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『ハケン飯友』シリーズ2作目…♪

2021-12-10 09:39:20 | Weblog
最新刊のシリーズ3作目の方を先に読んでしまったのは、いつも行く書店に2作目の在庫がなかったから。
時間軸は繋がっているんだけど一話完結の短編集だからそれほど困ることはないかなと、取り寄せを急ぎもしなかったの。
一昨日、いつも行く書店からも近いもう一つの大型書店に行く用事があって、ついでに文庫本のコーナーに足を向けたら
ありましたぁ

          

『ハケン飯友 僕と猫のごはん歳時記』 椹野道流著 集英社オレンジ文庫
主人公坂井寛生クンは猫との飯友関係が充実していて、沖本静さん経営の喫茶店の店長を務めながら沖本邸の雑用をこなしたりしています。
今回はにゃぁんと…っ、猫が誘拐されてしまい 、それを坂井クンが無事に見つけだすというちょっとした冒険譚もある。
叶木神社のご祭神はどういうわけだか坂井クンに協力的
そして沖本さんの亡くなった息子さんにまつわる悲しく痛ましい出来事も語られます。
喫茶店≪茶話 山猫軒≫の店長として働くようになって数か月、坂井クンの山猫軒への思いが素敵です。
町内自治会主催の秋祭りに参加して欲しいと誘われ、参加したいのは山々だけど、でも、あの、やっぱり、と躊躇する沖本さんと坂井クンに猫が助け舟を出すの。
猫にはしがらみとか忖度とか一切ないからね、真っ直ぐに事の本質を見抜けるから“正解”を導き出すのは難しいことじゃないんでしょうね
そして最後は坂井クンと猫と沖本さんとの心温まる素敵なクリスマスのお話です。
上手く言えないんですけどね、猫はまぁ身も蓋もない言い方をすれば化け猫なんだけど、自分の過去の時間をちゃんと覚えているけれどそこに捉われることなく、あくまでも現在を生きている、悔やんでも惜しんでも嘆いても過去に戻って修正することは出来ないと暗に告げているような気がします。
一方で今は無き夫と息子と暮らした素敵なお屋敷で喫茶店を営みながら思い出を大切にしてる沖本さん、彼女は決して過去の思い出に縋っているわけでもないし浸っているわけでもないんだけど、どこか時間が止まっているように見えなくもない。大切な素敵な思い出を仕舞い込んで時を止めている、そうしようと意図したわけじゃないんだろうけど、結果そうなっちゃってる。
沖本さんのそんな時間が猫と坂井クンによって現在に繋がり今を生き始める、そんな印象なんですよね。
この作品がファンタジーであることは間違いないんだけど、ファンタジーという演出を借りて語られるものは重くて深く、だからこそ優しく暖かい、そんな作品だなって思います
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