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一生に一度はイタリアンバイクに乗りたい・・・BASSO ASTRA

2018-06-11 00:54:00 | 自転車/マラソン
 




ロードバイクに乗る男たる者、一生に一度はイタリアン・バイクに乗りたい。



これは、自動車が趣味の男性が、「一生に一度はフェラーリに乗りたい」というのと同じドリームでです。

金銭的な問題で、なかなかフェラーリの夢は実現しませんが、イタリアン・バイクの夢は比較的容易に叶います。例えば、夜中に酔っ払ってヤフオクで遊んでいて、翌朝になって「おめでとうございます。あなたが最高落札者です」なんてメッセージが入る形で実現したりするのです。

察しの良い方はもうお分かりでしょう。・・・そう「ヤッチマッタ」のです。

だって、BASSOの2014年型のASTRAで、フルカンパ、それもフル・コーラスで、さらにホイールがカンパのMEGA 3G のユーラス、シートポストがチネリ、ステムがデダチャイ、ハンドルがFSAのカーボンエアロ、サドルがフィジークって・・・全身イタリアンじゃないですか!!さらにフレームカラーが赤・白・緑のイタリアン・トリコロールだよ。もう、「どんだけイタリアンなんだよ!!」って自転車が出品されていたら、男ならポチットナするでしょう!!

さらに超美品で、多分、床の間バイクだった・・・。

え、全然分からないって・・・そうですよね、自転車オタクしか分からないですよね。

■ メイドイン・イタリーのフレーム ■

自転車大国イタリアには、憧れの自転車メーカーが沢山在ります。


PINARELLO(ピナレロ) COLNAGO(コルナゴ) DEROSA(デローザ) BIANCHI(ビアンキ) GIOS(ジオス) Wilier (ウィリエール)KUOTA クオータ CARRERA(カレラ)辺りが有名所でしょうか。

この他に Tommasini(トマジーニ) CASATI(カザーティ)dedacciai strada(デダチャイ・ストラーダ)PENNAROLA(ペンナローラ)CIPOLLINI(チッポリーニ)BOTTECCHIA(ボッテッチア)FONDRIEST(フォンドリエスト) Daccordi(ダッコルディ)・・・等々、挙げ始めたらキリが無い。

かつての名選手が引退後に工房を構えて自転車制作を始めるケースが多いので、メーカー名は選手の名前をメーカ名にしている会社が多いのも特徴です。

BASSOも自転車レースで活躍したBASSO兄弟が始めた会社ですが、1979年創業の、イタリアの自転車メーカーとしては比較的新しい会社です。BASSOはプロチームにマシンを供給していないので日本では知名度は低いのですが、製品の質が高いのでドイツでは人気のブランドです。

一番の特徴は、上位モデルがメイドイン・イタリーに拘っている所。現在、世界の多くの自転車メーカーは台湾か中国で生産を行っています。高い溶接技術を要する金属フレームと違い、カーボンの自転車は機械で切り出されたカーボンシートを指定の手順で型枠に貼り込むだけで作れてしまいますから、熟練の技を必要としません。それぞれのメーカーに製造技術のノウハウは有るにせよ、言い方は悪いですが、「誰にでも作れる」のがカーボンフレーム。

では、カーボンフレームが何故高価なのかと言えば、素材のカーボン自体が高価である事と、製造設備にお金が掛かるから。だから人件費の安い台湾、そして中国へと生産拠点は移って行きました。

そんな中、BASSOの上位モデルはイタリア生産に拘って作られています。BASSOの製造工程のプロモーション映像が、彼らのモノ作りへの拘りを示しています。

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BASSOのイタリア生産のフレームの特徴は「オートクレイプ製法」で製造されている事です。これはF1マシンのボディーでも使われる方法で、加圧した窯の中でカーボンフレームを加熱して、空隙の少ない高密度なカーボン製品を作る事が出来ます。

カーボンの中に空隙(すき間)があると設計した強度が得られません。トレックのOCLVカーボンはかつて高性能の代名詞でしたが、OCLVの基準はカーボン繊維の質では無く、規定の空隙率を満たしている事でした。かつてはアメリカ国内生産のフレームしかOCLVの基準を満たしていませんでしたが、今では台湾生産のフレームもOCLVの基準を満たす様になりました。


BASSOの上位フレームは、イタリア国内で手間暇掛けて製造され、性能も精度も高いのに、実は安価です。それはレースにフレーム供給していないので、無駄なコストが発生しないからだと言われています。だから質に拘るドイツで人気が出た。

■ どうして私が新しい自転車を欲しいと思ったのか ■




どうして私が新しい自転車を欲しいと思ったのか)?・・(まあ、毎日思いますが・・・)。しれは「ヤビツ峠に惨敗した」から。


まともな自転車でヤビツアタックした事の無い私ですが、ギアー比3のピストで51分ならば、カーボンバイクのギア付きならば、少なくとも45分は切れるだろう・・・そうナメて掛かっていました。確かに蓑毛の10%越えを時速12km以上で凌いでいたので、300W程度は出ていたと思います。しかし・・・いつもの事ながら蓑毛を登り切って脚も終わってしまいました。

結局49分台という初心者の様なタイムに愕然としました。体重が人生最高の70kgでも、少なくとも45分は切れると思っていましたから。

私の現在使用しているカーボンバイクのNEILPRYDEのZEPYRというフレームは、ロングライドに特化しています。クロモリの様にフレームの変形や歪みを利用して衝撃を吸収します。フレームの後側を積極的にたわませます。これは、快適性は高いのですが、ペダリングのピークの力がフレームの変形に使わる為、反応性が鈍くなります。

ZEPYRの凄い所は、芯がしっかりしていて、最後は全ての力を推進力に換えてしまう所ですが、それでもヒルクライムの様に高いパワーで高いケイデンスを維持する様な乗り方だと、ペダリングのスピードにフレームの変形が追随出来なくなります。変形の回復力とペダリングの力が打ち消し合ってしまって登らないのです。ただ、ダンシングの様に低いケイデンスだと力強く登り始めます。短い登りならば「ダンシングーーー一、一発!!」でクリアー出来ますが、ヒルクライムではゴールする前に脚が終わります。


まあ、そんなこんなで、自分を慰めながら、裏ヤビツに下り、宮ケ瀬で昼ごはんを食べた後、裏ヤビツを楽しく1時間切りのペースで登ったりしていたので、ZEPYRは脚に優しいフレームではあるのですが・・・。

■ BASSO ASTRA に惨敗する ■

金曜日にASTRAが到着し、速攻で組み上げて、ホイールとクランクのグリスアップをします。シートポジションはZEPHYRに合わせました。ハンドル高は適当に低くします。

こんなポン付け状態で土曜日に鴨川を目指します。レーシングバイクですから、最速記録が出るものと確信していました。

ASTRAは跨った瞬間から、5年乗り続けたバイクかと錯覚する程、クセの無いバイクでした。とにかく「安定」している。これはドッシリしているという感じでは全然無く、コロコロと軽く転がりながらも、直進でもコーナーでも不安定な要素が無い。そして、硬いフレームのハズなのに、振動吸収性が非常に高いのが特筆です。

後輪が暴れず接地力が高いので、バイクが自分の意思のままにコントロール出来ます。コーナーのラインもピタリと決まり、怖さが全然無い。これこそが「ザ・レーシングバイク」の性能ですが、イタリアの暴れ馬では無く、優等生といった印象。

「なんだ、オトナシイな・・・」と多少ガッカリしながら踏み込んでみました・・・・。スパーンと50km/hまで加速します。「踏めば踏むだけ進む」というありきたりの表現の意味が初めて分かりました。確かに軽量高剛性ホイールのユーラスの影響も在るのですが、フレームが撓む(たわむ)感じがしません。変形に無駄な力が浪費される事無く、パワーが推進力に変換されます。

これは面白いとばかりに、40km/hというメーター数字をチラチラ見ながら、平地を35k程、走りました。市原で国道を離れる時のメーター読みのAVが30km/hを越えていました。やや向かい風でしたので、ZEPHYRよりは平均で2km/hはスピードがアップしているでしょうか?

ただ、ここからスピードが伸びなくなります。うぐいすラインの登りも、踏めばスピードに乗りますが、それが継続出来ない。結局、向かい風とは言え、上総牛久のセブンイレブンには28.3km/hで到着。ここまでアップ在りの53km走りました。

ここからさらにスピードが伸びなくなり、養老渓谷にはメーターAVで27.1kmで到着。向かい風だったので、追風だったら30km/hに乗ったかも知れません。確かに早いフレームです。

■ 硬いフレームは脚に来る ■

養老渓谷を過ぎて、本格的な登り区間に入ります。ペダリングが軽い。クルクル回すとクイクイと登って行きます。ただ、それが持続出来ません。

とにかく脚が回らない。ダンシングが続かない。右ひざが軽く痛み出します。そして最後は脚が攣ります。

登りのペダリング自体は軽いので、攣ったままでも騙し騙しペダリングを維持出来ますが、最早パワーは入りません。

これが「硬いフレームは脚に来る」という現象。

レモン1号君で経験は有りますが、BB周りの剛性が高いので、売り切れるのも早い。清澄の登り雨の後でウエットだったので、ダンシングでスピードに乗せにくかったという事を差し引いても、後半、思い切りタレました。

鴨川まで浦安から100km、ドア トゥ ドアで4時間切りを目指していましたが、清澄山を登り切ってタイムオーバー。膝も痛みが在るので、チャレンジは終了としました。

やはり、高剛性のフレームは踏み倒せるのはプロの様な脚力の方なのでしょう。高ケイデンス走行が嫌い(出来ない?)私にとって、新バイクはヤビツアタック用のバイクとなりそうです。

■ 観光モードに ■


タイムアタックが終了したので、清澄山を下らずに清澄寺まで登り事にします。クイクイと登れてしまうので、やはり登りは得意なフレームです。

実は1月の始めに落車したので、今年は清澄寺に初詣に来ていませんでした。新しい自転車も増えたので本堂にお参りをして、交通安全のお守りを買います。これ鈴が着いているので、サドルに着けておくと、通行人が自転車の接近に気付いてくれて重宝するのです。








日蓮上人が若い時に修行し、日蓮宗を開宗した寺として有名な清澄寺ですが、かつては天台宗の寺でした。いわゆる修行の為の山寺。

この寺が日蓮宗に改宗したの昭和24年で、意外に新しい。それまでは火災による荒廃と復興を繰り返していたらしい。



境内に在る「清澄の大杉」は見事な巨木で、関東地方で一二を争う大きさ。樹齢は400年とも500年とも言われています。









立派な仏舎利の近くに「きよすみユリの里」が在ります。実は娘が友人とバイトに応募しようとしたらしいのですが、バイト代は何と「長狭米」だったそうな。これ、鴨川で獲れるブランド米のコシヒカリです。(バイトは応募の電話が繋がらなく出来なかったらしい)

色とりどりの西洋ユリが咲いていますが、今年は昨年よりも1週間以上開花が早いそうです。そして、昨年よりも人出が少ないとか・・・。

一通り、見学した後に清澄山をダウンヒルします。イヤー、下りの安定感は素晴らしい。

■ 家内に叱られない様に、乗らない自転車とホイールをドナドナする ■


ところで、「人力さん、良く自転車を買って奥さんに怒られる無いな?」と疑問を抱かれている方も多いかと・・・。

怒られる前に謝る!! これ、大事です。

「ごめん、先に謝っとくよ」
「あ!またヤフオクで自転車買っちゃったんでしょう」
「そう・・・」
「お金在るの?住宅ローンの支払い、知らないよ(怒)」
「大丈夫、手持ちの乗らない自転車売るから」

まあ、いつもの会話です。


結局、しばらく使っていない自転車とホイールををヤフオクに出品しました。

「ねえ、幾らになったの?」と家内も楽しんでいるのは、いつもの事。

ほぼトントンの金額になったので、家内の怒りは鎮まるとオモワレ・・。

・・・いや、実は既に呆れられているだけなのですが。