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害虫と農薬のイタチゴッコ

2009-07-29 06:46:00 | エコロジー





■ 今年もアサガオクーラーです ■

長雨で例年に比べ元気が無かったアサガオも、
ここ数日の酷暑で、元気一杯。
今年もアサガオの天然クーラーが花を咲かせました。

近年、アサガオー・カーテン用に人気の西洋アサガオのヘブン・スブルーは
開花期が9月初旬から10月下旬と遅く、
まとめて植えると、花がなかな咲かない場所が出来るので、
今年は日本のアサガオと混植にしていました。

ところが、ヘブンス・ブルーは肥料に弱いらしく、
ちょっと気前良く元肥を多めに入れたら、
ヘブンス・ブルーは肥焼けして、葉が落ちてしまいました。
「過ぎたるは、尚、及ばざるが如し」とは良く言ったもので、
肥焼けが少ない肥料と言われるマグアンプKと言えども、使い過ぎてはいけませんね。

■ オルトラン耐性のアブラムシも発生 ■



毎年、かわいらしい小花を沢山咲かせるミリオンベルですが、
こちらも今年は調子が悪い。
新芽をアブラムシにやられてしまいます。
オルトラン(粒状殺虫剤)を撒くのですが効果がありません。

ダニやアブラムシの様に世代交代が早い害虫は、
薬剤耐性が発生し易いのですが、
どうやらオルトラン耐性のアブラムシが発生してしまったようです。
オルトランは毒性が低く、粒状で使い易い殺虫剤なので、
これが効かないと、結構面倒な事になります。

農家などは、ダニやアブラムシが薬剤耐性を獲得しない為に、
複数の農薬を順番に使用します。
しかし、家庭園芸では一種類の農薬に頼りがちになり、
薬剤耐性の害虫の発生を助長してしまいます。

■ 抗生物質の耐性も問題 ■

最近は抗生物質耐性も問題になっています。
病院の院内完成が良い例ですが、
殆どの抗生物質が効かない黄色ブドウ球菌が発生したしています。

日本の医療現場はとかく薬剤に頼る傾向があります。
風邪程度で気軽に抗生物質を処方しますし、
インフルエンザでも諸外国に比べ、タミフルの処方を気軽にしてしまいます。
世代交代が早いウィルスは、直ぐに耐性化して、
タミフル耐性ウィルスが報告されるようになりました。

■ 抗生物質を乱用する中国 ■

中国からの輸入野菜や、輸入ウナギの残留薬物問題が話題になりますが、
中国の農薬や抗生物質の使用状況はかなり「ずさん」な様です。
先進国では使用が禁止されえいる農薬も多様されますし、
その使用方法も管理されていません。

中国産ハチミツをアメリカが検査した所、
クロラムフェニコールが検出されました。
クロラムフェニコールは効果的な抗生剤ですが、
骨髄への重大な副作用があり、
使用には厳格な用法が規定されています。

又、炭素菌などのへの有効な抗生剤でもあり、
先進国では耐性菌が発生しない用に乱用を避けています。

中国ではミツバチヘギイタダニの駆除に使用されたのでようが、
アメリカではこの事態を非常に重要視しています。
ハチミツの外、アサリなどの水産物からもクロラムフェニコールが検出されています。

■ 農薬と化学肥料に依存する近代農業 ■

私は「無農薬野菜」や「有機野菜」という表示に懐疑的です。
特に、家庭園芸をされる方は「無農薬」がどんなに困難化お分かりかと思います。

近代農業は、「農薬」と「化学肥料」で収量を飛躍的に増大しました。
農薬を使用しなければ、私達の食卓に上るサラダは虫食いの穴だらけになり、
アブラムシに新芽をやられるので、元気な野菜は食べられなくなります。
収量も大幅に減るので、野菜や果物は高価になるでしょう。


土着的な農業では、いろいろな作物が混植され、
さらに、雑草が入り混じって、
特定の害虫の大量発生を防いでいました。

単一作物を大規模に植える農業で農薬を減らしたら、
特定の害虫の大発生を誘発します。

「無農薬野菜」や「有機野菜」といった消費者の幻想とは裏腹に、
今日も、農薬と害虫のイタチゴッコが繰り広げられています。