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ガンの温熱療法・・・補足

2015-10-29 07:09:00 | 分類なし
 

人間の細胞は42.5℃に加温されると死滅します。これは正常な細胞もがん細胞も一緒ですが、正常な細胞組織では加温に対抗する為に血管を拡張して血流を増やす細胞の温度上昇を防ぐ機能が働きます。一方、がん細胞はこの機能が働かない為に選択的にがん細胞が駆逐されます。

温熱療法には全身を加温する方法と、ガン組織周辺を局所的に加温する方法が有ります。体表に近いがんは局所的にマイクロ波などで加温する事が可能ですが、体の奥のガンはこれが難しく、消化器系のガンなどでは体内に小さな加温装置を挿入してガン組織を直接加温する方法も取られる様です。

加温に対抗してガン細胞はヒートショックプロテイン70というたんぱく質を大量に合成して加温によって破壊されたタンパク質を修復してしまいます。その為、連続的な加温は身体的ダメージに対して効果が薄れる為に、HSP70が減少する期間(2日程度)を置いてから再び加温を繰り返す方法が取られています。

最近では41度程度のマイルドな加温でも効果が有る事が分かっており、放射線や抗がん剤との併用される事も増えている様です。

加温によって免疫系が活性化される為、抗がん剤などの副作用が低減し、自己免疫によるガン細胞への攻撃も亢進します。

低線量率放射線の全身照射や、加温は体にストレスを掛ける事によって免疫を活性化させる事で、他のガンの治療方法の効果を高めたり、或いは副作用の影響を抑える効果が有る様です。全身の加温にはそれなりの時間と、患者の身体のダメージを伴うので、低線量率放射線の照射による免疫の増進の方が患者には優しいのかも知れません。

秋田の玉川温泉は天然の放射線源としてがん患者が訪れる事で有名ですが、放射線の効果だけでなく、温熱療法的な効果も同時に行っているとも言えます。

何れにしても「自己免疫」の働きに期待する治療だけに、免疫の低下した人には効果が薄いのかも知れません。結局は、日頃の生活習慣で免疫が活性化している人は、そもそも日々体内で沢山発生するがん細胞をことごとく駆逐しているのでガンにはならない。

ジョギングなどは大量の活性酸素を発生させる事で体にストレスを掛け、低線量率放射線照射同様の免疫活性効果が有るはずです。

良く食べ、良く動き、良く眠る。そして体を温める・・・「体を冷やしちゃいけないよ」と昔の人は良く言いましたが、きちんとした効果が有るのですね。