ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

遅れた約束 ‐ カタリナとふたりで

2015年05月11日 | エルミタージュへの道

 昨日(5/10)は母の日、“ ありがとう ” を贈り、また、贈られたことでしょう。
 幾つになっても母は優しく、時に厳しく、そして甘酸っぱくも切ない懐かしい思い出ですよね。

 この日はペトロ にとって、生涯、忘れ得ない日、忘れてはならない日です。

 2013年の5月、連休の真っ只中でした、辛抱強いカタリナ が不調を訴え、もどかしい思いで連休が明けるのを待ち緊急入院をしたのは。
 入院の前後に多くの検査を受けましたが、何故か、なかなか結果を教えて貰えません。

 お仲間と杜若(かきつばた)を趣向に<立礼(りゅうれい)の点前>、お茶会を予定していた彼女、その準備などもあってしびれを切らしたのでしょう、主治医に「結果を教えてと頼んで」と言います。

 主治医にその旨を伝えますと、「分かりました。ご主人一人ですよね」と言われ、「いいえ、一緒に」と伝えますと、「・・・そうですか」となりました。
 この辺りから余りよくないのでは・・・と、の思いが頭を過り、胸騒ぎがしたことを憶えています。

 そして、5月10日の夕刻、小さく狭い部屋でした、車椅子の彼女とふたりで先生の話を聞きました。
 余程悔しかったのでしょう、滅多に涙を見せない彼女が涙を溜め、「サンクトペテルブルクだけは行かせて」と懇願します。
 勿論、許して貰えよう筈もない頼み、その夜、玩具を取り上げられた幼子みたく悄気ていましたっけ。

 また、その話、と思われるだろうことを承知で書いています。
 彼女が遺した思い、「また、いつの日かふたりで」と、<幻のエルミタージュ>で投稿したのは、一昨年のこの時季だったでしょうか?
 この稿をアップして関空行のリムジンバスに乗ります、逝って1年半、遅れた約束を果たすために。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.970


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