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人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

フロントシングルという選択・・・人生初SRAM

2020-02-10 04:06:00 | 自転車/マラソン
 

■ ビフォー & アフター ■



ヤフオクで新品を23000円で落札したLEMONDのクロモリバイク、ZURICH。レイノルズの最高峰のパイプ853を使用した、男気のあるレーシングバイクです。

取り合えず走れる様にする為に、手持ちのBASSOのバイクからコンポ一式を移植して組み上げたのが上の写真。

ヘッドパーツ タンゲ
コンポ    カンパニョーロ コーラス
ステム    デダチャイ 100mm
サドル    フィジーク
シートポスト リッチー
ハンドル   リッチー
ホイール   カンパニョーロ ユーラス


その後、販売当時の姿に拘ってホイールをRolf Primaに変更します。当時はVector compという重さ2Kgに迫るアルミエアロホイルでしたが、今回はVigor αのステルス仕様。重さも1500gちょっとです。




そして、新なコンポで先週組み上げたのがこちら・・・・。
どこが変わったのか、多分分からいと思います。


■ メイド・イン・USA に拘りました。 ■



クランク      ROTOR MTB用 3Dクランク
チェーンリング   WOLF TOOTH 42t ナロー&ワイド



リアディレラー   SRAM FORCE x1
スプロケ      SHIMANO ULTEGRA  11S 11-28T
ホイール      Rolf Prima VIGOR α ステルス



シフター      SRAM RED 11T
ステム       THOMSON 120mm
ハンドル      RITCHEY



ブレーキ      SRAM FORCE



まあ、ロードバイクがお好きで無い型には、どでも良い事なのですが、出来るだけ 「MADE in USA」に拘りました。

■ フロント・シングルという選択肢 ■



今回の目玉は「フロント・シングル」

通常、ロードバイクは前2速、後ろ11速の合計22速のギアーを持ちます。しかし、実際には同じギアー比が存在するので、14速程度のギアーとなります。

ロードバイクのリアーの変速数は年々多段化し、現在は11速が主流。しかす、カンパニューロとスラムは既に12速に突入しており、クランクメーカーのROTORは13速のシステムを発売しています。

この「多段化」によって出て来た発想が「フロントのディレラー要らなくない?」という「フロント・シングル」。

実はロードバイクのフロントディレラーって「トラブル・メーカー」で変速に際してチェーンが落ちる事が頻繁に起こります。デコボコ道でフロントを変速したり、リアがファイナルローに入っているのにフロントをインナーに落としたり、坂道でペダルにパワーが掛かっている時にインナーに入れたり、或いはフロントインナーでリアーをトップにしてしまったり・・・まあ、様々なシーンでチェーン落ちが発生します。

だいたい、フロントのインナーギアーの内側にチェンが落ちて、クランクとフレームの間に挟まってフレームが傷だらけになります。カーボンバイクだと、車体のダメージも、精神的ダメージも小さくは有りません。チェーン落ちを防止する為にチェーンキャッチャーを付けても・・・落ちる時には落ちる。

実は私、この所、立て続けにチェーン落ちに見舞われております。(何故かリアですが・・・)。そして、先日はRolfのリアーのスポーク2本が折れました。千葉の山の中で・・・。元々14本しか無いスポークが2本折れると、リムが歪んでブレーキに当たる為、走行不能になります。(残った12本の極細のスポークに命を預ける気にはなれませんが・・・)

そこで「フロントシングル」の出番です。

フロントシングルはロードバイクより悪路を走るMTBで発達した技術です。MTBは悪路でチェーン落ちのリスクが高いので、いっその事、フロント変速を止めてしまえという発想が生まれて来ます。しかし、ただフロントディレラーを取り去っただけでは、チェーン落ちは防げません。現に私の魔改造MTBはフロントシングルですが、フロントチェーンが落ちまくったのでフロントディレラーを付けたままにしています。単にチェーン落ち防止の為に。

■ ナロー ワイド という技術 ■



そこで誰が考えたのかは知りませんが、フロントギアーの歯を、「薄い歯」と「厚い歯」を交互にする事で、チェーン落ちを防ぐ技術が「ナロー&ワイド」。

本来はMTB用の技術でしたが、悪路を走るシクロクロスやグラベルロードの普及によって、ロードバイク系の車体にもフロントシングルが使われる様になります。

そして、とうとう、プロのロードレースの世界でもフロントシングルを採用するチームが現れました。アイルランドのAqua Blue Sportというチームです。



しかし、選手たちにはフロントシングルは不評で、チームも解散しています。ほんの少しのギアー選択のミスが勝敗を分けるプロのチームで、ギアの選択肢が狭いフロントシングルは圧倒的に不利なのです。

しかし、ホビーライダーの多くは、1秒を争う様な走り方はしません。特に、平地中心に走る人や、ヒルクライムに特化した人は、ギーアの多くを持て余しています。そこで、ロードバイクでもフロントシングルを採用する人がチラホラと現れる様になります。

ただ、「ギアの選択肢が少ない」という制約は残りますから、重いギアーか、或いは軽いギアーか、はたまた「スムースなギアの繋がり」を捨てる必要が有ります。

■ ギア選択が難しい ■

11速、或いは12速だけしかギアの選択肢の無いフロントシングルでは、フロントとリアの歯数によって、全く異なった乗り物になります。

フロント2段と同じギアー幅を選択出来る様にする為には、MTBの様にリアのギアをワイド化するしか在りません。SRAMなどは11T-36Tとか、或いはもっと広いギアーのスプロケを販売しています。しかし、変速段数が11速、或いは12速では、ギアーの歯数の間隔が広がってしまいますから、細かな変速調整が出来なくなります。「もう少し軽く」とか「もう少し重く」という時に選ぶギアが無い。

そこで、今回はリアーをシマノの11T-28Tにして、フロントを42Tにしてみました。

トップ側のギア比が3.82、ロ-側が1.5という構成です。

トップ側の3.82はコンパクトクランクの50-13Tにほぼ等しい。ホビーライダーは下りで高速を出さない限りは11Tや12Tは使いません。

一方ロー側の1.50は、コンパクトクランクの34-23Tに相当します。ホビーライダーは激坂では34-32T(ギア比1.06)などという乙女ギアを求める人も居ますから、1.50というギア比は、10%を超える坂道では「男気」溢れる選択となります。

尤も、私はギア比3.0のピストに乗って房総に山を登っていますから、1.50は「ちょっと重いけどダンシングで激坂はOK」って感じ。勿論、登りでスピードを求めるヒルクライマーでは問題が生じますが、「峠は足を着かずに登れれば良い」派なので、問題無い。

■ ダンシングが帰って来た ■

実は一昨年からコンパクトクランク(50-34t)や、セミコンパクトクランク(52-36T)を使い始めていまいた。やはり、年齢的に思いギアは坂道で辛い。省エネモードのシッティングで坂道を登るには、コンパクト系のクランクは楽ちんです。一方、ダンシングの出番は減りました。

しかし、フロントシングルで1.50というファイナルローのギアー比では、8~9%以上の坂道は基本ダンシングとなります。ちょっとした坂道での加速のシーンでも、ダンシングの出番です。

今回は10%越えが連続し、しかも直登気味の麻綿原高原を老川十字路側から登ってみましたが、フロント変速をしないと、登ると下りが交互に表れる尾根筋の様なコースではギアチェンジが超楽ちんでした。そして、結構荒れた路面でギアチェンジしても、チェーンは落ちる気配すら在りませんでした。

というか、ダンシング、楽しい!!

久々に「自転車に乗ていて楽しい」と感じました。


■ SRAMのダブルタップも楽しい ■

実は今回、人生初のSRAMコンポでしたが、「ダブルタップ、超楽しい」です。

ダブルタップは一つの変速レバーで、シフトアップもシフトダウンもする構造。深く押し込めばシフトダウン。軽く叩けばシフトアップ。

未だ、慣れていないのでシフトミスも多いのですが、同じレバーなので修正は楽です。特にシフトアップは「チョンチョン」って感じで超楽。

私、シマノのブレークレバー全体をグニュリと捻るシフトダウン操作ってどうしても好きになれません。だからカンパを使って来たのですが、SRAMのダブルタップの操作感も悪く在りません。

そして、リアの機械式変速もスパスパと気持ち良く決まります。


最近、自転車に乗る時に「如何に効率的にペダリングするか・・・」なんて考える事が多かったのですが、フロントシングルで「効率」を捨て去ると、自転車に乗る楽しみが戻って来ます。「気合でダンシングだぁーーー」・・・これこそが、子供の時から乗り続けて来た自転車の楽しみの本質だったのかも知れません。







箱根駅伝から逃げる2020・・・達成ならず

2020-01-04 04:48:00 | 自転車/マラソン
 



■ 久しぶりに箱根駅伝から逃げてみた ■

箱根駅伝のスタート1時間前に自転車で大手町を出発して、交通規制が掛かる前に箱根の国道1号線最高点に到達するという「箱根駅伝から逃げる」という勝手イベント。最近は世間の目が厳しいので2015年を最後に参加?していませんでした。

しかし、参加?人数が減っているとの情報もあり、今年はこっそり参加してみることに。2015年は7:09に大手町を出発して最高点に到達出来ましたが、最近は体重が増えてしまったので山登りで時間が掛かりそうです。大手町は6:30出発予定にしました。

6:27分に大手町を出発します。自転車乗りの姿は見えません。日比谷の辺りで後ろから自転車が1台追い付いて来ました。「今年は少ないですね」と話しかけると、「先程2人出発されましたけど、後は見かけません」とのお答え。

私はボッチライダーを自称するソリストで、集団では走り慣れていないのでトレインに付く事はしないのですが、旅は道連れ、しばらく一緒に走ります。ただ、先頭交代などせずに、マイペースで走る後ろに付いて来てもらう感じ。しかし、信号のタイミングが悪かったのか・・・環8を渡る前に、どこかに落として来てしまいました。ここからは一人旅。

■ 速い人は速いなあ ■

6号橋の手前で先行する2人に追いつきますが、この方達も車間を取って走っています。六郷橋を渡った信号に私だけ引っ掛かって、ここからは一人旅。

東神奈川の手前で3人組に抜かれます。ネズミのカブリ物と、ピカチューの全身タイツ、そして普通の人。抜かれると追ってしまう本能が働いて、保土ヶ谷まで追いかけますが・・・この人達、35km巡行でメチャメチャ速い。このまま保土ヶ谷の坂道に突入したら脚が終わるので、保土ヶ谷で離脱します。「クロモリなんでノンビリ行きます。山でお会いしましょう」と言って別れます。



■ トレインに付くのはズルい気がする・・・ ■



戸塚を過ぎた辺りから、前方にトレインの集団が見えて来ます。藤沢の手前で追いついて後ろに付かせて頂きます。ただ、安全車間は取ります。万が一、前方でトラブルがあっても避けられる距離。こちらはカンパの止まらないブレーキなので5m以上は空ける様にします。

海岸通りに出て、トレインのペースが上ると、流石に車間を取ると遅れてしまいます。ここからは一人旅となりましたが、信号の巡りが良かったのか、大磯でトレインに追いつきます。ただ、トレインにくっついて小田原まで行くのはボッチライダーのこ意地に関わるので、大磯でコンビニ休憩。

ここからは一人、黙々とペダルを回して小田原に付きます。脚は充分残っている感じで、湯本への登り坂もペダルは良く回ります。

■ エエエエー自転車通行禁止って!! ■


風祭のコンビニで休憩していると、ネズミとピカチューが走り過ぎて行きました。彼らも休憩していたのでしょう。カメも長い休憩をしなければウサギを追い越すんですね。

事前の予告で小田原中継所の交通規制が11:00からだったので、10:30頃にここをクリア。

ところが、山崎I.Cの付近で交通規制が掛かっています。大型車と自転車は国道1号線への乗り入れ禁止だとか!!。「旧道は良いですか?」って聞いたら「自転車は旧道もダメ」だそうです。

後で調べたら、登山鉄道が運休しているので、車の混雑が予想され、自転車と大型車は規制したとか・・・。おいおい、いつも駅伝の前の国道1号線って大渋滞じゃないの。自転車はドブ板の上を走ってるよ・・・。

まあ、ここで警官と揉めても仕方無いので、自転車を降りて歩道を押して湯本方面に向かいます。ダメなら湯本で応援するしか有りません。ただ、押して歩くのも疲れるので、ちょ~っとだけ自転車に乗ってみます。又、警官や交通整理のボランティアに止められたら降りるしかありませんが。・・・・誰も止めません・・・。

という訳で湯本を越えて山登りに入ります。本当なら湯本でコンビニ休憩して脚を回復させたい所ですが、いつ自転車を止められるか分からないので、休憩無で箱根路に突入します。


■ 脚が重い、両腿ツッタ!! ■



山道の入ると脚が重い。ペダルも回りません・・・・って、フロントがアウターでした。気を取り直してインナーに落としますが、脚が思う様に回りません。これ、ダメなヤツじゃん・・・。

大平台、宮ノ下と時折10kmを切るペースで黙々と登ります。車が渋滞しているのでドブ板の上を走行しますが、歩行者が結構いらっしゃるので、ペースが上がりません。

宮ノ下の急坂で両腿が攣って足付き。そこから再スタートはキツかったので、とうとう押しが入ります。自転車乗りって不思議な生き物で、足さえ付かなければ遅くても登れるのだけれど、一度足を付くと登れなくなる。

そんなこんなで、小涌園下の急坂も押しが入って、完全に戦闘モードが解除されてしまいました。小涌園からは斜度が緩くなるので、時間的には充分最高点に到達出来ますが、脚を付いて、押しが入ってしまったので達成感が無い。・・・そんなこんなで、今年のチャレンジは小涌園前で終了します。

やはり、70kgオーバーの体重のヒルクライムはキツイ。

■ 青学が一位、そして二位は・・・何と国学院 ■

小涌園の前は日体大の幟の集団が陣取っています。待つ事30分以上で、ヘリの音が近づいて来ました。

大会関係車両が通過し始めます。「皆さん、手に持った応援の旗は振らないで下さい。バタバタという音で皆さんの声援が選手に届きません。選手も我慢しています。皆さんも旗を振るのを我慢して下さい」という車からのアナウンスに笑いが起こります。





いよいよ中継車と先導の白バイが姿を現します。先頭は青学です。そして、2番手は何と国学院!!これはビックリしました。東海大だと思ってましたから・・・・。


その後、続々と選手が通過して行きます。強豪校の駒沢や順天堂、日大、日体大、早稲田の順次が随分と低いのは驚きです。そして、筑波大にはビックリしました。(事前に出場校チェックし忘れました)

沿道に創価大学の幟も多かったのですが、出場していたのですね。私てっきり、創価学会が駅伝便乗して幟を立てているものだと思っていました。(創価大、復路10区の走りには感動しました。今年、一番感動した!!)



そんな、こんなで、目的を達成出来なかった「箱根駅伝から逃げう2020」。5kg程度ダイエットしなくては坂を気持ちよく登れない事が明確になりました。・・・・しかし、その後、正月料理をたらふく食べて、おおいに飲んだくれたので・・・体重、きっと増えてます・・・。


まあ、54歳にしては頑張った。

千葉県の豪雨被害・・・MTBで行く

2019-10-28 05:09:00 | 自転車/マラソン
■ 千葉県豪雨の実態調査 ■



2019年10月25日は千葉県に記録的な大雨が降りました。

台風20号から勢力の衰えた熱帯低気圧が日本列島を北上し、さらに東海上を、強い勢力の台風21号が並走した為に、大量の湿った空気が関東地方から東北地方に流れ込みました。

千葉県の多くの場所で、観測史上初となる記録的な大雨となり、場所によっては1時間の雨量が100mmを越え、3時間雨量が300mmを越えた所も有ります。

ちなみに、降水量を言葉で表現すると下記の様になります。

1ミリ    → 小雨。地面がかすかに湿る。傘はいらない。

3ミリまで  → 弱い雨。地面がすっかり湿る。

8ミリまで → 雨。地面に水たまりができる。

15ミリまで → やや強い雨。雨が降る音が聞こえる。

20ミリまで → 強い雨。雨音で話しが聞き取りにくい。
        地面一面に水たまり。
        寝ている人でも目を覚ます場合がある。

30ミリまで → 激しい雨。傘をさしていても濡れるどしゃぶり。
        道端の排水溝があふれはじめる。

50ミリまで → 非常に激しい雨。まさにバケツをひっくり返したような雨。
        下水はあふれ、崖くずれなどが起こりやすい。
        道路交通規制などが行われる。

50ミリ以上 → 非猛烈な雨。滝のように降り、雨しぶきで辺りは白っぽくなる。
        土砂災害や中小河川の氾濫が起こり、水害が急速に広がる。


1時間に100mmの降水量は、1か月分の雨が1時間で降るのに等しく、そんな中に屋外に居れば「滝行」状態間違い無し。

■ 「養老川がマジヤバイ!!」 ■

昨日、普段は穏やかな養老川は2か所で氾濫し、中流にある高滝ダムは、上流域の水位が上昇した為に緊急放流一歩手前まで行きました。





ネットでは「こんな養老川見た事無い」や「高滝ダム、普段でも放流すると水位一気の上昇するのに、今放流したらマジヤバイ」などという書き込みが溢れました。

下の写真はネットから拝借しましたが、下流域でも、あと数十センチで越水という状態。


ネットから

■ 豪雨の翌日、千葉県を横断してみる ■

私は自分の目で見たものしか信用しない性格なので、豪雨の翌日、被害の状況を直接見に行ってみました。もちろん自転車で。いつもの上総牛久から養老渓谷経由で鴨川を目指します。道は相当に荒れているでしょうから、ブロックタイヤのMTBの出番です。

豪雨の翌日の土曜日は、朝から晴れ間が広がりました。路面も既に乾いていて、所々に水たまりが残る程度。但し、国道の路肩は水で流された枯れ枝が排水溝の周辺の溜まっているなど、非常に走り難い状態。ロードではパンク覚悟ですが、MTBなので枯れ枝を踏み越えても平気です。

八幡宿から大多喜街道に入り、上総牛久を目指します。上総牛久の周辺でも養老川が氾濫した様ですが、今は川の水位は下がっています。路肩に溜まる砂が、道路の冠水の名残。

養老清澄ラインに入ると、読売カントリークラブの手前で「土砂崩れ通行止め」の看板。農道に迂回してCC前の坂道を登って行くと、なんと坂の頂上手前が土砂崩れ現場でした。既に、パワーシャベルが土砂の撤去作業を始めています。

規模は大した事が無かったので、作業員の方に自転車で越えて良いか聞くと「無理だっぺ、ズブズブで潜っちゃうよ」と笑っています。「大丈夫、いつもの事です」と答えて数歩進むも、ズブズブ・・・。これ膝まで潜っちゃうヤツだ・・・。「やっぱ無理っす!!」っと撤退表明。「そうだっぺ、迂回するのが正解だよ」と、皆さんに笑われました。





ドロドロになった靴と、ドロドロになったタイヤで、なかなかMTBらしい感じにった所で、適当に迂回して、養老清澄ラインに復帰。高滝ダム(高滝湖)の到着します。

高滝湖は茶色く濁り、流木が多く浮かんでいますが、水位は普段よりも1m程度高い感じ。湖畔の管理用の通路が一部水に浸かっています。




その先、橋から見下ろす養老川の水位は下がっていました。枝に引っかかっているゴミなどから判断して、今より3m程は増水していたと思われます。千葉県の河川は、長さが短いので、水位いが下がるのが早いのでしょう。



■ 土砂崩れのオンパレード ■

上総大久保まで来ると、大規模な土砂崩れで電柱が倒壊して通行止め。この先に洞門(シェルター)があるので、崩れやすい場所なのでしょう。





適当に川の対岸で迂回路を捜します。対岸から土砂崩れ箇所が見えます。この周辺は砂層と粘土層の互層で形成されているので、砂層部分は崩れやすい。




迂回路はバイク乗りが素掘りトンネル目当てで良く通る林道ですが、追い抜いていった乗用車が何台か戻って来ました。「通行止めですか」と聞くと「トンネルの出口で倒木で通れない。人は歩いて通れそうだから、自転車も行けるかも知れません」との事。

トンネルを抜けると、そこは「倒木だらけ」だった・・・。




枝の下を、自転車を寝かせて、どうにか突破に成功し先に進むと、30m置きに倒木や、小規模な土砂崩れに行き合たります。粘度層も柔らかいので、ゴロゴロと崩れて道に転がっています。





土砂崩れ箇所の泥の上に足跡が無いので、私が最初の通行者の様です。倒木の枝が密集している所では、太い枝をバキバキ追って通れる場所を確保します。そんな場所が何か所かあったので、ちょっとしたボランティアをやった気分になります。




小さな沢を跨ぐ橋の路肩が崩落していました。普段はほとんど水流が無いのですが、昨日は濁流だったのでしょう。しばらくは自動車は通れないでしょう。





山の反対側に出ると道幅が広くなりますが、やはり所々で斜面が崩落しています。途中から車のタイヤの跡があり、その下に「通行止め」の看板が立っていたので、地元の方が様子を見にいらしたのでしょう。




ようやく集落に出ました。養老渓谷駅裏の端から谷を見下ろします。下に見える橋の川岸部分が相当に侵食されています。この辺りも地層が柔らかいので、川のカーブの外側は、簡単に削り取られてしまいます。



■ ラーメン屋さんが情報基地? ■

自転車を担いだので、お腹が空きました。養老渓谷駅裏の以前から気になっていたラーメン屋さんに入ります。地元の方相手のお店なので、色々とお話が伺えそうです。

お店には先客でオバサンが一人。携帯電話で店の外で誰かとお話されていますが、「どこそこが道が川の様だった」とか「どこそこは通れない」などとの情報を交換しています。

私はミネラル補給で味噌ラーメンを注文して、お店のオバサンとひとしきり雑談。

「どこからいらしたの?」
「浦安から」

「自転車ですか?どこ通って来たの?」
「上総大久保から小学校の脇を登って来ました。」

「あら、崩れて通れなかったんじゃない?」
「倒木の枝を折って突破して来ました。」

「どこまでいらっしゃるの?」
「鴨川に抜けようとおもうのですが、通れますかね?」

「筒森を抜けて鴨川有料なら大丈夫だと思うけど、スマホで調べられない?」
「あ、鴨川有料、大丈夫みたいですね。」

「養老渓谷へは、今、大多喜回りじゃないと来れないのよ、後はどこも通行止め」
「山の中は相当に酷いですね」
「今朝、皆で道を全部見て回ったけど、通れる道は大多喜に抜ける道だけだって」
「林道は全滅ですね」

その後、何故か、電話を終えたオバサンも一緒に、「電位治療器具」のセールスの話で盛り上がっちゃいました。「ヘル〇トロ〇」ってヤツだと思うのですが・・・どうやら近くで人を集めているみたいで勧誘が煩いらしい。「・・・・あ、それなら実家にありますよ」と思わず会話に参加すると、「エー、本当。で、どうなの、効くの?」。「僕は全く分からないんですけど、母は夜中に脚が攣った時に座ると治るって言ってますね。」「あら、そう。でも脚が攣るのてそのままにしていても治るわよね」「そうそう、親指立てると治るよね・・・」っとこんな会話。

そうこうしている内に、市役所の職員の方が被害状況の調査にみえました。

「どうです、今回は何か被害ありましたか?」
「ウチは大丈夫ですね。電話も通じるし」
「ちょっと見させてもらいますね」
「お願いします。」

「どこ通って来たの?」
「大多喜」
「それはご苦労様、1時間掛かったでしょう」
「だいたい1時間」
「ここの所、いつもご苦労様」
「いつも土日なんだよね、台風」

9月以降、千葉県の自治体の職員の方は休まる事が無いでしょう。本当にご苦労様です。

ところで、味噌ラーメン。おおきな器で出て来たので、食べきれるか心配でしたが、美味しくて汁まで完食してしまいました。今度から養老渓谷で昼食を食べる時には、こちらのお店に決めました。

■ 水は引いたけれど、遊歩道の被害が・・・ ■

腹も満たしたのでラーメン屋さんを後にして、鴨川を目指します。

養老渓谷温泉郷の赤い太鼓橋ですが、いつもは6mくらい下を流れる川が、岸の上近くまで増水した写真がネットにアップされていました。本日は、水位は下がっていましたが、木の枝に引っ掛かったゴミが、増水の跡。





川岸の遊歩道の手摺が無残にも破壊されています。遊歩道も無事では無いでしょう。これから紅葉シーズンで一年で一番賑わう養老渓谷ですが、観光への影響が心配です。



鴨川へは老川十字路を右折して筒森経由で亀山湖から鴨川有料を目指しますが、筒森の先の土砂崩れが心配です。君津と大多喜の市境付近は、土砂崩れや路肩の崩落が多い場所です。そこで折り返すのもショックが大きいので、老川十字路を直進して粟又の滝から、会所のトンネル経由を選びます。


普段は水量が少なくて、滝というより、巨大なウォータースライダーの様な粟又の滝ですが、今日は「どこの名瀑だよ!!」という程の迫力です。


日光の「湯の滝」の様になった「粟又の滝」

いつもは水量が多い時でも、この程度。夏の渇水時はチョロチョロ・・。


会所トンネルからは下り坂になります。道端の斜面から道路に水が流れ出て、舗装の上を小川の様に流れていますが、わざと自転車を突入させて、タイヤや車体の泥を洗い落とします。(頭から水を被る事にもなりますが・・・)


安房小湊への分岐で、迷いましたが、鴨川へは向かわず、勝浦から輪行する事に決めます。「鳴海」を一本買いたくなったからです。




9月の台風15号以来、千葉県は台風や豪雨被害に度々見舞われています。今回の豪雨の被害も復旧まで時間が掛かりそうですが、地方の人達は「災害慣れ」しているというか、逞しい。コミュニテーがしっかりしているので、自分達で被害地域を特定して、口コミで被害状況が広がて行きます。近所の一人暮らしの老人の安否確認も迅速です。都会では行政任せの防災ですが、地方では地域ぐるみで対応している事を、自分の目と耳で感じ取った一日でした。


ガンバレ、千葉県。
ガンバレ、全国の被災地の皆さん!!



乗鞍ヒルクライム・・・思い立ったら即実行

2019-10-07 03:40:00 | 自転車/マラソン
 


■ そうだ、紅葉を見に乗鞍岳に行こう ■

冒頭の写真をご覧になれば、何処に行ったかは一目瞭然。そう、乗鞍岳にヒルクライムです。

乗鞍と言えば自転車乗りの聖地。自転車(ロードバイク)で行ける日本最高地点です。

ちなみに、自転車で行ける峠の最高点は大弛峠(おおだるみ峠)。
日本一の峠にMTBで挑む・・・大弛峠・・・「人力でGO」 2018.08.16 

日頃から自転車好きを自称する私ですが、乗鞍に行った事が無いのでは自転車乗りの名折れです。そこで、紅葉のこの時期に乗鞍ヒルクライムを敢行して来ました。

■ 乗鞍ってどうやって行くの? ■

ところで乗鞍ってどうやって行くの??

ネットで調べると、ほとんどの人が車載で乗鞍観光センターまで行っています。輪行の記事を見付けました。

東京 → JR松本駅 → 松本電鉄・「新島々駅」→ アルピコ交通・「乗鞍観光センター」

朝イチで東京を出れば、日帰りできるそうです。

都内から自走とか、松本から自走という記事は、ほとんで見かけません。理由は新島々から乗鞍に至る国道158号線は、狭いトンネルが連続していて、自転車の走行は危険だから。そう、思い出しました。以前、高山から高速バスで東京に帰る際に、安房トンネルを過ぎた所から、狭いトンネルが沢山あって、「ああ、ここだけは自転車で走りたくない」と思いました。

1)路肩や歩道が無い
2)トンネルの幅が狭く大型車の行き違いも大変
3)松本方面からは登り坂のトンネル
4)トンネルがカーブしている
5)トンネル内の路面が荒れている
6)トンネル内に分岐が或る!?
7)交通量が結構多い


ここを走ったという猛者もいらっしゃる様ですが、はっきり言って私はまだ死にたくありません。

■ 紅葉シーズンの満席のあずさ1号だって簡単に乗れる? ■

木曜日に乗鞍行きを思い立ち、金曜日に「あずさ1号」の指定を取ろうと思ったら満席。でも問題有りません。何故なら自転車をデッキに置く関係上、座席に座る事が出来ないからです。ドアが開いて乗客が乗降する度に、自転車を移動しなければならないのです。

あずさは全席指定ですが、「特別指定券」というのがあって、座席を指定しなくても、空いている座席に座れます。ただ、誰かが座席を購入している区間は、別の空いている席を捜さなければなりません。

この「特別指定券」を購入(座席指定と同額)して、デッキに自転車と一緒に立っていれば、満席なんて関係有りません。紅葉シーズンの新宿発のあずさ1号に、当日チケットでも乗る事が出来ます。帰りも同様です。

■ クロモリ・フルリジット・フロントシングルMTBのラレー君に決めた!! ■

問題はバスです。「荷物室に自転車を入れる」と書かれていますが、山道でバスは大揺れのハズ。・デリケートなカーボンバイクは心配です。

そこで、先日組み立てたレイノルズ853チューブのレモン・チューリッヒにしようかとも思いましたが、ヘッドパーツのガタが取れないので長い下りは心配です。

そうなると、残りは街乗り仕様のMTB、ラレー君しかありません。クロモリ・メガチューブ、フロント44tシングル、ブロックタイヤ装着の13kgのモンスター・クロスもどき。

まあ、日本一登りが長い大弛峠もラレー君で登ったので、20km、平均斜度6.1%ならば、どおって事無いでしょう。

実際にはバスの荷室に自転車を寝かして入れました。紅葉シーズンは日帰りハイカーが多く、大きなリュックが荷室に無いので、自転車が荷室を独占出来ました。6台程入りました。但し、夏場は大型のリュックが多いので、自転車は載せられないそうです。



■ 乗鞍はサイコーだ!! ■

そんなこんなで行って来ました、乗鞍ヒルクライム。当然、「足付き無し」ですが、走行中片手運転で写真を撮りまくったので、ゆっくりクライムでの達成。時間は2時間30分掛かりました。(あまりの景色の良さに森林限界以上は、ほとんんどカメラを手放せず、片手運転・・・真似しちゃダメだよ・・・)


新宿7時発のあずさ1号に乗って、乗鞍観光センターには12時頃に到着。標高は既に1457m


走り始めてしばらくすると正面に乗鞍山頂が見えます。序盤の斜度は7~8%程度。ガンバレばラレー君でも10km/hで登れますが、先が長いので9~8km/hペース


カラ松林の中の白樺が点在するザ・信州な景色


三本滝レストハウス。ここから先は一般車通行止め


スキー場で見晴らしが効きます。


いよいよ森林限界。真っ赤に染まったナナカマドが見事



2000m以上では紅葉が始まっています


高木が少なくなり、眺望が良くなります。ここら辺から登山客が沢山



いよいよ森林限界。真っ赤に染まったナナカマドが見事




2500mを越えると別世界。雲の上です


コースの最高点2720mの長野―岐阜県境を越えてたら、畳平はすぐそこ



山頂は気温5℃位でしょうか。風が強くて寒いので、防寒具を着込みます。時間が遅いので女性のサイクリストも多い。今晩は山頂泊でしょうか




男気仕様のラレー君、何故か本格ヒルクライムのお供が多い・・・。ブロックタイヤには岩肌が良く似合う





下りは岐阜県側の乗鞍スカイライン。高山らしい景色が続きます。そして高速ダウンヒルには観光客がバスや自転車が少ないこちらがお勧め





スカイラインを一気に下り、平湯から国道158号線で高山を目指します。ずっと下りのコースですが、高山市街までは意外に距離があります。

当日の早朝に宿泊を決めたので、取れた宿は温泉施設の大部屋。通常3500円/1泊ですが、溜まっていたポイントを使って2000円。山小屋だと思えば、天然温泉も付いて、一人で布団を独占できるので、こっちの方が天国です。(山小屋、二人で一つの布団をシェアですから・・・)

700円の入浴料を払って、強いアルカリ泉でお肌ツルツル。付属の飲食施設で、高山名物「けいちゃん」(鶏肉と野菜の鉄板焼き)を肴に生ビールをグウウーーっと一気に胃に流し込みます。本日のヒルクライムはこの一瞬の為に有る。

飛騨古川の渡辺酒造(蓬莱が有名)の「小町桜」を冷で頂きます。本醸造の普通のお酒ですが・・・下手は吟醸酒よりも美味しい。最期は高山ラーメンで上り。塩分補給でスープまで完食。

お腹一杯食べて、お酒も入ったので、後はグッスリ寝るだけ。

ところで、結局大部屋に停まったのは4人だけでした。沢山布団が敷かれていましたが、「〇〇交通様」という名札が布団に置いてあったので、深夜バスの運転手が昼間寝る場所に使っているみたいですね。温泉施設も真昼間は利用客が少ないから静か。

明日は乗鞍スカイラインから山頂を目指します。(天気次第ですが)