章を、リモートスピーカー(例えば骨伝導など)で聞き取って、オウム返しに話しているだけだと妄想しています。だから、極端にブツギレの話し方になる・・・。


感情的に話す時は早口ですから、その時はリモートコントロールされていないのだろうと、妄想して楽しんでいます。


失業率の低下が賃金の上昇に結び付かない・・・先進国の抱える問題

2018-06-19 03:38:00 | 時事/金融危機
■ 失業率が低下しても賃金が増えない? ■

グッチさんのブログに次の様な記述が有りました。

<引用開始>

全米失業率が3%台に入り、特に熟練労働者はほぼ見つからない(観光業しかないハワイの失業率は2%!!)にもかかわらず、賃金がほとんど上がらない、というこれまでの経済理論をすべて破壊する前代未聞の状況に直面している訳です。州別失業率も注目です。

<引用終わり>



これはアメリカに限った事では無く、先進国全体で進行している現象です。そこで、その理由を考察してみます。

■ 労働生産性の向上=低賃金化 ■

AI化によって雇用が失われると本気で心配される昨今ですが、実はPCの普及や、工場の自動化によって雇用は失われ続けて来ました。

1) PCによって事務処理は公立化し、労働生産性は高まったが、単純な事務作業の人員は
   大幅に削減された
2) 工場の自動化によって熟練工の需要は減り単純労働に置き換わった
3) マニアル化が可能なサービス業では労働の質を問わず、安い労働力を使える

4) ネットの普及で単純な入力作業や事務作業は国外にアウトソースが可能
5) グローバル化によって製造業などが国外に移転している


6)移民や不正移民やその子供が安い労働力の供給源となる
7)「自動化」によって労働市場から弾き出された人達が安い労働力の供給源となる

この様に先進国では技術革新によって単純労働はPCや産業用ロボットや移民や外国人などの安い労働力に置き換わっています。結果的に、職を失った労働者が安い労働力の供給源となり、賃金の低下の悪循環を生みます。


■ 労働の質の格差=所得格差 ■


先進国では貧富の差が広がっています。かつては厚い中間層の旺盛な消費が経済のエンジンとなっていましたが、現在では1割の富める人と、9割の貧しい人の二極化が起きています。

1)単純労働は自動化によって賃金が低下する
2)経営者は自動化による労働生産性の向上の恩恵を受ける

3)自動化システムの構築や、クリエイティブな職種の人材の所得は上昇する
4)ITなど成長分野で高い技術力を必要とする職種の所得は上昇する

5)金融の発達により、金持ちはより金持ちになる
6)所得の低下により貧乏人は一層貧乏になる

「勝組と負組」という言葉に代表される様に、「労働の質の二極化」と「金融による格差の増幅」によって、所得格差の拡大に歯止めが掛かりません。

■ 平等性の喪失 ■


所得格差の拡大の原因には、先進国において平等性を担保するシステムが弱体化している事も見逃せません。

1) 労働生産性の向上の恩恵は経営者や株主に還元される
2) 労働の単純化は代替えの労働力確保を容易にし、賃金を抑制する

3) 「労働生産性の向上=賃金の抑圧」が法的に推進され、企業内での再分配率が低下する

4) 企業や富裕層の減税が優先され、その負担が一般の人達の増税となる
5) 高齢者人口の増加により、若年層への分配が減り負担が増加する

■ 「労働生産性の向上」の罠 ■

「労働生産性の向上」というと、「個人が楽して稼げる」と錯覚されがちですが、実は「資本家や株主にとっての労働生産性の向上」である事が多い。

1) 自動化やマニアル化によって人件費が抑制され、経営者は利益を拡大する
2) 裁量労働制の導入により、サービス残業が法的に認められ、人件費を抑制する

■ グローバリゼーションの勝組は安い労働力を必要とする ■

グローバル化の時代は、労働市場も開かれています。その為、いかに安い労働力を使役するかが、企業の生き残りの条件になります。

1) グローバル化で製造業は労働力の安い国に流出する
2) ネットワークによって単純な事務作業や、簡単なプログラミング作業は海外に
   アウトソース可能となる。

3) 少子化で単純労働の人手が足りなくなると、移民でそれを補おうと
   企業が政府の圧力を掛ける


■ ケインズ経済学の限界 ■


経済や労働市場や金融市場の国際化(=グローバリゼーション)は、「閉じた国内経済」を基本したケインズ経済学の前提を乱しています。

ケインズ経済学は、好景気→失業率の低下→労働力の不足→賃金の上昇→消費の拡大というサイクルの存在を前提としています。

不景気になれば政府が財政出動によって雇用を支え、しばらくすれば「景気循環」によって、再び好景気のサイクルが回り出すと考えられて来ました。

しかし、70年代からアメリカではケインズ経済学は生きずまります。これは当時も進行していたグローバリゼーションの影響で、日本やドイツの輸出によってアメリカの製造業が衰退したでえ起こります。それ以降、アメリカでは純粋にケインズ経済学的な景気循環は起こっておらず、FRBの低金利政策が周期的にバブルを作り出して経済を拡大させて来ました。

同時に「金融革命」によって資金循環もグローバル化します。それまでは、余剰資金は国内に投資され国内経済の拡大に寄与しましたが、80年代以降は、金融市場を通して、より金利の高い国で資金は運用される様になります。結果、投資による経済の拡大は主に海外で達成され、国内経済を拡大する事が出来ません。

確かに金利利益はアメリカなどの先進国に還流しますが、投資を行える様な富裕層の利益こそ拡大しますが、一般の国民の利益はそれ程拡大しません。それどころか、度々起こるバブル崩壊で、一般の人々の虎の子が、誰かに奪われ続けています。

■ 格差の耐えがたい拡大によていつかは自壊する資本主義 ■

現在の政府は企業と国民の板挟みです。

1)グローバル化した企業はロビー活動によって「賃金の低下の合法化」を政府に働き掛ける
2)グローバル企業は法人税の減税や、税金の優遇制度を政府に求める

3)国民は減税や補助金の拡大を政府に求める
4)国民は公共事業という形で失われた雇用の保障を政府に求める

1)は所得税の減少を生みます
2)は法人税の減少を生みます
3)は財政の拡大を生みます

日本やアメリカは巨額の財政赤字を抱えています。アメリカはドルや米国債を世界に売る事で、財政をファイナンスしています。日本は実質的な財政ファイナンスに突入しています。

結局、企業と国民の要求は対立しており、ジレンマを解決する方法は「打ち出の小槌を振る」しかありません。ただし、これは振り過ぎると、「信用の喪失」という不可逆的な崩壊を経済にもたらします。


資本主義のエンジンは格差ですが、格差の耐えがたい拡大は、やがて資本主義を支える社会や経済を崩壊させます。政府とは本来こうなる事を防ぐ為に適度な規制で企業活動を縛り、税収による所得再分配を行う為に存在します。

■ 第二次世界大戦の前に、グローバリゼーションは一回目のピークを迎えた ■

世界的に進行する反グローバリゼーションや、自国優先主義は、実は第二次世界大戦前の世界に似ています。実はグローバリゼーションは植民地政策によって第二次世界大戦前に一度目のピークを迎えました。植民地グループ(帝国)の中では、資本や物、さらには奴隷や移民などの労働力の移動はかなり自由でした。

しかし、世界大恐慌を引き金として、1度目のバブルは崩壊します。その後は自国優先主義や、ブロック経済が台頭し、ブロック経済圏の間の資源や市場の争奪が、第二次世界大戦へと世界を導きました。

そして、世界は「破壊による再生」によって、新たな成長へと踏み出したのです。


歴史が必ずしも繰り返す訳ではありませんが、トランプの出現や、世界的なポピュリズムの台頭
は、何かヒリヒリとした空気を世界に満たし始めています。