
■ 太陽は11年周期で活動が変化する ■
太陽の黒点は11年周期で増減を繰り返しています。
太陽黒点が多い時は、太陽の活動が活発です。
逆に少ない時は太陽の活動が穏やかな時です。
一般的に考えれば、太陽の活動が活発な時は地球が熱せられて温暖化し、
太陽の活動が低調なときは地球が寒冷化しそうに思えます。
しかし、太陽活動の周期変動による地球へのエネルギーの変動は意外に小さく、
0.1%程度の変動幅に収まってしまいます。
この0.1%の差で地球の気温が上昇したり、下降したりするとは考え難く、
太陽から地球に到達するエネルギーの差が、
温暖化の原因という考え方を否定するものとされていました。
■ 穀物収量は昔から太陽周期に連動する ■
ところが、昔から穀物の収量は太陽周期に11年に連動して増減する傾向がある事が知られています。
穀物先物を扱う方達の間では、常識的な事柄だそうです。
さて、穀物の収量を左右するものに何があるでしょうか?
これは気温と日照時間です。
実は、太陽活動が活発な時は、太陽から磁気を帯びた風(太陽風)が地球に強く吹きつけます。
太陽風は磁気を帯びているので、宇宙線が地球に到達する事を妨げます。
宇宙線が湿度の高い大気を通過する時、「雲の核」を形成します。
ですから宇宙線が多くなれば雲が出来やすくなります。
下のグラフは宇宙線の量と雲の量の相関を示しています。

この現象はヘンリク・スベンスマルクらの実験により確認されており、
地球の気温変動の原因では無いかと指摘されていましたが、
ICPP(国際温暖化パネル)は証拠が不十分であるといして、
第4次報告書での採用を否定しています。
しかし、一方で太陽活動の11年周期が地球の気温に与える影響を考えた時、
スベンマルクの説は合理的な説明に役立事も事実です。
■ 太陽の磁極が反転し氷河期が来る? ■

「国立天文台」ホームページ
http://www.nao.ac.jp/news/science/2012/20120419-polar-field-reversal.html
日本の太陽観測衛星「ひので」が、太陽の磁気の極性の変動を捉えています。
太陽の磁極反転は太陽活動の周期の変動の11年で起きており、
別に珍しい現象ではありません。
今回の太陽活動の極大期は2013年5月と予想されていますので、
それに1年近く先立った、極性の変化が始まった事になります。
一部のブログなどでは「氷河期が来る」などと騒いでいますが、
太陽活動は来年極大期を迎えた後、徐々に低下しますが、
その変動幅は極めて小さいものなので、直ぐに地球が寒冷化する事はありません。
■ もっと大きな太陽の活動周期 ■

太陽の活動周期には11年周期以外ものもっと長い周期がある様です。
上のグラフは過去の地球の平均気温と太陽の黒点数のデータですが、
1645~1715年の間は黒点数が顕著に少なく、
この間、地球の気温が低かった事が分かります。
これを「マウンダー小氷期」と呼びます。
この間、ロンドンではテムズ河が氷結し、
日本は江戸時代で、米の収量が落ち、飢饉が発生しています。
逆に縄文時代は現在よりも気温が2度程高く、
界面は現在よりも6m高かった事が知られています。
この頃、世界で文明が発達したのは、
温暖化によって作物の収量が増え、人口が増加した事は無関係ではありません。
同様に平安時代も温暖で海水面も現在より高い位置でした。
印旛沼や霞ヶ浦は、現在でこそ陸に囲まれていますが、
当時は、海と続いていいました。
この様に、地球気温の変化に太陽の活動は大きな影響を与えています。
人間の経済活による二酸化炭素の影響が無い時代から
気温は温暖化したり、寒冷化したりを繰り返しています。
■ 温暖化よりも寒冷化が問題 ■
マスメディアや政府を通じて、温暖化の問題ばかりが取り上げられますが、
温暖化よりも、寒冷化の方が私達の生活に与える影響は大きい事はご存知でしょうか。
日本においても「冷夏」が発生すれば、米の出来高に直接影響が出ます。
近年でも冷夏によって、「米の緊急輸入」が行われた事は記憶に新しいと思います。
気温が高ければ、海水面からの水分の蒸発も盛んで、
降水量も多くなります。
温暖化すると、砂漠化するというのは、ある意味誤ったイメージで、
地球が今よりも温暖だった時期、サハラ砂漠は草原でした。
エジプトで文明が発祥したのは、降水量が多く、農業が盛んだった為です。
一方、寒冷化が進めば、農業の北限が南下し、
降水量の減少により、旱魃が発生する事になります。
■ 全球凍結は有り得ない ■
温暖化懐疑論を唱える人の中には
「現在地球は寒冷化してきており、このまま行くと地球全体が凍結してしまう」
と、大げさな事を言う人も居ます。
こういった方達も、温暖化論者同様、少々はた迷惑な方達と言えます。
全球凍結(スノーボール・アース)仮説というのは確かにありますが、
赤道付近までもが凍結する様な事態は、地球の46億年という歴史の中で、
22-24.5億 年前と6.35-7.3億年前の2回だけだというのが定説です。
1回目の全休凍結の時に「真核生物」が生まれ、
2回目の全休凍結の時に「多細胞生物」が生まれています。
酸素濃度の上昇(DNAの破壊とそれに対する防御)が、これらの進化をもたらしたと言われています。
もし赤道直下まで凍結する様な寒さが地球を襲えば、
一般的な動物はもとより、大多数の植物も絶滅して、
生物は又、単純なプランクトンや南極でも生息出来る地衣類の様な状態から再出発です。
以前、「NHK特集」で「全球凍結」が取り上げられ、
あたかも地球が凍り付くようなイメージが放映されましたが、
これなどは迷惑極まりない放送と呼ぶしかありません。
■ 氷河期が始まったとしても気温低下は少ずつ、長期的に行われる ■
現在の地球は氷河期(氷期)と氷河期の間の「間氷期」という状態です。
最後の氷河期が終わったのは1万年前になります。
過去の記録を見るならば、現在は間氷期の最も温暖な時期に当たり、
後、何百年後かには、地球は寒冷化して氷河期に向うと予想出来ます。
2008年頃は太陽黒点の数が異常に少ない年で、
「地球は寒冷化に向かうのでは無いか」と心配されましたが、
その後太陽黒点の数は、通常の数に回復しています。

歴史的に心配されるのは、氷河期よりは@「小氷期」の到来ですが、
これは何年も続く「冷害」です。
地球の食料生産は確実に低下しますので、
政治的な混乱により、世界が変化したり、戦争が起こる可能性も否定出来ません。
■ 気象をコントロールしようとする傲慢 ■
ICPPの主張する二酸化炭素由来の温暖化仮説は、
二酸化炭素をコントロールする事で、気象をコンとロールしようとする発想です。
これは太陽や宇宙、地球というとても大きなシステムの規模を全く無視した発想で、
人間の傲慢としか言いようの無い考えか方です。
我々は、もし今後、小氷期が発生しても気象をコンとロールなど出来る訳も無く、
せいぜい、寒さや乾燥に強い作物を品種改良で作り出す程度が限界です。
「温暖化」と聞いて「喜ぶ」事が、生物としての本来の反応ではばいでしょうか?
「多少の放射線」と聞いて喜ぶのも実は...... おっと、いけない!!
ついつい武田先生の本音を代弁してしまった・・・。