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天安事件・・・報道内容の変化を追う

2010-05-31 08:08:00 | 時事/金融危機
■ 天安事件を振り返る ■


韓国の哨戒艇「天安」の沈没事件は、とうとう北朝鮮が犯人にされてしまいました。もしアメリカの軍産複合体がこの事件を起こしたのであれば、一見彼らの目論見は成功した様に見えます。しかし、天安事件の報道の流れを見ていると、事件の主導権がどうやらオバマのコントロール下に奪われている事に気づきます。

1)韓国の哨戒艇「天安」が沈没。

2)対応に苦慮した李明博大統領は当初、「北朝鮮の攻撃では無い」と発表し沈静化を図る。


3)KBSテレビ(韓国の国営放送)が、天安事件の米軍関与をスクープ報道。

4)kBSテレビを名誉毀損で政府が訴え、報道を否定する。

5)金正日が中国に呼ばれる。

6)合同調査団が、「魚雷の火薬成分は西側のもの」と発表。
  アルミ合金の破片も西側魚雷に使用されるものと発表。

7)アメリカの「関係者」が、北朝鮮の関与を主張。

8)魚雷は中国の250キロ級魚雷と判明。スクリューの写真が公開される。

9)北朝鮮への制裁の気運が高まる。

■ 初期報道こそが信憑性が高い ■

報道というのは不思議なもので、世間では初期報道よりも時間が経った報道の方が信憑性が高いと思われています。

しかし、大事件の場合、初期報道にこそ真実が隠されているケースが多々見られます。

アメリカの911テロの時、当初、目的地に到達させずに墜落した旅客機は2機と報道されていました。しかし、その内の1機がペンタゴンに突入した機体とされた事から、後の報道では墜落機は1機とされました。

最近のネットの情報では、ペンタゴンに突入したのは米軍の無人機か巡航ミサイルの様だと言われています。時速700kmで地上スレスレを飛行し、ペンタゴンの改装現場に見事に突入する操縦技術をテロリストは当然持ち合わせていませんし、旅客機が突入したにしてはペンタゴンの損壊状況は至って軽微です。

御巣鷹山に墜落した日航機の事件でも、最初に羽田に駆けつけて日航幹部を取材した記者達は「北朝鮮のミサイルによって打ち落とされた」と幹部が語るのを耳にした様です
。(この件はヤバ過ぎるので・・・・)

今回の天安事件でも、KBSの初期の報道は「米原潜」が天安と同じ現場に沈んでいるというものでした。

■ KBSの報道が誰が流したのか ■

KBSのスクープ報道は、その後ネットからも削除されましたが、多くの韓国人がこの放送を見ています。この報道がされた事自体は隠しようの無い事実です。

しかし、米韓政府間の緊張が高まる中で、国営放送が事件の真相に迫るスクープを何故報道出来たのでしょうか?日本のNHKであれば、政治的圧力で報道など出来るはずがありあません。

韓国のマスコミは左派系=親北朝鮮の人達が少なからず居ます。右派の李明博政権の下、左派系マスコミ人が居心地が悪い事は事実です。しかし、仮に左派系のデイレクターの一人が事件をでっち上げ、米軍兵士の遺体を引き上げる米軍ヘリコプターの映像まで偽造して、それを国営放送で放送する事は不可能です。

むしろこの番組が、李明博政権とアメリカ政府の支持で製作され、放映されたと考える方が自然です。

北朝鮮の魚雷攻撃で韓国の哨戒艇が撃沈されたとなれば、世論は一気に沸騰し、朝鮮半島の緊張はいやが上にも高まります。そこで、李明博大統領は最初、「北朝鮮に仕業では無い」と発表し、次にKBSテレビに米原潜沈没のスクープを流させます。

後にこのスクープは否定されますが、多くの韓国人の脳裏に、この事件の裏でアメリカが動いている事がインプットされ、北朝鮮を一方的に弾劾する事は、アメリカの思う壺である事に気づきます。

韓国政府はその間、多国籍調査団による調査結果を少しずつ発表します。

最初は西側魚雷による攻撃と発表し、国民の疑念を裏打ちします。

そして、充分時間が経過して国民が冷静さを取り戻してから、「中国製250K級魚雷」「北朝鮮の犯行」と発表し、北朝鮮に責任をなすりつけています。

その間、韓国・アメリカ・日本・中国・北朝鮮の間では協議が重ねられた事でしょう。

■ 棚からボタモチ、皆がハッピーな結末 ■

私は専門家ではありませんので、装甲の厚い軍用艦を両断する程の爆発力を持つ魚雷が爆発しながらも、あんなに大きな破片が残るかどうかを否定出来ません。しかし、素人考えでも、不自然さは覚えますし、あんなもの簡単に作れる事は誰でも否定出来ないでしょう。

さて、「天安事件」を画策した物の目論見が何であったにせよ、その後の各国の対応には「筋」が通っています。「誰もが徳する」ハッピーエンドを捏造する事です。

アメリカ政府は、自国の関与をもみ消すと同時に、普天間問題に充分なプレッシャーを掛ける事が出来ました。

韓国政府は、米軍の弱みを手中にし、さらには不問とする事でアメリカに大きな貸しを作りました。

中国政府もアメリカの弱みを握り、笑いが止まりません。元の切り上げ圧力が明らかに弱まった事は皆さんもお気づきでしょう。

北朝鮮政府は、既に充分制裁されていますから失う物はあまりありません。あえて悪者になる事で、裏から米中韓日からたんまりと援助を取り付ける事でしょう。

日本は沖縄海兵隊の存続理由が明確になったので、鳩山首相も一安心。軍産複合体の飼い犬のマスコミも普天間問題での政府批判を弱めつつあります。

アメリカが若干損をしたようですが、極東で緊張が高まれば、ドルや米国債に資金が還流して、お釣りが来ます。

歯軋りしているのは、極東有事を企てた軍産複合体(ロックフェラー)でしょう。結局、即、朝鮮半島有事とはならず、かといってオバマに極東有事のスイッチだけをプレゼントしてしまいました。金融危機が思うように演出出来ない場合は、このスイッチかイランのスイッチが押されるのでしょう。

■ 鳩山首相は辞任しない ■

普天間問題の齟齬で、社民党と民主党の連立は解消されるようです。
これで、衆議院の2/3以上の議席による強行採決の道は経たれます。

軽薄なマスコミはこの点を指摘して「鳩山・小沢」辞任と書きたてていますが、参議院選挙の結果を予想すれば、「鳩山・小沢」の辞任はあり得ません。

・・・何故なら、参議院で民主党は単独過半数を獲得するからです。

小沢代表は日本医師会や経団連、郵政の「大樹」といった集票組織を既にその手中に収めています。さらにはトヨタ問題を上手く利用して「ヤワラちゃん」も手駒に加えました。

国民はマスコミに踊らされて、「民主党」には投票しないでしょうが、かと言って「自民党」にはもっと投票しないでしょう。かくして、参議院選挙の投票率は低くなり、組織票の効果が拡大します。

さらに、「民主」「自民」を回避した票が、新設の小政党に分散し、結局自民党の崩壊には歯止めが掛かりません。上手く行けば、民主党は参議院で単独過半数を獲得、あるいは小政党との連立で過半数を獲得するでしょう。この場合、普天間問題で足かせになる社民党はキレイに外されます。

さて、もうお分かりでしょう。社民党の連立離脱は想定内であり、普天間問題の足かせを外す結果となります。

そもそも、普天間問題自体が今あえて政治生命を賭してまで解決する内容ではありません。ただ、煙幕としてモクモクと国民の目を何かからそらしてくれれば良かったのです。煙が晴れたら、民主党の選挙基盤が強化されていた・・・。

■ 民主党の単独政権はいったい何をするのか? ■

好むと好まざるとに関わらず、今年の中盤以降は、金融危機の第二波の影響が拡大し、回復気味の国内経済も再度下降の一途を辿ります。

ユーロも崩壊の危機に瀕し、ドルと米国債のリスクもクローズアップせざるを得なくなります。既にどの国の財政も破綻寸前ですから、今後発生する金融危機では財政出動という荒業は使えません。政府が債務を脹らめたら、即、国債価格に跳ね返ってきます。

さて、この様な危機の中で、衆参で過半数を手にした民主党はいったに何をするのでしょうか。・・・まさか「郵政資金で米国債を買い支える」などという暴挙に出ない事だけを祈ります。

頭の悪い「陰謀論者」の悪夢が現実化しない事を望まずにはいられません。