※ オーストリア/ウィーン美術史美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(35)
スペイン王家の宮廷画家として活躍した巨匠ディエゴ・ベラスケス(1599-1660/バロック)。
巨匠、<世界三大集団肖像画>のひとつ「<ラス・メニーナス(女官たち)>」(プラド美術館蔵)をはじめ、国王フェリペ4世の娘マルガリータ・テレサの成長を追って肖像画を描いている。
二番目の妻マリアナ・アンナとの第一子として生まれたマルガリータ、フェリペ4世手紙の中で 「私の喜び」と呼んだとか、そりゃもう目に入れても痛くないって存在だったンでしょう。
スペイン、オーストリア両ハプスブルク家の政略結婚によってウィーンに輿入れすることになったマルガリータ、嫁ぎ先への近況報告?として届けられたのが今ここにある理由のようだ。
そのマルガリータ3歳の肖像画が 「薔薇色の衣装のマルガリータ王女」(三枚組/右)。
次いで5歳の 「白い服の王女マルガリータ・テレサ」(同/中)、そして8歳の 「マルガリータ王女」(同/右)、両親から愛情を一杯注がれ、御成長あそばされているのが窺えるのであります。
ところで巨匠、フェリペ4世と最初の妻イサベル・デ・ボルボンの間に生まれたマリア・テレサ、つまり異母姉 「<マリア・テレサ王女の肖像>」(右)も描いている。
マルガリータの夫レオポルド1世、明るく愛らしい2歳年上のマリアとの結婚を望んでいたという説もあるらしいが、そりゃそうだ、マルガリータの5歳や8歳の見合い写真を見せられてもねえ。
ちなみにマルガリータ、15歳で11歳上のレオポルド1世と結婚、可哀想に22歳の若さで逝ったとされる。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1158
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