東京で「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想展」が開かれている。
ルネッサンスの時代、画家は衣の襞を描く勉強をしたそうだが、その「衣紋の習作」や「ほつれ髪の女」(パルマ国立美術館蔵)が出展、特に、「ほつれ髪の女」は東京だけの展示だ。
梅田ブルグ7で「レオナルド・ダ・ヴィンチ展 in シアター」を上映していると言う。
ダ・ヴィンチが生涯に描いた絵画で現存する僅か15点のうち9点が集められた展覧会「Painter at the Court of Milan」、直訳すれば「ミラノの宮廷画家展」が、11年の秋から翌春までロンドンのナショナルギャラリーで開催、その模様が映画館のスクリーンで甦ると言うのである。
東京展では、「ミラノの宮廷画家展」のライブフイルムも上映されている。
若い頃はとんぼ返りしてでも行ったものだが、近頃は無理が利かない。
それで、ブルク7で上映されるのを機にペトロ を誘った。
その気になっていたのだが、当日朝になって体調が思わしくない。
90分の上映時間に自信がなく、独りで行っといでと言うと、「それじゃ」とさっさと行っちまった。
何時もペトロの後ろをくっついて歩いているだけなので、教わっていたのにブルク7の場所が分からない。
何故か、阪急の裏側の道を隔てた建物と思い込み、大阪駅から阪急側に出てしまった。
映画館らしい建物が見当たらないので、振り返ると東宝シネマが見えた。
エスカレーターで上階に昇り、多くの人でごった返しているロビーの案内板を見たが、ダ・ヴィンチなんてポスター、何処をどう探してもない。
此処に来てようやく、ここはブルク7じゃないと気づいた。
出かけに「ブルク7って何処にあるの?」と訊かれた、阪神の裏、新阪急ビルの隣と、教えながら、少し早めに出た方がいいと送り出した。
その後、新阪急ビルと付け加えたのは拙かったかなとも思ったのだが・・・。
東宝シネマで、地図とともに「E‐MAビルの中」と詳しく教えて貰ったが、そこでペトロが「阪神百貨店」と言っていたことを思い出す迂闊さ。
時計の針は11時10分、上映まで10分しかない。
駅前の陸橋を走り抜け、E-MAビルのエスカレーターで7階まで駆け上がると上映の案内を始めている。
慌てて自販機で券を購入、受付嬢に渡すと「10階へ」と言う。
またまたエスカレーターを駆け上がって滑り込みセーフ。
座席に腰を下ろし、もう独りでは映画になど行くものかと固く誓った?
勿論、そんなドタバタ劇は露も知らず、殆ど実物を観たくせに映画で観たって仕方あるまいに! 普通独りで行くかよ? と八つ当たり気味、彼女が出かけた後にだけど。
映画は、「岩窟の聖母」の修復記念として、5年の歳月をかけて準備したという美術展の記録だけにあって頷ける内容だった。そ
れにしても疲れたなあ。
顛末を疲れた顔で話すカタリナ に、大変だったなあと慰めながら、緩む顔を隠すのに苦労した。
写真は、「Painter at the Court of Milan」に展示された絵画の一部、上段左から右へ順に、 「岩窟の聖母」(ナショナルギャラリー蔵)、「救世主キリスト」(個人蔵)、「若い音楽家の肖像」(ミラノ・アンブロジアーナ絵画館蔵)、「白貂を抱く貴婦人」(クラクフ・チャルトリスキ美術館蔵)、「聖ヒエロニムス」(ヴァチカン絵画館蔵)、「ダ・ヴィンチカルトン」(ナショナルギャラリー蔵)。何れも同展の公式HPから。
Peter & Catherine’s Travel Tour No.473
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