少し風がきついもののすきっと晴れた日(3/7)だった。
久し振りに、西宮市大谷記念美術館の新収蔵品を中心にした、“ 飛翔する表現展 ” を覗いた。
その前に、前号(3/18)の疑問について。
ウキペディアに拠れば、クリスマスローズ、クリスマスの頃に開花するヘレボルス・ニゲルだけを指した呼称だが、日本の園芸市場では、レンテンローズと呼ばれるヘレボルス・オリエンタリスなどもクリスマスローズの名前で出まわっているのだそうで、なかなか面白い。
本題に戻ってこの展覧会、2012年度に新たにコレクションに加わった山下摩起、下村良之助、塚脇淳の作品を中心に展示されていた。
重厚感のある鉄を素材にしなやかな彫刻を制作(同展の案内)する塚脇淳のオブジェはちんぷんかんぷん、端(はな)から理解の外、展示室を覘いて直ぐ回れ右、何度か紹介した山下摩起、下村良之助の展示室へ向った。
まずは、山下摩起の「不動明王」(上右)。
褐色の地に薄茶で描かれた明王が朱で隈(くま)取られていて、塗り重ねが困難とされる日本画に色を重ねた試みが面白い。
下村良之助の絵では、案内書にもある「月明を翔く 庇」が印象に残った。
面白かったのは小品の「SIAM ANCHIRA 十二神将 安底羅」(上左)、二曲屏風の「闘鶏 “ 点 ” 」(下)。
この画家、日本画の枠を越え自由な表現を追い求めたとあったが、なるほど、数日前に奈良の興福寺・東金堂(とうこんどう)で、本尊薬師如来を警護する十二神将のひとつ安底羅(あんてら)を拝観したばかりの目には、飛翔(とび)過ぎてるやないか!と思わせるに十分、面白さに溢れていた。
とまれ、僅か20分ほどで観終えた同展。
市民のシニア割り、つまり無料だったこともあって酔狂老人、にっこりしながら、「おおきに面白かった!」と可愛い受付嬢に礼を言って館を出たが、物騒なこのご時勢、ひょっとしたら気持ち悪がられたかなと、おおきに反省もした。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.782
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