爽やかに晴れた日(10/17)、浄瑠璃寺まで出かけた。
農家の庭先、色づき始めた柿がたわわに稔り、稲刈りを終えた田圃の畦道には彼岸花が風に揺れている。
紅葉と馬酔木(あせび)で知られているこの寺、今、「秘仏・吉祥天女像」が秋季特別開扉されている。
紅葉が進み堂宇が混雑する前に、静かに拝見したいと思い訪ねた。
この天女様、カタリナ がこよなく愛していた。
彼女が敬愛して已まなかった父が、彼女の誕生を喜びその一字を名前に戴いたと聞く。
九体阿弥陀堂、像前に端坐し対面した。
雅と表現するよりも、むしろ童女のような、おおどかなお貌が好ましく心癒される。
厨子に佇まわれる三尺ほどのそのお姿、あどけなく大らかで眺めていて飽きない。
多くを語ることはない、五穀豊穣、天下泰平、豊かな暮らしと平和を授ける幸福の女神、吉祥天女。
重要文化財 「厨子入木造吉祥天立像」、その厨子の内部には梵天、亭釈天、四天王、弁財の四神、天部にも諸像が表されている。
帰依するところは異にするが、ただ見つめるだけ、見つめられるだけで、罪科(つみとが)から救われる、そんな心持にさせられる。
当尾(とうの)の里は浄瑠璃寺で、カタリナの面影を天女の面差しに見た、と言えば過ぎるだろうか。
あたかも、今週は、その彼女の誕生週でもあった。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.885
カタリナさんにそんな関わりがあったなんて。秋季特別開扉、私も拝観したいと思っていました。
今、開催されている正倉院展に「鳥毛立女屏風」(とりげりつじょのびょうぶ)が出展されているとか。
それとあわせてお天気のいい日に行こうかなと考えています。[E:foot]